大西洋ゴリアテハタってどんな魚?特徴と生息地について

この魚はメスからオスに変わるという珍しい特徴をもっている生物です。
大西洋ゴリアテハタってどんな魚?特徴と生息地について

最後の更新: 27 12月, 2019

大西洋ゴリアテハタ、または学名をEpinephelus itajaraというこの魚は、その大きな体が特徴のハタの一種です。大西洋ゴリアテハタの大半はアメリカの海岸沿いに生息しています。しかし北東アフリカでも見つかっています。

大西洋ゴリアテハタにはいろいろな名前があり、ジュ―フィッシュ、イタヤラなどさまざまな土地ごとのニックネームを持っています。歴史的にはその大きさのために漁師や商人の間で人気が出て、レクリエーション競技の対象になったほどでした。さらに、他のよくいるハタ同様、栄養価も高く味もおいしいことでも有名です。

大西洋ゴリアテハタの形態学と行動

この魚は大西洋の中でも最も大きい魚の一つです。その大きさは2.5メートルにもなり、重さは308キロにもなるのです。丈夫で細長い体をしており、小さな目とは対照的な大きな頭を持っています。丸い胸びれとしっぽは腹びれと背びれよりも大きくなっています。さらに、背びれの付け根は鱗と分厚い皮膚で覆われているのも特徴です。

体が黄色っぽいような灰色っぽいような、あるいはオリーブ色のような色をしていて、小さな斑点がついていることで、まわりの環境にまぎれることができます。普通はサイズが大きくなり歳をとるにつれてこの色は落ち着いてきます。また、若いときは色は赤っぽく線のような模様があるかもしれません。

大西洋ゴリアテハタ

この魚の食事は基本的に甲殻類、魚、たこ、そして時には子どものウミガメを食べることもあります。食べるために下あごに3~5列の歯が生えています。これらの歯、特に切歯が発達していないのが特徴です。これにより他の大きなハタの種と区別をすることができます。

一般的に大西洋ゴリアテハタは待ち伏せをしてエサを捕らえます。エサがやってくるのが見えるまでサンゴ礁に隠れています。また敵からも身を隠すことで有名です。敵には大西洋サバやウツボ、メジロザメ、シュモクザメなどがいます。

繁殖

繁殖については、雌性先熟雌雄同体です。つまりまずメスとして性的に成熟し、その後歳をとるにつれてオスに変わっていくのです。

メスの間は卵を産み、オスになると精子を作ります。繁殖が終わると卵は水の流れの中に放たれます。これはアオブダイなどと全く同じように遠洋の魚の種に特徴的です。

大西洋ゴリアテハタ

生息地と保護状態

この巨大な魚の大半は深い海の中の岩が多くサンゴや泥のある場所に住んでいます。海岸線に比較的近い場所に住んでいるので、捕まりやすくなってしまうこともあります。しかし、とても縄張り意識が高く孤独を好み、洞窟などに隠れていることが多いようです。

地位的にはほとんどがフロリダから南ブラジルまでのアメリカ大陸の海岸沿いに暮らしています。またカリブ海も含まれます。しかしカリフォルニアからペルーにかけての太平洋沿いにもたくさん生息しています。また、セネガルからコンゴになけてのアフリカの海岸沿いにも生息していることも指摘しておきましょう。稀ではありますが、カナリア諸島付近でも目撃されています。

その巨大な体とおいしさから、漁師の格好の的になっています。しかし、成長が遅く繁殖率も低いので、絶滅に最も近い種の一つなのです。

実際、国際自然保護連合(UICN)はアフリカゴリアテハタを絶滅の危機があると考えています。これはここ10年でその生息数が80%減少したことを受けています。


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