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毛をカットしてはいけないワンちゃんもいる?

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これは大前提ですが、犬と人間では暑さに対処する身体の仕組みが大きく異なります。
毛をカットしてはいけないワンちゃんもいる?
最後の更新: 05 5月, 2019

暑い季節になると、ドッググルーマーは忙しくなります。ワンちゃんを飼っているご家庭でも、毛のカットをご検討されることがあるかと思います。しかし、毛をカットを必要としない犬種がいることをご存知でしょうか?実は、これは多くのドッググルーマーから指摘されている問題でもあります。

この記事では、具体的に毛をカットすべきでない犬種、ワンちゃんの毛が長くなった時の対処方法をご紹介いたします。例えば、グルーミング専用ブラシがあることをご存知でしょうか?ハサミを使わずにこんなに毛量を減らすことができるの!?と、驚きがあるかもしれません。

ワンちゃんの毛の種類

これは大前提ですが、犬と人間では暑さに対処する身体の仕組みが大きく異なります。犬は暑さを感じると皮膚ではなく、舌と肉球から発汗し体温を下げようとします。ワンちゃんが舌を出しているのは体温を調節するためなのです!したがって、実際には毛量は特別重要ではありません。

また、毛皮にも種類があります。全てのワンちゃんが同じというわけではありません。ここで重要なのは毛の長さや、毛の質感ではなく、毛皮が何層に分かれているかという点です。

犬の中には毛皮が2つの層から構成されている犬種があります。こういった犬種は、太く、長い毛質の外層部分の内側に、短く、細い毛質の内層部分を備えています。毛色や毛並みといった、私たちが目にするものを司るのは外層部分ですが、その内側には、より羊毛に近いアンダーコートが隠されているのです。

この内層部分によって外層部分と皮膚の間に空間が生まれます。この空間があることで、ワンちゃんは暑さ、寒さから身を守り、快適な体温を維持することができるのです。その一方で、毛皮が1層のみで構成されているワンちゃんにはこのエアポケットがありません。以下に、毛をカットすべきでない犬種をご紹介いたします。

毛のカットを必要としない犬種

先述した、毛皮が2つの層からなるワンちゃんは、どんなに暑そうに見えても、毛をカットしてはいけません。どうして?と疑問に思うのも無理ありませんが、毛をカットしてしまうと、ワンちゃんが生まれながらに持っている天然の体温維持システムを破壊してしまいます。外層をカットし、内層部分が露出してしまっては、気候の変化に対応することはできなくなってしまいます。

こういった理由から毛のカットをすべきでない犬種、ミックスが沢山います。以下に、毛皮が二層からなる犬種をご紹介いたします 。

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また、こういった犬種の血筋を持つミックスのワンちゃんにも2層構造が遺伝している場合があります。毛をカットが必要か判断する際には、毛をかき分けて内層部分が有るか無いからを確認してください。2層構造が見られる場合には体温維持システムを破壊しないためにもそのままにしておくことがベストです。

カットすべきか、剃るべきか?

犬の毛皮には暑さや寒さに対処すること以外にもたくさんの機能があります。例えば、ワンちゃんの毛皮には、日光から皮膚を守る役割があります。ワンちゃんの皮膚は、太陽からの強い日差しに弱いため、毛皮によって皮膚を火傷から守っているのです。

たとえ毛皮が1層からなるワンちゃん(テリア種など)であっても、日差しの強い季節に毛皮を剃るのはやめましょう。皮膚が直射日光にさらされてしまうと、日焼けしたり、皮膚ガンのリスクを高めてしまいます。

もちろん、見栄えを良くするために伸びてしまった毛をカットする程度であれば問題ありません。ワンちゃんも毛が伸び過ぎてしまうと、動きづらくなってしまいます。伸びてカールしてしまった毛などは是非カットしてあげてください。

先ほどもお伝えしましたが、カットの際には、ハサミを使ってください!剃刀は絶対に使ってはいけません。ワンちゃんの皮膚は太陽光に対して十分な耐性がないことを覚えておいてください。剃毛は、獣医師が医学的な理由から行う時のみ許容される行為です。

代替案

ご家庭でも飼っている、ワンちゃんが毛をカットすべきでない犬種に該当する方に知っておいていただきたいのが、毛をカットする以外にもお手入れの方法はあるということです。それが、グルーミングです。

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ご家庭用にも、専用のブラシが販売されています。また、グルーマーさんにお願いしてグルーミングしていただく方法もあります。専用のブラシをお使いになっていただくと、毛量の変化に驚かれるかと思います。

最後に、ワンちゃんの毛皮が1層構造なのかな、2層構造なのかは、毛をかき分けてよく見ていただければわかるかと思います。1層の場合にはトリミングして問題ありません。一方で、2層構造の場合にはブラッシングすることをお勧めします。どんなに暑そうに見えても、ワンちゃんの幸せを考えるとこれが最善の方法だと覚えておいてください。

このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。