クローン?「トランスジェニック動物」の合法性について

2019年9月30日
近年の科学と医療の発展に貢献してきたとはいえ、遺伝子導入の合法性と制限については今だ多くの議論がなされています。

遺伝子導入によって、あるいはクローンとしてより広く知られている方法で作り出された動物のことを、「トランスジェニック動物」と呼んでいます。言い換えれば、それは遺伝子組み換え動物ということです。

遺伝子導入とは?

おそらくこの言葉は聞きなれないのではないでしょうか。一般的にはクローンと呼ばれているからです。基本的なプロセスとしては、遺伝子情報を一つの生物から別の生物へ移動させることです。

しかしクローンを作る時には、一般的に全ての遺伝子コードが別の生物に移動されるわけではありません。移動の前に特定の遺伝子を選んだり取り除いたり、隔離したりする必要があるのです。

ですのでトランスジェニック動物についても、ある動物のDNAの一部を移動させるということを意味します。これを行うことの目的にはいくつかの理由があり、再生産もそれに含まれますが、これに限ったことではありません。

どんな動物でもクローンを作ることができる?

理論上は、いかなる動物の遺伝子素材(DNAまたはRNA)を使用しても、遺伝子導入を行うことはできます。つまりどんな種のどんな動物でも理論的にはクローンを作ることが可能だということです。もちろん、それには人間も含まれます。

研究室の中ですでに遺伝子の形質転換が行われた種もいくつかあります。例えば昆虫や寄生虫、魚、鳥、爬虫類、そしてもちろん有名なヒツジのドリーのように哺乳類でも行われています。ドリーは1996年にトランスジェニック動物として最も有名になりました。

トランスジェニック動物

しかし、ほとんどの遺伝子導入の処置はネズミにおいて行われています。それが「好まれている」のは主にネズミは小さく扱いやすいという事実の為です。飼うのにも費用があまりかからず、飼育下での生活にとても適応しやすいからでという理由もあります。

人間と似通った遺伝子構造をしているということもまた、ネズミがクローンに広く使われていることの大きな理由でもあります。

トランスジェニック動物の合法性:人間の疑問

ヒツジのドリーのクローン作製とその後のよくない結果が、遺伝子組み換えの制限に関する法律について多くの国を再考させることとなりました。このことと、人間の遺伝子導入の可能性が議論の中心になったのです。

1997年、ドリーのクローン作製1年後、ユネスコはヒトゲノムと人権に関する世界宣言を発表しました。その中で、人間の再生産における遺伝子導入の禁止を表明しています。

その1年後の1998年、欧州理事会が人間のクローン作製を禁じる最初の国際的な規制を採択しました。19の国が同日にこの規制を批准しました。現在でも人間のクローンはほとんどのEUとその他の国において禁止されています。

遺伝子導入と動物の幸福

EUは動物のクローンを認めているとはいえ、欧州議会と国ごとの具体的な規制が設けられています。

トランスジェニック動物 クローン

例えばスペインでは、動物のクローンについては4つの規制があります。これはすべて動物の遺伝子組み換えの制限に関わるものです。

  • 精神的あるいは身体的痛みを伴うような処置や研究を動物に行うことを禁止しています。
  • 実験、商業的調査、そして移動に使用されるいかなる動物も、適切に扱われ基本的なケアを受けなければならないとしています。それはと殺の際でもそうです。
  • 実験や教育、科学的研究などに使用される動物の保護とその幸福を優先すること。
  • このように動物を使用した仕事をする人は、仕事を行う上で適切な資格を持っていることを証明しなければなりません。

人間の消費のためのトランスジェニック動物

現在最も法律上議論になっていることの一つは、トランスジェニック動物を食肉などの製品に使うべきかどうかという疑問です。2015年には、EU議会が家畜のクローンを禁止する法律を可決しています。

懸念されたことの一部には、家畜の遺伝子を改変すること本質的な反倫理的性質がありました。しかし正直なところ、トランスジェニック動物が人間の健康に及ぼす可能性のある負の効果に関する懸念があったため、可決が早急に行われたというのが本当の理由です。

一方、その全く同じ年、アメリカは遺伝子組み換えのサーモンからできた製品の販売を許可しました。人間の消費のために作られたトランスジェニック動物の最初の例になります。

また2015年には中国も結核に強い遺伝子改変された牛の作成に成功したと発表しています。

それからというもの、ヨーロッパはクローンに対して「保守的な」立場を取っているという見方をされています。しかしこのようなクローンは禁止されるべきだという政府の立場に人々は賛成しているようです。あなたはどう思いますか?

  • Declaración Universal sobre el Genoma y los Derechos Humanos. Unesco. 1997. Extraído de: http://portal.unesco.org/en/ev.php-URL_ID=13177&URL_DO=DO_TOPIC&URL_SECTION=201.html
  • Ley 8/2003, de 24 de abril, de sanidad animal.2003. Extraído de: https://www.boe.es/buscar/act.php?id=BOE-A-2003-8510