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盲導犬の一生:子犬から引退するまで

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盲導犬はフレンドリーなので考えたこともないかもしれませんが、彼らの仕事は1日24時間、365日休むことのない大変な仕事です。盲導犬は賢く、忍耐強く、判断力があるため、視覚障害者がより良い、充実した日々を過ごせるよう大きな役割を果たしているのです。
盲導犬の一生:子犬から引退するまで
最後の更新: 07 2月, 2019

盲導犬という仕事は働く犬の仕事の中でも最も難しい仕事の一つです。本記事ではそんな盲導犬の一生についてご紹介します。盲導犬の訓練や盲導犬ユーザーとの1日を詳しく見ていきましょう。

盲導犬は目が見えない、あるいは視覚障害のある人を助けます。盲導犬ユーザーと道を歩き、道のどこをいつ渡れば安全かを知らせ、公共交通機関をユーザーと一緒に利用します。

そして、家の中でも手伝います。例えば落ちてしまったものを取ったり、ユーザーの邪魔になりそうな障害物をどけたりします。動きに制限があるユーザーにはドアや引き出しを開けたりもします。

 

警察犬のような他の働く犬とは違い、盲導犬は休憩する時間がありません。ユーザーといる時間は常にユーザーの目として働いているからです。人間の社会的規範について多くのことを覚えなくてはいけないため、盲導犬になるには特別な厳しい訓練が必要になります。

盲導犬:子犬

盲導犬は生涯に渡り助けるユーザーとのマッチングを行い、盲導犬になるための訓練を行う盲導犬協会で生まれます。このような協会は盲導犬として適切な性格と気質を持つ犬を遺伝的に選択しています。

最も一般的に盲導犬として使われる犬種はラブラドルレトリバー、ゴールデンレトリバー、ジャーマンシェパードです。これらの犬種は賢く、忍耐強く、決断力があります。また、母犬が妊娠中や出産中に合併症などの心配がないように、徹底的に管理された環境で生まれます。警察犬とは異なり、盲導犬の訓練は子犬のときには行いません。盲導犬は生まれてから暫くの間はパピーウォーカーと共に過ごします。パピーウォーカーは盲導犬の子犬に様々な人間社会のシーンを経験させ、ルールを教えます。

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盲導犬の子犬は1歳になると、パピーウォーカーから盲導犬協会に戻ります。この頃には家族の一員としての生活、道の歩き方、人や他の犬との触れ合い方、レストラン・職場・公共交通機関での振る舞い方などを覚えているはずです。

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訓練

盲導犬協会に戻ると盲導犬としての訓練がスタートします。道を安全に渡る、他の犬との関わりを避ける(犬の挨拶であっても)、真っすぐ歩くなど通常、犬には難しいことを専門家のチームが教えます。

また、段差や階段を見つけ、低い枝や店舗のオーニング(日よけ)など盲導犬ユーザーがぶつかる可能性のある危険な場所からユーザーを回避させることを学びます。盲導犬のこのような仕事により、ユーザーは家を出ても安全で活動できるのです。

盲導犬は1年間でこのようなスキルを覚えていきます。2歳になると卒業し、引退するまで盲導犬ユーザーと生活を共にします。

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しかし、すべての犬が訓練で十分なスキルを身に付けられるわけではありません。集中できない犬や訓練スケジュール通りにスキルを覚えられない犬などもいます。盲導犬になれない犬は、協会が盲導犬としてではなく、普通の犬として里親を探します。

成犬:働く犬

盲導犬としての本当の仕事は盲導犬ユーザーと対面してから始まります。盲導犬が訓練を終了し卒業すると、盲導犬の利用を希望する視覚障害者とのマッチングが行われます。その後、ユーザー希望者と歩行指導と呼ばれる共同訓練を行います。この訓練では盲導犬が何を伝えようとしているのかを覚えるなど、ユーザーが盲導犬に慣れていく期間です。

これらの過程が全て終了すると、晴れて盲導犬との生活がスタートします。盲導犬は育成団体側に所有権があり、団体が餌や動物病院での診察など盲導犬が引退するまでの健康管理をすべて行います。(注:これは海外での場合です。日本の公益財団法人日本盲導犬協会では、盲導犬は「無償貸与」という形をとっていますが、ドッグフード代、医療費などの費用はかかると表記してあります。)

盲導犬ユーザーとの共同訓練が終わると、盲導犬は全ての時間をユーザーに捧げます。家の中でも外出時と同じくらい仕事があるため、盲導犬は1日24時間休むことなくユーザーのために働きます。

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通常、盲導犬は10~12歳まで現役として働きます。しかし、盲導犬、あるいはユーザーの健康上の問題などから早期引退する場合もあります。10~12歳というのは飽くまでも目安であり、実際に引退する年齢はケースバイケースです。

引退の時期を迎えると、その後の生活について決める必要があります。ユーザーが里親になるか、特別なニーズのない家庭に迎え入れられるかです。どちらの場合でも、盲導犬としての生活にはピリオドを打ち、普通のペットのように行動し生活します。

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賛否両論

トレーナーの多くは、盲導犬の訓練と盲導犬の在り方について疑問を抱いています。また、一部の人は盲導犬の代わりに機械が使えないかと新しいテクノロジーを開発しています。

問題は、盲導犬が受ける厳しい訓練です。育成団体は犬に敬意をもって訓練を行っていると主張しますが、元調教師は訓練にはしばしば犬を痛めつける首輪や罰が使われていると言います。どちらも犬にとっては有害なものです。

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また、盲導犬が一生の殆どを休みなく働き続けるため、犬は本当は不幸なのではないかと懸念する人もいます。彼らは盲導犬を警察犬俳優犬と比べ、後者の勤務時間は週に数時間で休日もあると主張します。

盲導犬として求められることは、散歩中にあちこちのにおいを嗅ぐ、オシッコをする、他の犬と遊ぶなど、犬の本能に逆らうことばかりです。引退後の盲導犬を家に迎え入れた人は、現役中に肉体的・心理的に大きな負荷がかかっていたことが一目で分かると言います。

盲導犬は、多くの人にとって人生の必要不可欠な存在です。盲導犬は愛情と引き換えに視覚障害者の日常生活を助けます。しかし、一部の人は盲導犬の受ける訓練や盲導犬として求められる生き方に疑問を抱いているのも事実です。

このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。