【ちょっと待って】子犬や子猫に牛乳はNGってホント?
器に入ったミルクをぺろぺろと舐める犬や猫の写真を見た事がありますか?良くある姿に思えますが、実は、牛乳は犬や猫が必要とする栄養を満たしていません。
今日の記事では、牛乳がどうしてペットの健康の害となり得るのかについて見ていきましょう。また、どうしてもペットに牛乳を与えなくてはいけない事情のある方は、その代用があるのかどうかについて知りましょう。
犬は牛乳が飲める?猫は?
ペットを飼った事がある人なら、一度は疑問に思った事があるでしょう。牛乳って与えてもいいのかな、と。ペットに新しい食べ物を与える前には、体に害はないのかどうか、きちんと消化できるのかどうか知っておきたいですよね。
近年、乳糖と聞くといいイメージがないという人も多いでしょう。人間の食品業界でも、乳糖不耐症という言葉や、乳糖フリーなどの食品が出ています。では、子犬や子猫はどうなのでしょうか?この質問に答えるにはまず、動物は成長するに従って栄養ニーズが変わるという事を知っておかなくてはいけません。
生まれたての子犬の栄養ニーズは、乳離れした犬や成犬の栄養ニーズとは全く違います。これは猫や他の哺乳類でも同じです。母親から母乳を与えられている時期は、子犬の栄養ニーズを満たすには母乳が一番理想的なのです。
この成長段階の栄養ニーズを満たすため、子犬や子猫の体はラクターゼと呼ばれる酵素をたくさん生成します。その主な目的は、母乳に含まれる乳糖分子を消化することです。
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ですが、離乳する月齢まで成長すると、ラクターゼの生成は徐々に減っていきます。すべての哺乳類に言えるように、卒乳したら他の食べ物を食べるようになります。
これは子犬の小さな体が経験する、とても大切な移行です。自分で餌を食べ、成犬へと成長していくのです。
犬や猫の乳糖不耐症
子犬が離乳したら、体が生成するラクターゼの量はごく少なくなります(またはほとんどない場合もあります)。つまり、その体は母乳を飲まなくても良い準備ができ、他の食べものを食べる準備ができているという事です。これらの変化は、発達過程に基づいていますので、人間の都合で子犬の食事を突然変えてはいけません。
離乳した犬の体にはラクターゼがほとんどないということは、乳糖を正しく消化する事が難しくなるということです。だから、離乳後の犬や猫の多くは、乳糖不耐症なのです。
このような理由から、牛乳など他の動物種の乳を与える事は、下痢や嘔吐、アレルギーなどの深刻な消化トラブルを引き起こしかねないと言えるでしょう。
ペットに餌を与える時は、常にニーズやリミット、可能性を考えましょう。一番良いのは、獣医の指示に従ってバランスのとれた食生活を送らせる事です。
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犬の赤ちゃんに牛乳をあげることはできる?
牛乳は母犬や母猫の母乳とは成分が違います。子犬はラクターゼの生成量が多いため、牛乳は消化不良を起こすかもしれません。
だからこそ、生まれてから最初の数ヶ月は母親と一緒に過ごす事が欠かせないのです。単に栄養だけの問題ではなく、身体的能力や認知能力の発達にも大切なのです。
母親は我が子に安全に世の中を見せるため、責任を持ち、とても慎重に振舞います。自分で生きていく術を教え、周りの環境や仲間とうまくやっていく方法を教えます。
新しいペットを家族に迎え入れる前には、そのペットが完全に離乳していることを確認しましょう。離乳していない子犬や子猫を母親から引き離すと、様々な学習や社交性を学ぶのが困難となるでしょう。また、免疫が弱まり、感染症などに罹りやすくなるかもしれません。
何かの理由があって離乳前の子犬を引き取る時は、”乳母”を探してみましょう。または、ちょうど子育て中の母犬や母猫を探すという方法もあります。ペット専用の人工乳も購入できるでしょう。
粉末状のペット用人工乳は、ペットショップや病院で購入できるでしょう。または、乳糖フリーの牛乳やヤギの乳で準備する事もできます。まずは、信頼できる獣医師に相談しましょう。
このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。