猫の循環器系の問題:気になるその原因と症状は?
猫の循環器系の問題は、獣医さんの救急で最もよく見られるケースの一つです。症状は数日欠けてゆっくりと進行する場合もあれば、ほとんど兆候なく突然現れる場合もあります。
呼吸に問題があると、猫にはそれが大きなストレスになるということ、そして容体が急に悪化して命にかかわるリスクもあるということを理解しておくことが大切です。
呼吸に問題があるサインを示している場合は、すぐに治療が必要です。獣医さんに状態をすぐに診断してもらい、詳しく観察してもらう必要があります。そして応急処置と隠れている原因を見つけてもらわなければなりません。
猫の循環器系の問題
循環器系の問題または呼吸困難は、さまざまな形で現れる可能性があります。しつこい咳やツラそうな呼吸、声の変化、運動能力の減退などに苦しむかもしれません。循環器系に問題がある時の最も深刻な症状には以下のようなものがあります。
- 明らかな息を吸ったり吐いたりすることへの困難に加え、呼吸困難があるとさまざまな関連した症状が出ることが多くあります。例えば呼吸速度が普段より早くなったりもします。
- 口を開いて喘いだり、頻繁に咳をするかもしれません。まるで今にも吐きそうだというように前かがみになって頭を下げる姿勢をとることもよくあります。深刻な呼吸困難になっている場合は、歯茎が青くなるかもしれません。これは酸素不足によるもので、その後倒れてしまうかもしれません。
ネコカリシウイルスやネコヘルペスウイルスなどが、猫の感染性の上気道問題の原因の80~90%を占めています。
猫の循環器系の問題のよくある原因
呼吸困難はさまざまな理由から起こりえます。最も多いもののいくつかを以下に挙げました。
- 喘息:これは気道が炎症を起こし、けいれんすることで起こります。その結果、気道が狭くなり深刻な呼吸の問題につながるのです。
- 肺炎:これは肺の感染症です。さまざまな異なる細菌や気管支のつまりによって起こることもあります。気管支がつまるのは、食べ物や液体を嘔吐したり胃酸が逆流したあとに吸い込んでしまったときなどに多く起こります。
- うっ血性心不全:肺の中や周囲に水がたまることで起こる心不全です。
- 胸水貯留:肺の周りに溜まった水のため、胸を広げることが難しくなります。これは感染症や特定のタイプのがんが原因のこともあります。
- 咽頭麻痺:これは喉の筋肉が適切に機能しなくなることで起こります。咽頭が開かなくなり、空気を通すことができなくなってしまうのです。
- その他の原因:異物が鼻腔や気管に入ったり、胸壁に怪我をすることでも起こります。
これは猫の循環器系の問題を引き起こす様々な原因の内の一握りにすぎません。
治療と予後
ご覧の通り、猫の循環器系の問題には様々な異なる問題があり、その深刻さも大きく変わります。ですので、治療と予後についてもケースバイケースなのです。
呼吸困難があると大半の場合酸素吸入が役立ちます。さまざまな方法で酸素を送ることができますが、これは猫のサイズやどれくらい状態が安定しているかによります。
興奮状態にある場合には、ストレスをコントロールするために鎮静剤が使われることもあります。容体が深刻な場合や死に至る可能性がある場合には、状態を安定させるためにさらなる緊急治療が必要なこともあります。
そういった処置には、肺の周りの水を抜いたり(胸腔穿刺)、喉が詰まってしまっている場合呼吸を行わせるために喉に穴をあけ気道確保する(気管切開)こともあります。また、呼吸を助けるために人工呼吸器を装着させる場合もあります。
猫の循環器系の問題に関する検査
血液検査、レントゲン、CTやエコー、そして気管支鏡検査、気管支洗浄などの処置が行われることもあるのでぜひ覚えておいてください。
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