ワンちゃんにも感情はあるのでしょうか?

ワンちゃんにも感情はあるのでしょうか?

最後の更新: 19 10月, 2018

犬を飼っている人、もしくは飼ったことがある人なら、犬に 感情 があることはお分かりでしょう。彼らは愛情というものをとても純粋に、そして無償のものとして感じます。その一方で、中には動物に感情があるなんておとぎ話だと考える人や、犬は数世紀に渡って人間に奉仕するよう仕向けられてきた歴史から、そういった感情も失っていると考える人たちもいます。つまり、犬にとって感情とは人間から餌やお世話を授かる為の単なる生存手段であると主張している訳です。

鼻を頭の上にのせる犬 感情

感情 :研究や調査が始まった頃

長らく科学の世界では、犬の行動は全くもって感情に裏付けられたものではないと考えられてきました。しかし、20世紀に動物行動学(動物の行動を研究する学問)が誕生して以来、このトピックについてはもっと広く深く研究されるようになりました。

そして現在、たくさんの研究が「犬は愛情を感じられる」との結論づけているにも関わらず、まだその研究結果を受け入れられない人たちもたくさんいます。愛だけではありませんよ、ワンちゃんは楽しみや悲しみなど色々な感情を見せてくれるのです。しかも、相手のそういった感情の違いを、それが犬だけでなく人間であっても、見分けることだって出来ます。

犬の頭は、正と負の刺激の2種類だけを処理しているような単純なものではありません。驚くことに、感情の処理に関しては人間の脳と同じぐらい複雑な処理を行なっているのです。

愛のホルモン「オキシトシン」

犬(や猫)がオキシトシンを分泌するというのは、とりわけ重要な発見だったと言えます。というのも、このホルモンは、愛情などの「幸せ感」を感じる為の神経回路に働きかけるものなのです。

人間はもちろん、動物の脳にもこのオキシトシンがある訳ですが、これによって例えば母親と子どもの間で堅い絆を結ぶことなどが可能になるのです。つまりこれこそが飼い犬が飼い主と絆を結んだり、愛らしい社交性を発揮したりできる理由なのです。

犬は愛を感じます。でもそれはその愛に値する相手にだけです。

動物行動学者や、神経生物学者などの専門家たちは、犬には「自分で愛を感じたい相手を選ぶ能力」があることも突き止めました。つまり愛情深い犬とそうでない犬がおり、全ての人間に平等に愛情を感じている犬はいないことです。

例えば、トレーニングといって犬に暴力を振るったり虐待したりする飼い主に対して、ワンちゃんは恐怖や不安を抱きます。つまり、彼らはそんな飼い主に愛など感じていないのです。

家族と群れは同じもの

まあ中には例外もいるとは思いますが、ほとんどの家族が犬を「家族の一員」として考えていると思います。場合によっては、他の人間よりも犬の方が特権をもらって満喫している事だってあるぐらいです。

とにかくワンちゃんも飼い主を崇め、群れ(もしくは家族)の一員として取り扱う。だからこそ、犬と人間は一生涯という長い付き合いができるのです。現に今でもきっと、たくさんのワンちゃんが自分を犠牲にしてまでも、大切な人を守ろうとしている事でしょう。

犬は愛情、喜び、悲しみ、そして嫉妬をも感じる

動物行動学者たちはさらに、犬はどうやって感情を抱いているのかについても研究しました。つまり「彼らの愛や愛情はどこから来るのか?」という事です。そして研究結果では、ワンちゃんは自分の取り巻く環境から喜びや悲しみを感じていたり、人間のムードを読み取ってそれに気持ちも呼応していることが分かりました。

なんとワンちゃんは、仮にそれが知らない人であっても、動揺している人を見たら本能的に慰めようとするのだそうです。

つまり飼い主の感情は愛犬の感情と繋がっていて、ワンちゃんが幸せな人に囲まれている時にはワンちゃんも楽しくなって笑顔になったりするのです。そして人間と同様、ワンちゃんも最も辛い感情の一つ「嫉妬」に苦しむことだってあります。

撫でられている犬 感情

ワンちゃんの愛の見せ方

犬は愛情など色々な感情を強く表現します。一番分かりやすい愛情表現としては、挨拶がわりに尻尾を大騒ぎさせるアレでしょう。他には、例えば手や顔を舐めてきたり、一緒に遊ぼうよ、とねだってきたりすることが挙げられます。

また、家族の誰かが病気になったりなどしたら、彼らはベッドの側から動こうとしません苦しんでいる家族の助けや癒しとなる為、そこにじっと居続けるのです。


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