外出規制中はペットのお風呂の回数を増やすべき?
ここ最近は専門家の指示に従い、かつてないほどに自分たちの衛生面に注意しなければならなくなっています。ですので、多くの飼い主さんが外出規制中にはペットのお風呂の回数を増やすべきか疑問に思うのも頷けます。家族を守るためにこれは必要なことなのでしょうか?
テレビやラジオ、新聞、雑誌…そしてあらゆる手段を使って、健康の専門家や著名な著者たちが手をきちんと洗うことの重要性について強調しています。これは単なる偶然ではなく、手を洗うことがコロナウイルスだけでなくあらゆる病気の拡大を予防するために、最もシンプルで効果的な方法だからなのです。
石鹸と水で手を洗うというシンプルな行動で、手から病原菌の粒子を取り除くことができ、感染が起こる口鼻腔にウイルスが入り込むことを防ぐことができます。
そして当然、多くの飼い主さんたちがこのことから推測して、外出規制中にペットをもっと洗うべきなのかと疑問に思っているのです。
ペットとお風呂
お風呂に入ることはペットにとってさまざまなメリットがあります。これは外で過ごすこともある犬には特にそうです。ネコやウサギは毛づくろいをして自分で自分をきれいにするので、一般的にはお風呂は必要ではありません。
お風呂に入ると、毛の中に外部物質が入らないようにし、不潔なものや皮膚の老廃物、抜け毛や死んだ細胞などを取り除くことができます。もちろん人にとって嫌なにおいをとるのにも役立ちます。
外出規制中にはどれくらいの頻度でペットをお風呂に入れるべき?
COVID-19について手を洗うことがいかに重要かを考えたとき、ペットについてはどうなのでしょうか。この疑問に答えるためには、2つの異なる状況について考える必要があります。一つは感染していない飼い主の場合と、陽性反応があった飼い主の場合です。ですがその前に、あるキーポイントについてお話しておきましょう。
SARS-Cov-2がどれくらいの時間空気中にとどまっていられるかに関しては、いくつかの記事が出ています。最近の研究では、このウイルスは大気中に約3時間漂っていられるようです。つまりこれは特に重いウイルスで、空気中に「浮かんでいる」時間は少ないということです。
3時間経つと、ウイルスの粒子は地面や物の表面に着地します。そしてウイルスが付着した表面の種類によっては、その後も感染能力を維持することができるのです。
COVID-19に感染していない飼い主の場合
パートナーと犬と共に暮らしている女性がいるとします。コロナウイルスの病気のサインは2人とも出ていませんが、専門家の指示に従っており、それを飼い犬にも行うべきか迷っています。
すでにご説明したように、このウイルスが空気中にとどまっていられる時間はとても短いので、散歩中に空気中に浮いているウイルスが飼い犬の毛に付着する可能性は低いと言えます。
しかし地面については話が別です。地面には長い間ウイルスの粒子がとどまっている可能性があります。そして散歩中にそれが犬の足についたり、においをかいだ時に鼻についたりするかもしれません。
ですので、家に入る前には犬の足、鼻、しっぽを洗うことが非常に重要です。
お風呂の頻度については、大気中から感染することは少ないという科学的証拠があるので、普段よりお風呂の回数を増やす必要はないようです。
しかし、このウイルスについてはまだわかっていないことがたくさんあります。ですので、人がたくさんいるところを散歩したり、家族の中にリスクの高い人がいる場合には、犬をより頻繁にお風呂に入れた方がいいでしょう。
COVID-19の陽性反応があった飼い主の場合
ある男性がパートナーと飼い犬と暮らしています。彼は感染していませんが、パートナーに陽性反応が出ました。この例では、彼自身とパートナーが行うべき予防的隔離に加え、飼い犬のケアもしなければなりません。
この場合、犬がコロナウイルスにかかったりその拡大に関わるという証拠はないとはいえ、飼い犬がウイルスの付着する「表面」となってしまう可能性があります。ですので、パートナーが飼い犬の近くで咳をし、その粒子が犬の毛について感染力を維持するかもしれないということです。
このことを念頭に置いて、感染のリスクを減らすためには、粒子のついている可能性がある飼い犬を洗う頻度は確実に増やした方がいいでしょう。さらに、飼い犬を撫でた後(あるいはウイルスが付着している可能性のある場所を触った後)は自分の顔を触らないようにする必要もあります。
外出規制中にペットをお風呂に入れるときは
ペットをお風呂に入れる際は、普段使っているシャンプーや石鹸を使いますが、効果が出るまでに数分かかります。その間に石鹸をペットの毛にもみこみ、特に足の部分に注意して洗いましょう。痛い思いをさせないように、強くこすりすぎないように注意してくださいね。その部分がきれいになるのに十分な泡を立てるだけにしましょう。
- いかなる場合にも、漂白剤やアンモニア、酢などを使ってペットを洗ってはいけません。こういった製品は皮膚にしみて、深刻なダメージを与えてしまう恐れがあります。
- ペットのお風呂に清掃用品を使用してはいけません。
- また、ペットのお風呂や足をきれいにする際にアルコールも使用すべきではありません。これもまた炎症を引き起こす恐れのある物質です。
また、当たり前ですが、ペットに石鹸やシャンプーをした後は、ウイルスの粒子がなくなるようにしっかりと洗い流してあげることがとても重要です。
どのくらいの頻度でペットをお風呂に入れるかは、行っている隔離方法やペットが感染者と接触する程度によります。場合によっては、より頻度を増やしたり、毎日お風呂に入れる必要があるケースもあります。
さらに気を付けるべきことは?
もちろん、ウサギなどお風呂に入れるのが簡単でないペットもいます。その場合は、動物用の衛生タオルなどを使うといいかもしれません。飼い主に陽性反応が出た場合確実なのは、外出規制中にペットを誰かに預けておくことでしょう。
この場合、一時的にペットを預かる人は、家に着いたらすぐにペットをお風呂に入れなければなりません。しかしそれだけでなく、そのペットの持ち物すべてを殺菌することも、感染の可能性を下げるためにはとても重要です。ペットを一度お風呂に入れたら、普段通りの生活を続けることができます。
このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。