動物愛護団体がシェルター事業からの撤退を命じられる

動物愛護団体がシェルター事業からの撤退を命じられる

最後の更新: 11 11月, 2018

私たちは、動物たちを助ける人々にまつわる美しい話を紹介するのが大好きです。しかし時には、今回のようなあまり良くないニュースをお伝えしなければならないこともあります。今日は、動物を救う人たちがその事業からの撤退を命じられた件についてです。これは残念ながら、とても悲しいお話ですが、動物を愛す者として知っておくべきでしょう。

動物愛護団体「Animalove」が事業撤退を命じられる

Animalove(アニマラブ)という団体はコロンビアのタビオという街で、4年間に渡って路上をさまよう動物たちを助けてきました。彼らの施設には、これまでに助けられた350匹の犬と30匹の猫が暮らしており、そこでは怪我や病気になると獣医師の治療も受けられるようなシステムも整っていました。それだけでなく、動物たちにワクチン接種や去勢手術を行なったり、また良き里親を探す活動もされていたようです。

アニマラブの責任者であるヨハナ・ペレツさん曰く、1万2千平方メートルもの土地の借用金もしっかり支払っており、また団体を運営するために5000万コロンビアペソ(およそ1万7000ドル)もの資金を投資していたと言います。

団体には10人の正規職員が働いており中には400匹もの動物たちのお世話や福祉を担当する獣医師さんもいらっしゃったそうです。そうです、これは動物たちを道から救い出すという非営利団体のお話です。このようなことからも、なぜタビオの市長が彼らに事業撤退を命じたのかには疑問が残ります。

また数年前、市議会から彼らに「近隣住民から署名を募って事業が地域で認められていることを証明せよ」との御達しがあったそうですが、それも彼らはしっかり条件をクリアしていました。つまり、近隣住民からの理解が得られていることを示す証明となる書類を持っていたのです。それだけではありません、2012年に彼らは事業運営に関して法的な認可も受け取っていました。

事業立ち退きに関する詳細

頭を撫でられる犬 事業からの撤退

撤退命令の根拠は「地区計画に関する条例」に反しているという理屈でした。どうやらこの計画では、動物愛護等の活動に土地を用いることを許可していなかったのです。団体側も弁護士をつけてその判決に対抗しましたが、裁判所がそれを認めることはなく、撤退命令は正当であると結論付けられました。

これは営利事業ではありませんので、運営を続けるのも特に問題はないかのように思えます。ましてや、騒音や異臭などに関する苦情も一切無く、しかも動物たちもしっかりとお世話されていたのです。

タビオ市長の秘書は、団体が撤退を命じられたのは地区計画の条件を満たしていないからだと言いますが、彼は当該団体が動物を用いて利益を得ていたとまで考えているそうです。またローカルのラジオ番組にて市議会議員たちが、撤退による動物たちの移送等などの処理はアニマラブが責任を持って行うべきとの考えを示し、それに要する時間等は考慮すると発言していたそうです。

現在、アニマラブの職員やボランティアの人たちが一丸となって、新しい土地探しやそれにかかる資金集めなどを目的としたマラソンを企画しています。しかし今の所、具体的な撤退案は策定されておらず、保護されていた動物たちだけでも同市内の別の場所に移動できないか、当局と調整が行われている模様です。

メイン画像出典:www.elheraldo.co


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