犬の防衛本能:悪意を嗅ぎ分ける?

· 2018年7月31日

「犬は人類の親友」とはよく言ったものですが、あながち間違いではありません。しっかりと愛犬との関係を築いていけば、ずっとあなたの側にいてくれるようになり、ピンチになれば自分を省みずあなたを助けようとしてくれます。なので「犬が悪意を持った人からあなたを守ろうとする」というのも信じがたい話ではありません。そしてこの悪意を嗅ぎ分ける能力は、単なる嫉妬ではなく、純粋な愛から生まれるものなのです。

犬は友達や知らない人の思惑まで見抜ける

野原に佇む犬

可愛い可愛いあなたの愛犬は、様々な危険からあなたを守ろうと頑張っています。そしてなんと、科学的には人間の特定の行動を先読みする能力があるとさえ言われているのです。もしこれについてもっと深く知りたい方は、Current Biology(カレントバイオロジー)という学術誌を読んでみてください。

この研究では、犬は色々な人がいる中で特にアイコンタクトをとった人たちの後をついていく傾向にある事が分かりました。それが、飼い主だろうとそうでなくともです。これと同じ「能力」は、生後6ヶ月〜言葉を話せるようになるまでの赤ちゃんにも備わっています。

そもそも、犬は人間から発せられるシグナルや兆候にとても敏感です。この能力は、犬が家庭化していくプロセスで言語による意思疎通が測れない異種間で、より効率的なコミュニケーションを取るために身についたと言われています。

では犬はどうやって意思表示をするのでしょうか?そう、表情ですね。犬は最初の頃こそ狩猟犬や牧羊犬として飼いならされていましたが、徐々にペットとしてのポジションを確立してきました。そしてその名残は今でも残っています。

先に挙げた研究は、Learning & Behavior(学習と行動)という学術誌から出版された論文に記載されています。その研究では、犬は自分と目があった人からは食べ物を「おねだり」する一方で、自分の方に注意を向けない人にはそういうことをしない事が判明しました。また、犬は最大165個の単語の意味を理解でき、これは人間の2歳児と同じレベルの理解度であるとされています。

他にも、2つのグループに犬を分け、彼らの行動を比較するという実験も行われました。1つ目のグループでは、人々はワンちゃんとアイコンタクトをとって「Hello」と呼びかけましたが、2つ目のグループではアイコンタクトも取らず、挨拶もしませんでした。すると犬は2つ目のグループに対してあまり興味を示さない、という結果となったのです。

犬は信用できない人を嗅ぎ分ける

気づいてないかもしれませんが、犬は極めて鋭い感覚を持ったとても知的な動物ですそして時には、人間には分からない事柄を認識している事もあります。なので当然、あなたが幸せなのか、怒っているのか、嫉妬しているかなんて事までお見通しです。

その延長線として、彼らは信用できない人間を嗅ぎ分ける能力も持っています。この場合、犬はその人の指示には一切従いませんが、それでも注意深く観察しています。(その人が何か疑わしい行動を取ればすぐに反応できるように、です)

日本の京都大学が行い、のちにAnimal Cognition(動物の認知能力)という学術誌から発表された研究結果も、犬が信用できる人間を嗅ぎ分ける能力があることを示しています。その研究は34匹の犬を対象に行われました。

この研究は3ラウンドに分けて行われ、ワンちゃんたちは各ラウンド毎にそれぞれ「食べ物が入ったタッパー」「食べ物の入っていないタッパー」「食べ物が中に隠されているタッパー」を見せられます。ここから犬はその人が信用できる人かを見分けるというのです。

3ラウンド全て終わった頃には、ワンちゃんは実験中に一番信用できると思った人間の指示に従うようになりました。実験責任者のタカオカ・アキコ氏によると、犬は人よりも洗練された社会的知性を有しており、その人の「整合性」を評価しているといいます。

どうやって犬は悪意ある人から私たちを守ってくれるのか

飼い主に寄り添う犬

上記の研究結果から、愛犬は悪意を持つ人々から私たちを守ってくれる事がなんとなく分かってきたかと思います。ですので例えば、あなたが新しい「友達」を家に招いた時、愛犬が吠えたり、唸ったり、激怒したりした時には….ちょっと気をつけましょう。

決して、犬の反応を軽んじてはいけません。いろんな人が周りにいる時には、是非愛犬の反応をよく見てみてください。もし彼らが落ち着いてリラックスしていたり、ぐっすり寝ているようならご安心を。これはつまり、愛犬がその人を受け入れ、恐れることは何もないと判断したからに他ありません。