うまく付き合えない動物の組み合わせ
日本語には「犬猿の仲」という言葉がありますが、英語圏では同義で「犬猫の中(cats and dogs)」という言葉があります。どんな経緯でこのフレーズが生まれたのかは分かりませんが、とにかく「ある動物は、ある動物と一つ屋根の下でうまく共同生活ができないんだ」と考えた人がいたのは事実でしょう。しかしそもそも、うまく付き合えない動物の 組み合わせ があるというのは、本当なのでしょうか?
うまく付き合えない動物: 組み合わせ
まず、種族によって特徴や性格、ニーズが異なるというのは疑いようも無い事実でしょう。でもだからといって、絶対にうまく付き合えないという訳では無いと思います。例えば人間を例にとってみましょう。人間同士、同じ種族に属してはいますが、でも実際はみんな違います。誰かにとっては取るに足らないモノでも、他の誰かにとっては大切なモノだってあるのです。
しかし、それでも私たちは今日も誰かと一緒に暮らしています。当然、時には深くコミュニケーションをとったり、理性的に考えなければならない状況だってありますが、つまるところ人間関係も化学反応のようなモノなのです。そして、これは動物にも同じことが言えるかもしれません。つまり種族に関わらず、個体同士の性格がうまく合致すれば、良い化学反応が起きてもおかしく無いのです。
犬と猫:アリかナシか?
犬はとても社交的な動物で、ほとんど全ての種族とうまく付き合っていけるでしょう。確かに犬と猫には大きな違いがありますが、それでもちょっとしたコツを使えば一つ屋根の下で何の問題もなく共同生活ができるはずです。
そのコツとはずばり、飼い主が犬と猫の間に友情を育んであげるのです。しかしこれは別に、強制的に二匹を狭い部屋に閉じ込めておくとか、犬と猫を同じように扱うという訳ではありません。
そもそも性格の不一致がうまく付き合えない理由なのですから、むしろ大事なのはお互いにそれぞれのスペースを設けてあげて、その上で友情を育めるように試行錯誤をしてあげることでしょう。
犬とフェレット:アリかナシか?
実はフェレットは犬と似ている点が多くあり、最も犬と相性の良い動物かもしれません。お互いに社交的ですし、群れの一員であるという意識が強い動物達です。さらに、フェレットもお外に散歩に出かけるのが大好きですので、ワンちゃんと一緒に楽しいひと時を過ごすことができるでしょう。
じゃあ犬とウサギは?
ウサギは遊ぶのが大好きで、犬と一緒に遊びながら楽しく過ごす時もあります。しかし、種によってはとても緊張しがちなウサギもおり、犬の存在によってストレスを感じてしまうかもしれません。犬とウサギを共同生活させようと考えていらっしゃるのであれば、品種を選ぶ際には十分に注意しましょう。
また犬の場合もそうですが、幸せな共同生活を送るためにはウサギにとっても社交性を持たせる訓練は必須となります。
げっ歯類と犬
ハムスターやモルモットといったげっ歯類の動物は、犬と一緒に一つ屋根の下暮らしていけますが、おそらく友達同士にはなれないでしょう。つまりお互いが幸せに、リラックスして暮らしていけるのですが、心の距離はなかなか近くなりません。つまりどちらもお互いが興味の対象ではなく、「ただそこにいる」ということを知っているだけ、といった感じでしょう。おそらく、二者間で何か特別に密なやりとりが行われることはありません。
鳥と犬
鳥類と犬も、深い関係を結ぶには少し違いが大きすぎます。特別な場合を除けば、げっ歯類の場合と同様、ワンちゃんと鳥の間に深いやりとりが行われることは無いでしょう。ただ、幼い頃から一緒に暮らしてきた場合、兄弟のような絆が生まれることがあります。
猫がうまく付き合っていける動物は?
他の種族と共同生活をするとなった場合、ネコは犬よりも複雑です。というのも、ネコは縄張り意識が強くて独立志向といった傾向があるためです。しかし先ほども触れましたが、結局のところはその子の性格や年齢次第です。
ネコが他の動物とうまく付き合っていける最善のシナリオは、幼い頃から一緒に育ち、やりとりを行ってきたという場合です。このシナリオであれば、仲良くなるのも簡単なはずですし、二匹ともお互いを家族の一員と認識しやすいことでしょう。
最後に、絶対に一緒にいると幸せには暮らせないという動物の組み合わせは無い、ということを強調したいと思います。当然、みんなが異なった性格を持っているので、そこに化学反応が生まれる保証はありませんが、これは人間だって同じことです。そして、強制的に関係を結んでやろうと躍起になったところで、良い関係は築けないという点も人間関係と同じです。
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