サーカスから保護されたメスライオン、アフリカへ帰還!

2020年6月8日
ナラは、サーカスで行われている野生動物への不当な扱いから幸いにも保護されたメスライオンです。

サーカスから保護されたあるメスライオンが、スペインのアリカンテにあるAAPプリマドムス・レスキューセンターによってアフリカに帰ってくることができました。ナラと名付けられたこのライオンは、サーカスから野生動物を助け出す必要性を改めて感じさせる代表的な一例となりました。

プリマドムス・レスキューセンター

プリマドムスとは、AAPと呼ばれるオランダのNGOに所属するセンターで、野生動物の違法取引と闘うことをその使命としています。スペインにある3つの霊長類の保護施設のひとつとして知られているビリェナの保護施設では、ナラのような大型のネコ科の動物も受け入れています。

興味深いことに、このセンターは保護された動物の最終的な住処になるわけではありません。また、ここでは他の保護施設や動物園と協力して回復した動物を輸送したり、違法取引の犠牲となっている動物の回復を行ったりしています。

フランスで保護されたナラは、サーカスのショーに出ていた他のネコ科の動物たちと同じような一生を送ってきました。フランスの違法飼育場が閉鎖になった後、ナラは他の猫たちと一緒に保護されましたが、幸いアリカンテのセンターの元に来ることになったのです。

保護 メスライオン アフリカ

保護されたメスライオン、ナラの物語

ナラもまた、サーカスに利用されている野生動物の多くの例の一つです。この種のショーの問題には、それが教育的な内容ではないという点や、サーカスという色々な場所を巡回する性質から劣悪な環境で暮らしているという点があります。また、危険なパフォーマンスを行うので、人にとっても動物にとっても危ないという面もあります。

しかし、ナラの物語はアラカンテで終わりではありません。ナラは南アフリカに帰ることができたのです。そこでライオンズロック保護施設に入り、シリア内戦中に破壊されたアレッポの動物園から保護された、サイードというライオンに出会います。

動物を使うサーカスの閉鎖

ヨーロッパのサーカスの歴史は長く、歪んでいます。今ではこのような動物を使ったショーに対しては、社会が拒否することが増えてきました。しかしこういったショーは今だに存在し、中にはネコ科の動物が鞭を打たれたり、服を着たサルが手品をしたりするというようなものも観られるのが事実です。

動物を使ったサーカスは多くの国で禁止になっているので、ナラのようなケースはどんどん増えています。スペインではまだですが、地方自治体やコミュニティにおいても、野生動物を使ったサーカスを認めないところが多くなっています。

保護 ライオン アフリカ

動物園とサーカスは同じではないということを明確にしておかなければなりません。両方ともビジネスですが、動物園には動物の幸福に関してずっと高い基準が設定されているのです。また、こういった施設にいる動物には保護プログラムが用意されています。例えば、ロシアで絶滅の危機に瀕しているネコ科の動物を野生に返そうとする動物園のプログラムなどがあります。

動物園には、動物の種を保護することへの関心を高めるための教育的プログラムもあります。そしてそれぞれの種に特化した医療サービスもあります。これはサーカスにはありません。サーカスの動物たちは、その種の動物を診たことのないクリニックなどで治療を受けることがほとんどなのです。

動物を使ったサーカスを廃止すべきその他の理由

さらに、サーカスには教育的な機能はほぼありません。また、動物にほとんどスペースの無い場所に閉じ込められ、常に移動しています。動物園もサーカスも動物の訓練をしますが、動物園ではストレスを解消するような活動が行われるのに対し、サーカスでは動物が怖いと思うような不自然な行動をさせられ、トレーナーは罰を与えることでこういった行為を強要しています。

実際、ヨーロッパのサーカスで今だに使用されている野生動物を救うためには、動物園やプリマドムスの保護センターのような場所が必要です。そして人々がサーカスでの野生動物の使用にどんどん反対していくことで、一生を劣悪な環境で生きてきた動物たちに、その尊厳を保つことのできる静養先を提供することができるのです。