意外とかしこい!ネズミの知能:なぜそんなに頭が良いの?
ネズミといえば多くの人が怖がっている、かなり悪い印象を持たれている動物ですから、ネズミと聞いて知能のことを考える人はおそらくほとんどいないでしょう。しかし実はネズミは訓練することができ、きちんとお世話をすればとてもいいペットになるのです。
ネズミはもともと好奇心旺盛な生き物です。また素晴らしい記憶力もあり、物事をすぐに学習することができるのです。それだけでなく、複雑な概念を理解することもでき、なにかができるようになるとそれを忘れることはなかなかありません。
ネズミの知能について理解できれば、ネズミの本来の姿を好きになれるかもしれません。この頭のいい生き物の安全を確保し必要な精神刺激を与えてあげれば、今言ったことの意味がきっとわかると思います。
ネズミの知能:なぜそんなに頭が良いの?
ネズミの脳
まず、ネズミと人間には違いよりも似ていることの方が多いのです。実際、私たちの生理機能と似ているために、ネズミは同じような病気にかかることも多いのです。それが科学者が薬物試験にネズミを使う理由の一つです。
脳に関しても、ネズミの脳は私たちのものととても似ているということが神経科学者によって明らかにされてきています。例えば、ネズミと人間の脳の運動皮質には数えきれないほどの類似点があるのです。
驚くべきことにこの点についてはネズミの方が勝っています。私たちの脳が視覚情報に完全に頼っているのに対し、ネズミはカギとなる感覚運動情報をヒゲから得ています。
学ぶ力が高い
ペットのネズミは遊び心にあふれていてとても優しいのです。犬と同じように、芸を教えることができます。名前に反応するように教えることさえできるんですよ!
これは冗談ではありません。ネズミはおすわりもできますし、何かを探したりわっかくぐりもできるようになります。あなたが呼んだら来るようにもなりますし、細いロープの上を歩けるようにもなります。
また、クイズを解いたり、迷路を通ったりなど、さまざまな芸を教えることができます。そして訓練をするのも実はとても簡単なのです。ネズミは基本的に食べ物をごほうびにするとよく反応するからです。段階的にネズミを訓練する方法を教えてくれる動画もインターネット上にたくさん上がっています。
学習能力
自然の中では、ネズミが生き残ることができるかどうかはその学習能力にかかっています。ネズミは自然のさまざまな困難に立ち向かわなければなりません。食べ物を見つけることや捕食されること、捕まることから逃れるのは簡単なことではありませんからね。
エサを得るのにボタンを押すのをネズミに教えるのに成功した実験室での研究はたくさんあります。ネズミがボタンを4回押すたびにエサがもらっていると、エサを得るためにボタンを4回すごい速さで押すようになるのです。
それに加えて、ご褒美がなくても電気をつけたり消したりできるようことも似たような研究で示されています。それを行う理由はただ単に変化を好んでいるためだけなのかもしれません。ここでのご褒美は、何かに対して自分がコントロールする力を持っているという感情なのだと考えている研究者もいます。
小さなヒーロー
ネズミの人間を喜ばせたいという気持ちと鋭い嗅覚・聴覚を利用して、ネズミを地雷や爆弾の探知ができるよう訓練することも可能です。
特定のネズミを殺す毒も避けられるようになります。実際、捕まることなくネズミ捕りを動かす方法や、罠から抜け出したり他のネズミを助けたりする方法まで学ぶことができるのです。
ネズミは社会的な生き物
ネズミは極度に社会的な生き物です。他のネズミと深く複雑な関係を持っており、愛着を育み家族全員を認識します。ときには、病気やけがをしている他の種のお世話をすることもあるのです。
ネズミはまた、笑うこともできるんです!ネズミが歯ぎしりをしているときは笑っているということです。また、他のネズミが何かをやってくれるとそれを認識し、その恩を返します。このような行為(直接的相互関係)は、動物王国を定義づけるような特徴となっています。
ネズミは複雑なコミュニケーションシステムを持っており、互いにコミュニケーションをとるために高周波の音を利用します。これは犬笛と似ていて、人間には聞こえません。人間に対して愛着も覚えるので、ペットとしてもとても人気なのです。
仲間からのプレッシャーに負ける
他にも興味深いのは、私たちがするのと全く同じように、ネズミも仲間からのプレッシャーに負けてしまうのです。実はおいしくないと思うものを仲間のネズミと食べているとき、その流れに合わせて結局それを食べてしまうのです。
現在科学者たちはネズミをさらに賢くしようと遺伝子をいじっています。人間の認知症の治療法を見つけることが目標です。今のところ、ネズミがいかに頭がいいかということを否定するのは不可能なようです。彼らの生きるコンディションでこれだけ長い間生き残ってこられたのは、尊敬に値することでしょう。
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