犬の問題行動!人にオシッコをかけてしまう理由とは?
ペットを飼うことは必ずしも楽しいことばかりではありません。そして、問題行動を直すことは1日ではできることではありません。特にオス犬を飼っている場合、家の周辺ににおいのマーキングをすることがよくあるとご存じだと思います。中には人にオシッコをかけてしまう犬もいるのです。
この問題行動に頭を悩ませる飼い主はそう多くないかもしれません。しかし、愛犬がまるで電柱にオシッコをしているかのように赤の他人にそれをやってしまい、平謝りをしなくてはならないという恥ずかしい状況に陥ってしまう飼い主もいます。
犬がオシッコをする理由:マーキングはコミュニケーション
嗅覚は犬にとって非常に大切なものです。自分の周りの世界を探検し理解するのに嗅覚を使うからです。においのマーキングには、それまでその犬がどこにいたか、体の大きさはどのくらいか、健康状態はどうかなど多くの情報が含まれています。そして、これは他の犬とのコミュニケーションに役立つツールでもあるのです。
犬は先祖である野生のオオカミからこのことを学びました。オオカミはオシッコやウンチ、あるいは木や地面の引っ掻き跡などを介して縄張りのマーキングを行います。野生では一つの群れの縄張りは数キロメートルにわたることもあります。
しかし、縄張りを主張するのにオシッコを使うのは犬やオオカミだけではありません。他の多くの動物、特に乳類は、その強力な嗅覚がしばしば生き延びるための鍵であるためにマーキングを行います。
縄張りのマーキングをするのに犬が好む場所とは?
毎日の散歩で犬は街灯、木、建物の側面などに犬はマーキングをします。つまり、通りすがりの犬と簡単にコミュニケーションが取れるような場所です。
そして、その“メッセージ”を残す高さも重要になってきます。足の角度を上げれば上げるほど壁の高い位置にオシッコがかかります。犬がそのにおいを嗅げば、そのにおいを残した犬がどのくらいの大きさだったかの想像がつきやすくなります。
これを踏まえて、小型犬は自分の縄張りを主張するのに興味深い方法を取り入れています。小型犬は実際の体の大きさを隠すため、足をできるだけ高くあげようと大変な努力をします。こうすることで他の犬は小型犬をそれ以上の体の大きさだと思うのです。
小型犬はこのようにして体の大きさについて“嘘をつく”のです。他の犬は、自分よりはるかに大きい犬の縄張りに入ってしまったと騙されてしまうのです。
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困ったマーキング:人にオシッコをかけてしまう理由とは?
興奮したり感情を抑えきれなくなったりするとオシッコを漏らしてしまう犬は多いものです。たとえば、分離不安のある犬は飼い主が仕事から戻るとおもらしをしてしまいます。
また、まだトイレトレーニングができていない子犬も家の中や奇妙な場所で、あるいは人にオシッコやウンチをしてしまったりすることがよくあります。膀胱をうまくコントロールできなくなってきたシニア犬でも起きます。
しかし、外で立っている人、公園のベンチに座っている人、家にやってきたお客さんなど、オシッコをしてはいけない場所(人)にオシッコをしてしまう習慣がある場合、問題行動に起因している可能性があります。
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人にオシッコをかけないようにするにはどうしたらいい?
オシッコをしたことに対して叱っても意味がありません。時間が経ってからであればなおさらです。なぜ飼い主に叱られているのか、犬には理解ができません。その結果、犬を怖がらせて混乱させるだけです。
このような場合、行動レベルから問題に取り組むようにしましょう。オシッコをしている現場に居合わせたら、力強く“ダメ”と言うだけで十分です。そして、きちんとした場所でオシッコをしたらご褒美をあげるようにします。
また、犬のしつけの専門家にトレーニングをできないか相談することもできます。あなたの愛犬の行動を観察し分析することで問題の根本を探る手伝いをしてくれます。その問題行動がいつ始まったのか、どのような人にオシッコをかけてしまうことが多いのかなどを詳しく見ていきます。
もしくは去勢手術も一つの手です。マーキング行動はオス犬の本能であるため、特に成犬になる前に去勢することでこの問題行動を避けることができるでしょう。
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