猫の性格には複数のタイプがあることが研究で判明

ペットの性格に影響する要因は多くありますが、その中でも最も影響を与えるのは環境です。
猫の性格には複数のタイプがあることが研究で判明

最後の更新: 05 2月, 2020

一般的に猫は他のペットよりも社交的ではないとされていますが、最近の研究では猫にはそれぞれ異なる性格が存在しているということが判明しました。猫の持つ5つのタイプの性格を理解することで、ペットとの距離がぐっと縮まることでしょう。

今までの動物行動学や動物関連の研究では、研究対象は猫よりも犬の方が一般的でした。最近まで科学界は猫の行動パターンの種類を否定し、単に犬に比べて孤独で内向的であると分類するにとどまっていました。

この根深い考えは、オーストラリアとニュージーランドの研究者による2017年の発表で大きく揺り動かされました。8月23日のPLOS One誌に掲載された記事「 The ‘Feline Five’: An Exploration of Personality in Pet Cats 」は、5つの性格タイプの存在を明らかにしたのです。

この研究目的は単に猫が異なる性格を持つことを確認するものではなく、猫の生活の質を上げるために猫をより深く理解することでした。

猫の異なる性格

この研究で適用された方法論は、人間の性格特性の分類法でもあるビッグファイブ(Big Five personality traits)に基づいたものでした。ビッグファイブによると、人間の性格は情緒安定性、外向性、開放性、勤勉性、協調性の5つの要素の組み合わせから成るとされています。

そして、これらの各要因は52の異なる特性の観点から評価する他の要因と関連しています。

2802匹の飼い猫のデータを分析後、“ビッグファイブ”ならぬ“キャットファイブ”研究により次の5つの性格タイプが発表されました。

  • 神経症傾向:特徴的な特性は不安、人への恐怖、不信感、内気
猫 性格 タイプ
  • 外向的:活発で好奇心旺盛、機敏、知的
  • 支配的:人間や猫を含む他の動物に対して攻撃的
  • 衝動的:不安定で不注意
  • 人懐こい:愛情深い、優しい、飼い主と深い絆を築く

専門家によると、猫の性格は環境によって大きく影響されます。たとえば、衝動的な行動パターンを示す猫は毎日の生活でストレスの多い状況に直面していることが多いと言います。

一方で、イライラしやすく友好的でない猫は、痛みや不快を感じている可能性があります。つまり、飼い主がペットに相応しい環境を提供することは猫の感情に大きく関与するため、猫が幸せな毎日を過ごせるように適切な環境作りをすることが重要なのです。

社交的な猫にするヒント

これらの5つの性格タイプを特定することにより、研究者は猫がより社交的になる方法を見つけ出しました。実際、専門家は猫の社交性を決める2つの最も重要な要因は、猫の性格と生後3~9週間でどれだけ社会化されたかだと言っています。人間や他のペットと子猫の触れ合いを増やせば増やすほど、その子猫の環境に対しての順応性が高まります。

猫 性格 タイプ

野良猫を飼う際は、過去にさまざまな困難を経験してきた可能性があることを覚えておくことが重要です。大きなストレスは性格に大きな影響を与え、衝動的、神経質、支配的な性格になることもあります。

このような場合、徐々に社会化を行い、必要であれば動物行動の専門家に相談してください。

さらに、猫のバイタリティーや社会性は猫の品種によって異なります。いくつかの研究ではアビシニアンベンガル猫は活動的で、ペルシャ猫はのんびりとした性格ということが示されています。これはすべて猫に影響を与えるあらゆる要因を示しています。このことからも、飼い主が猫の性格と行動を理解することの重要性がお分かりいただけるのではないでしょうか。


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