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犬のしつけ用「電気ショック首輪」を自ら体験した男性

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吠え続ける犬をしつける為と言って、電気ショックが流れる首輪を愛犬につける人がたくさんいるようです。でもそれをつけられた犬の気持ちはどうなんでしょう?それを理解するため、1人の男性が自分で実際に試してみました。彼がどんな体験をしたか、知りたくありませんか?
犬のしつけ用「電気ショック首輪」を自ら体験した男性
最後の更新: 22 5月, 2019

電気ショック首輪やバーク・コントロール・カラーなどと呼ばれる首輪は、よく吠える愛犬にオススメとの謳い文句で売られていますそんな中、1人の男性は愛犬にその首輪をつける前に、どんな感じか確かめる為に自分で試してみることにしたようです。

電気ショック首輪を自らの首にはめた男性

WoodysGamertagというYoutubeチャンネルを運営するウッディーさんは、最初は自分がゲームをしている姿を動画にしてアップロードしていましたが、そこからどんどんとコンテンツを多様化していき、今はほとんどの動画が彼の妻との日常に関するものです。

「知ってる人も多いと思うけど、僕はグレートデーンの子犬を飼ってるんだ」動画の最初でウッディーさんは言います。「まだ生後9ヶ月とか10ヶ月で、とにかく可愛いんだ。でも同時にめちゃくちゃうるさい。本当によく吠えるんだ。」というと、ウッディーさんはどこからともなく電気ショック首輪を持ってきます。これはリモコンで電気が流れるタイプのものじゃなく、犬の喉の振動を検知して24時間いつでも電気を浴びせる類のものです。

ウッディーさんは、自分の愛犬にそれをつける前に自分でどんな感じか試してみることにしました。おもむろに首輪をつけて座るウッディーさん、犬の吠え真似をします。その瞬間、首輪が作動してウッディさんに電気ショックを浴びせました。

ウッディーさんが吠えると同時に、彼の体全体に電気が流れているのが分かります。腕が硬直し、足は床に打ち付けられ、彼の表情も歪んでいます。およそ1分後、彼は付けた首輪を取り外し言います。「これは効くね。もう吠えたいと思わないよ」だそうです。

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電気ショック首輪と健康障害

ウッディーさんは1分間に4~5回のショックを自ら経験してましたが、犬の場合はおそらくそうはいかないでしょう。まず、電気ショック首輪で吠えるのを止めさせたいなら、愛犬は電気ショックと自分の吠えるという行動をリンク付けなくてはなりません。でも全ての犬がこれを出来る訳ではないのです。

しかも、電気ショックの影響も人間と犬では比べ物になりません。まず、基本的に首輪は長時間つけるものです。ウッディーさんのように1分だけ、という訳にはいかず、必然的に長時間首輪をつける愛犬には、その分多くの電気が流れるでしょう。次に、犬の体は人間の体より小さいということを忘れてはなりません。同じ電気ショックでも、感じる度合いが異なるはずです。

ウッディーさんは大人の方で、およそ体重も80kgから90kgに見受けられます。一方で、グレートデーンの子犬なんて、どんなに大きくてもせいぜい40kgぐらいです。単純に計算すると、ウッディーさんの感じたショックは子犬が実際に感じるものの2分の1ぐらいなのです。

そうでなくとも電気ショック首輪が様々な健康問題を引き起こすことは科学的に指摘されており、例えば筋痙攣や首部のホルモン腺(甲状腺など)への影響などが挙げられます。

また電気ショックは免疫系にも影響を与えると言われています。何度も何度も執拗に、ストレスを生み、セラトニン(幸福感と関係するホルモン)の分泌を阻止し、眼圧があがり、目には不可逆的なダメージを与えかねません。

しかも、これらは物理的なダメージを挙げ列ねたにすぎません。そう、もちろん電気ショック首輪はワンちゃんの精神にも影響を与えますストレス、困惑、家族と自分への不信感、恐怖と不安などを生み、そして最悪なことに、愛犬は余計によく吠える様になるでしょう

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効果的な代替手段

多くの人がこの首輪の効果を気にしてるみたいだけど、結論を言うと効果が無かったよ。愛犬の行動は変わらなかった。」ウッディさんは動画の概要欄でそう説明します。

ウッディーさんは加えて、電気ショック首輪を使わない解決方法を見つけたと言います。「トレーナーを雇ったんだ」「それで分かったことは、愛犬には社会との接点がもっと必要だったということ。と言うことで、地元のケンネルがやっている犬のデイケアサービスに預けて、他の犬と遊べるようにしたんだ。あと散歩の時間も増やしたよ。」

最後にウッディーさんはこう締めくくります。「電気ショック首輪より、そっちの方がずっと効果を実感できたよ。」彼の説明は的を得ています。そうなんです、犬の行動を変えるには、その行動を行っている原因を解決しないと達成できないのです今回のケースでは、ウッディーさんは「愛犬が吠える原因」を突き止めて解決したのです。

吠えるだけではありません。破壊衝動や攻撃的な態度など、犬の問題行動の裏にはなんらかの原因が隠されています。行動はただの「症状」であり、症状を出さない様に懲罰しても何ら根本的な解決にはなりません。

ウッディーさんのこの動画はYoutubeでご覧になれます。なんなら彼の他の動画もみることができます。私たちとしては、彼がこの動画をアップロードしてくれて、本当によかったと思っています。「電気ショック首輪では犬の問題を解決できない、彼の愛犬における本当の問題は社会との繋がりの無さだった。」これは非常に価値のあるレッスンです。

このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。