不安障害を患う飼い主を助けた猫ちゃん

ネコは心臓病や精神病、高血圧症の治療にも一役買っている事が分かっており、もちろんそこには不安障害も含まれます。
不安障害を患う飼い主を助けた猫ちゃん

最後の更新: 12 10月, 2018

モリーという若い女性はある日、耳の無い猫を引き取ることを決心しました。しかしこの時、モリーはその猫が彼女とってかけがえのない存在になるとは思いもしませんでした。なんとその猫は、モリーの不安障害を治してくれたのです。

一方、その猫ちゃんは耳がないという見た目から里親を探すのにとても苦労していました。そしてシェルターに人が来るたびに自分は拒否されるので、とても落ち込んでいたのです。きっと見向きもされない経験を数多くしてきたのでしょう。

モリーがやってきた

そんな猫ちゃんの日常は、モリー・リヒテンヴァルナーという名の学生によって一変しました。モリーはシェルターでその猫ちゃんを見つけた瞬間に、この子しか無いと確信したそうです。そして驚くことに、飼い始めてからモリーの不安症も和らぎ始めたのです。

モリーは耳のない猫ちゃんに「オティティス」と名付けました。オティティスは9歳と半年の白猫で、不幸なことに嚢胞によって耳と聴力を失ってしまいました。そしてそんな状況に耐えかねてか、彼の前の飼い主にシェルターに置いていかれたのでした。

モリーは助けが必要だった

モリーは自分の言葉でこう語ります。「私は交通事故の影響で、深刻な不安障害を患っています。そしてそんな状況を良くする為に、動物を飼おうと思い立ったのです。だってフワフワな友達と遊んでいると心が晴れますから。

猫のオティティスもモリーが時折不安に苛まれる事に気づいていました。そして発作のパニックになった時も、モリーの支えとなったのです。

そんなオティティスについてモリーはこう語っています。「時々、彼だけが私の不安を解消してくれる存在の様に思えます。彼を引き取ったのは最高の選択でした。私が彼を救ったのではなく、間違いなく彼が私を救ってくれたのです。」

耳が無くても問題ない

オティティスの見た目は一風変わっていますが、モリーにとっては全く問題ありませんでした。確かにオティティスには耳がありませんし、顔も少しムスっとしていますが、モリーは彼の愛情深さや遊び好きな性格を見抜いていたのです。そしてモリーの方も、オティティスを引き取ったのは最高の選択だと考えています。彼女が言うように、オティティスは他の誰よりもモリーにとって心の支えとなってくれたのでしょう。

ネコがもたらす恩恵

ネコは子どもやお年寄りをはじめ、全ての人にとって心の癒しとなります

知っている方もいるかもしれませんが、気持ちよさそうにゴロゴロ喉を鳴らすあの行為にも、人間にとってリラックス効果があるそうです。ですので、ある種の「薬」としても、彼らはとても優秀なのです。例えば、ネコは心臓病や精神病、高血圧症の治療にも一役買っている事が分かっており、もちろんそこには不安障害も含まれます。

さらに一般的には動物と一緒に暮らしている人の方が寿命が長く、また幸せな日常を送っている事が研究によって分かっています。またその他の研究でも、犬や猫と暮らす事で健康になれると考えられているのです。人間と動物はホルモンや感情レベルで深い信頼関係を構築できるとされていますので、きっとそれのおかげなのでしょう。

笑顔が戻って来る

中には、動物は鬱に苦しむ人たちを笑顔にさせる効果があると示唆する研究もあります。つまり彼らは人間の不安を解消させたり、人付き合いが苦手な人たちをより社交的にしたりするのです。同様に、暴力的な性格の人たちにとってはその衝動を抑制する効果もあるとされています。それだけではなく、高血圧症を患っている人たちの血圧を下げたり、心理的な緊張を解きほぐしたりする事もあるとまで言われているのです。

自尊心を高める

抱かれているオティティス

さらに、動物がもたらしてくれる大切なメリットの一つとして「自分自身を受け入れさせてくれる」というのは外せません。私たちの背が高かろうと低かろうと、顔が良かろうと悪かろうと、お金持ちだろうと貧乏だろうと、彼らは無条件で私たちを愛してくれます。

最近アメリカン・ジャーナル・オブ・カーディオロジー(米心臓学会誌)に掲載された有名な論文では、猫の飼い主は心臓発作による死亡率が、猫を飼っていない人よりも低い事が分かりました。

これに関しては、ネコを撫でたり彼らが喉を鳴らしている音を聞く事で、動脈や抹消血管が拡張し、それによってリラックス効果が得られる事に起因しているのではないかと言われています。

子どもたちの「こころの健康」にも

ネコはもちろん、どんなペットも子ども達に成長過程で人生における大切な事を教えてくれますネコに食事をあげたり、その食事を準備したりを日常的に行う事になりますので、自然と自分自身の食事に対する意識も上がるのです。

それだけではありません。お世話というのは、動物の日常サイクルを尊重して、彼らに必要な物を提供するという事です。それを通じて子ども達の記憶力や集中力も向上するのです。

またお年寄りにとっても、猫ちゃんには抗うつ効果が期待できます。退職後は、人生にぽっかり穴が空いてしまった様な感覚になりがちで、社会にとって自分が必要なのかが分かりづらい時期なのですが猫ちゃんがその穴を埋めてくれるのです。

画像出典:www.red17.com


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