犬も人間のように泣くの?動物の感情についてご紹介

犬は吠えることで気持ちを伝えますが、犬も人間のように泣くことはあるのでしょうか?確かに人間と驚くほど親密な絆を築くことのできる動物ではあるので、気になるところです。
犬も人間のように泣くの?動物の感情についてご紹介

最後の更新: 05 1月, 2020

ペットが何を考えて感じているかを想像する飼い主は多いことでしょう。犬も悲しい時は人間のように泣くのでしょうか?

犬にもあらゆる感情を持つことができるということを否定する人は少ないと思います。犬は喜び、恐怖、嫌悪感、怒りを感じることができるという研究もあります。最近では、恥、誇り、罪悪感などのより複雑な感情さえ犬は持つことが出来るということを専門家は実証しました。

犬も人間のように泣くの?

科学界以外では、ペットを飼ったことがある人であれば、犬や猫は人間と同じくらい強くリアルな感情を持っていることを知っていることでしょう。

また、犬の体には涙を作り出すのに必要なすべての組織が備わっていることも忘れてはいけません。目の機能を保つため、全ての哺乳類と同様に犬も目の表面を潤すために涙を必要とします。

犬の涙管は目に涙を流すのではなく、喉と鼻に分泌されるようにできています。

涙が目からこぼれる場合、それは強い感情への反応ではなく、目への物理的刺激に対する反応です。そのため、愛犬が泣いているように見える場合、獣医の診察を必要とする問題を抱えている可能性があります。

人間とは異なり、犬は感情に刺激されて泣くことはありません。しかし、物理的な刺激があると涙を流します。

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愛犬が涙目になる理由は?

愛犬の目が通常より涙目になっていたら、病気が隠れている可能性を疑いましょう。涙が過剰に分泌される、あるいは涙道が詰まることで排出がうまくされないことを医学的には流涙症と呼びます。

また、抜けたまつ毛や角膜の傷などの目の外傷でも涙目になることがあります。

犬は感情をどのように表現するの?

犬は、嬉しい時にしっぽを振る、悲しいときや怯えているときに耳を頭にピタッとつけるように後ろ側に倒すなど、他の方法で感情を表現します。なかには悲しい表情を作ることができる犬もいます。

子犬は、ご存じの通り、あらゆる声を使い分けて“泣く”ことができます。特にまだ小さくて母犬に守って欲しいときなどはキュンキュン鳴いて困っていることを表しています。このような”泣き方“はネズミの赤ちゃんでも観察されています。

子犬は成長してもクンクン鳴くことで“泣く”ことができます。実際、このような声は使い道が多く有用なため、成犬になっても使い分けるのです。

成犬になると、クンクン鳴くのは通常人間に向けて使われます。犬の行動学の専門家の多くは、分離不安のある犬は、母犬から離されたときに子犬が使う鳴き方を真似ていると考えています。

犬も人間のように泣くの?犬の声のバリエーションとは

犬がうなる、遠吠えをする、クンクン鳴くことは進化上の利点があったとも考えられます。たとえば、このような声を使うことで親と引き離されないようになったのかもしれません。また、子犬は遊びの最中にも声を使い分けます。たくさん生まれた子犬の中で力任せの子犬がいると、他の子犬は“泣いて”から突然身を引きます。こうすることで、その子犬は今後は落ち着いた行動に変えることを学ぶのです。

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動物の感情と倫理

動物は人間のように考え、感じ、苦しむなど、感覚を持つことが可能だと考えるのは当然ですが、科学者はこれまで動物が何を感じているかを正確に知ることは不可能だと主張してきました。

この考えは、動物の権利、動物の苦しみ、そして動物の倫理的問題に関しての軽蔑的な態度に繋がっています。しかし、結果として苦しんでいるのは科学研究で使用された動物だけではありません。科学界自体も苦しんでいるのです。動物の感情を無視することにより、動物に関する実験結果はゆがめられている可能性が高いからです。

幸い、少なくとも世界の一部の地域では、動物福祉に対する意識と社会的関心が高まり、科学界は異なる視点を受け入れざるを得なくなっています。科学界以外では、動物の感情の認識は、動物虐待や飼育放棄などの問題の理解を深める鍵となっているのです。


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