愛猫の行儀を良くする方法とは?
「ウチのネコの行儀が悪い」というのは割と頻繁に耳にする話題です。もしかしたら、そこら中をよじ登っているのかもしれませんし、カーテンを壊したり、家から脱走しようとしたりしているんでしょうか。もし愛猫の行儀を矯正したいなら、それ相応の忍耐と努力が必要となりますが、それさえあればきっと大丈夫です。という事で今日は、ネコちゃんのお行儀を良くするためのコツをご紹介しましょう。
愛猫が起こす行動の原因と解決
ネコは様々な行動をとりますが、ことさらお行儀の悪い行動に関しては、その裏に何らかの原因があるはずです。ですのでまずは、愛猫の行動における細かな変化にも気をつけておき、それが大きな変化にならないよう芽を摘んでおくのです。
以下に、ネコの行動を変えてしまう原因としてよく挙げられるものをご紹介しておきます。
病理学的原因
病気によっては、ネコの神経系にダメージや痛みを与える症状が伴うものもあります。するとネコちゃんは、すっかり弱ってしまって本能的に防衛行動を起こそうとしたり、新しい癖を作り出すのです。ちなみにこれは、お年寄りのネコちゃんに特に多い傾向にありますが、どんな年齢でも起こり得ます。
もし愛猫が頻繁に物陰に隠れ始めたり、攻撃的になったり等、少し異常な行動を見せ始めたら、すぐに動物病院に連れて行ってください。病院では、そのような行動の原因をじっくり探ってくれます。
またこのような事態にならないよう、日頃から動物病院に行っておくのも予防策としてとても大切です。半年毎ぐらいに一度チェックしてもらったり、少なくとも定期ワクチンの摂取や駆虫治療は欠かさないようにしておきましょう。また質の良い食事も、病気にならない体づくりの上では大切です。
トレーニング、もしくは社会経験の欠乏
人間と同じで、ネコも幼児の頃にたくさんの習慣を身につけます。実際ネコは、学習効率を高めるため、生後1ヶ月ぐらいまでは「影響されやすい性格」になるように体が出来ているのです。もし、しっかり愛猫を手懐けたいのであれば、これぐらいの幼児期には特に多くの時間と労力を、トレーニングや社会経験に費やした方が良いでしょう。
悪習慣を無くす最初のステップは、子猫の時から「お行儀の悪い行動」を認識させる事にあります。例えば、もしネコちゃんにソファーやベッドの上に乗ってほしくなかったら、子猫の時からそれをさせないようにするのです。もし「子猫だから仕方ない」とか「かわいい」という理由でそれを許してしまうと、ネコはそれを悪い風習だと学ぶことができません。
もし今まで許されていた行動が、今日からいきなり禁止になったとしても、「なぜ禁止になったのか」なんてネコちゃんには分からないのです。ということで、トレーニングは愛猫が家に来た初日から始めるようにしましょう。
刺激のないゴロゴロ生活
動物にとって人間のペットになる利点は、天敵に襲われる心配もなく、継続的にご飯が得られるようになるという点でしょうか。一方、限られたスペースで過ごす事になるため、体を動かす機会がグッと減るというデメリットもあります。獲物を探して狩る必要もないので、そもそも生きるために体を動かす必要がないのです。
しかし、身体的・精神的な刺激が少ないと、ストレスや退屈を抱える事になってお行儀が悪くなったり、攻撃的になったり、深刻な病気に繋がる事だってあるのです。
という事で、もしネコちゃんのお行儀を良くしたいなら、家の中でも刺激的な生活が送れるような工夫をしてあげないといけません。
例えば、オモチャや爪とぎ棒を買ってあげたり、とにかく体と心に刺激を与える何かを用意してあげるだけで構いません。最近は迷路などがある「ネコ用遊園地」というのもあるそうで、そこでは運動はもちろん、猫ちゃん用リラックゼーションマッサージまで受けられるようです。
また五感を刺激するというのも、大切な要素です。例えばイヌハッカは嗅覚を刺激するのに良いですし、ビデオやゲームなどを通して聴覚や視覚を刺激する事も出来ます。五感すべてが満たされてこそ、健康で活動的で、そして落ち着いた猫ちゃんになっていくのです。
褒めて伸ばす
罰を使った伝統的な動物の訓練法は、恐れや不安といったネガティブな感情を生み出すだけで、学習効果は非常に低いことが判明しています。ネコだって人間と同じように、理不尽に暴力を振るわれながら、何かを効率的に学ぶことなんてできません。
一方、褒めて伸ばす訓練は、ネコのお行儀を矯正するのにおいても最も安全でそして効率的な方法です。ネコを訓練するときは、何か良い行動をした時にすぐご褒美をあげるのです。するとネコは、何が良い行いなのかということを効率的に学習することが出来ます。またご褒美もオヤツである必要はなく、オモチャをあげたり撫でてあげたり自家製ご飯をあげるなど何でも構いません。
怒鳴り散らすのはやめましょう
ネコちゃんが粗相をしたとしても、むやみに怒鳴り散らすのは得策とは言えません。その場のストレスレベルを上昇させているだけなのです。
ネコがお行儀悪いことをしたときは、穏やかかつ断固とした口調で一言「ダメ」と言ってあげるだけで良いのです。そして逆に、良い行いをしたときは、目一杯褒めてあげましょう。
このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。