犬に罰を与えてはいけない6つの理由

· 2018年7月13日
身体的、そして精神的な罰は、愛犬の学習を阻害するだけでなく、学習プロセスそのものが悪循環に陥ってしまいます。

犬を飼っている人なら、やはり愛犬のトレーニングを重要視するでしょう。しかしある意味、犬は人間から何かしら学んでいます。彼らはただ人の真似事をしているだけだとしても、常に何かを学んでいるのです。私たちは、して欲しいことを愛犬がしてくれた時、褒めてあげます。その代わり、して欲しくないことをした時には罰を与えますしかし、ここで少し考えてみましょう。はたしてそれは本当に正しいことなのでしょうか?犬の学習に役立っているのでしょうか?そこで今日は、愛犬に罰を与えてはいけない6つの理由を紹介しましょう。

身体的・精神的な罰

罰とは、愛犬が「もうやって欲しくない何か」をした時に、代わりに不快な経験をさせること、としましょう。例えば、自転車を乗っている人を追いかけようとした犬に対して、リードをつけるといったことです。

一般的に、罰には2つの種類があります。身体的な罰と精神的な罰です。身体的な罰とは、例えば殴る、蹴る、叩くなどに加えて、リードを引っ張ったり、動けないよう縛ったりする事も含みます。

精神的な罰はあまり聞き慣れないものなので、そのダメージを見過ごしがちです。しかし、身体的に痛みを与えない代わりに、愛犬の精神状態にダメージを与えているのです。恐喝、怒鳴る、大声で叱る、他にも力強く「ダメ!」というのも、愛犬に疎外感を感じさせます。

上目遣いで見つめる犬

どちらの罰も痛みを伴うものです。そして両方とも、学習や素行の改善を阻害するだけでなく、学習プロセスそのものにとっての妨げとなります。言い換えると、罰を与えれば与えるほど、犬は学習しなくなっていくのです。

褒めて伸ばす

犬を訓練するのに最適な方法は、良いところを褒めるという方法です (これは、例えばイルカのトレーニングにも使われる方法で、他の動物にも同様に使えます)。この方法は、これからも繰り返して欲しいと思う行動をとった時に、ご褒美を与えるというものです。犬はそれで良い思いをしたので、その行動を繰り返そうとするのです。ここでいうご褒美というのは餌を与えたり、構ってあげたり、おもちゃを与えたりと、色々あります。

1. そもそも私たちは、罰の与え方を分かっていない

教育に関する諸理論では、罰を使っても人は何かを学ぶと言われています。しかし、適切なタイミングで適切な強さで罰を与えなければならないという条件付きです。そのような高い正確性を必要とする「罰」を私たちは行使できません。

私たちは罰の与え方を知らず、結局罰するタイミングが遅すぎたり、強すぎたり、もしくは弱すぎたりします。つまり罰を通じて、犬に意思を伝える術を知らないのです。もしその罰が、犬にとって行き当たりばったりに思えるものであれば、学習にはなんの効果もありません。

2. 罰は学習プロセスを阻害する

「試行錯誤」は最も信頼できる学習方法の一つです。もし愛犬に学習機会を与えれば、彼らは色々なことを試行して答えにたどり着こうとします。私たちは「褒める」を通して、彼らに何をして欲しいのかを伝えることができ、犬もそこから学ぶことができます。

泣きそうな犬

反対に、気にくわないことをしたからといって罰していては、このプロセスが成り立ちません。これからも続けて欲しい行動が何か、を愛犬に伝えることができないのです。罰を与えるタイミングを間違えば、犬から試行錯誤する自由を奪っていることになります。

3. 罰は恐怖を生む

犬であろうと、小さな子どもであろうと、罰というのは恐怖を生み出します。もちろん身体的な罰は、恐れに加えて物理的な痛みも与えますが、精神的な罰でも痛みは伴います。
精神的な罰の場合、愛犬からすると、あなたは訳の分からない理由でずっと何かを禁止していたり、従い方の分からない命令を下しているように映るでしょう。これは罰を受けている方からすると、不安や精神的ダメージを与えられているのと同じです。
人も動物も、恐怖を抱きながら幸せにはなれません。ですので、罰によって脅したり、傷つけたりする事で、ペットの幸福には大きな支障がきたしていると言えるでしょう。

4. 愛犬から信頼されなくなる

私たちは罰を与えるタイミングが分からないので、愛犬にとってそんな罰は行き当たりばったりに見えます。そして精神的なダメージを被ることになるのです。犬の目線に立つと、罰を与える人間は予測不可能な存在に映る事でしょう。

そんな罰を続けていると、いずれ信頼されなくなり、側に来る事もなくなるでしょう。犬は理由も分からないまま、嫌な思いをし続けているわけですから。まさに犬にとって人間は、信用できない狂人そのものでしょう。

5. 犬に情報を伝達できない

もしかすると、これが罰を与えてはいけない一番の理由かもしれません。罰では「良い行い」というのはどのような行いなのか、が伝わらないのです。何をして欲しくないかは伝えることはできても、何をして欲しいかを伝えることができません。試行錯誤して、正解にたどり着くまで間違いを犯し続けることを許容しなければ、答えはずっと分からないまままです。

夕日を見る犬と飼い主

罰というのは、犬にして欲しい行動を、犬が自主的に探し当てることを阻害します。つまり自由を奪うばかりで、学習させていないのです。犬も、何が「正しい」のかを分からなければ、正しいことができるはずもありません。

6. 私たちも嫌な思いをする

中には犬を罰したり怒鳴ったりするのが好きな人もいます。でも普通は褒めてあげている時の方が、良い気分になりませんか。常に犬の言動を正そうとしている人は、そんな幸せから遠ざかり、葛藤が増えるばかりです。一方、何かを学んだ愛犬を褒めるというのは、とても幸せなものです。

上に挙げてきた理由に納得できない人は、おそらくこう考えると良いかもしれません:犬を罰すると、あなたも嫌な気持ちになる。褒めるのに値することをしたり、学んだりした時にフォーカスして、しっかり褒めてあげるようにすれば、あなたも幸せになり愛犬ともより良い関係が築ける

最後に、懲罰は人にとっても、犬にとっても嫌なことだということが分かりました。なので「褒める」を基本としたトレーニング法に変えることで、双方にとって良い結果を生むでしょう。

トレーニングの為に罰を与えるのは、犬の学習を阻害するだけでなく、私たちにとっても心苦しいものです。だから罰を与えるのを止めて、良い行動を褒めるのにフォーカスすれば、愛犬もより効率的に、そして幸せに学習していくことができるでしょう。