フィラリア症(犬糸状虫症)について:原因と治療法

糸状虫としても知られるこの深刻な寄生虫症は、犬にとって致命的となる可能性があります。幸いなことに、現在の治療法では95%で効果が見られます。
フィラリア症(犬糸状虫症)について:原因と治療法

最後の更新: 10 4月, 2019

フィラリア症について耳にしたことがあるかもしれませんが、実際何が原因かご存じですか?本記事では、大切なペットに害をもたらすかもしれないこの病気について詳しくご紹介します。では、フィラリア症の概要、診断、そして治療法について詳しく見ていきましょう。

フィラリア症とは?

この病気を引き起こす寄生虫は深刻な害をもたらし、致命的にもなり得るため決して軽視されるべきではありません。

この寄生虫は最長で体長30cmにまでなる白い虫で、動物の心臓や肺に害を及ぼすため英語では「ハートワーム」とも呼ばれています。

犬は、この寄生虫に既に感染されている蚊に刺されることによってフィラリア症に感染します。ミクロフィラリアは蚊の腸内で発生し、その後、犬の血液を通して吸収されます。この寄生虫は犬だけでなく、他の動物にも感染します。

蚊を媒介して幼虫が体内に侵入すると、幼虫は3~4ヶ月かけて成長しますこの寄生虫は驚くスピードで繁殖し、いずれ心臓に閉塞を引き起こします。閉塞があるため、肝臓や腎臓などの重要な臓器に血液が流れにくくなり、最終的には臓器の機能不全を引き起こします。

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子犬に関しては、母親がキャリアだった場合のみフィラリア症に感染します。子犬の中の寄生虫は小さく短いですが、子犬は病気の媒介になってしまう可能性があります。

一匹の犬の体内には、最大で300匹の虫が寄生することもあります。そして、心臓発作を起こして最終的に犬の命を奪うまで体内に5~7年間寄生することができるのです。

フィラリア症の症状

大切な愛犬がフィラリアにかかっているかどうかを見極めるためには、症状を知り、素早い行動が必要です。しかし、前述のように、幼虫が成長するのには約4ヶ月かかります。何らかの症状が出始めるのは、犬の体内に入ってから半年以降になります。

半年も体内に寄生していると、犬の内臓は既に感染してしまっている可能性があります。したがって、フィラリア症による重度の合併症を予防するには、動物病院での定期健診が不可欠です。こうすることで、獣医による早期発見が可能になるからです。

最も頻発する症状には次のようなものがあります。

  • 疲労
  • 呼吸の異常
  • 弱い脈拍
  • 食欲不振
  • 膨張した腹部
  • 頻脈
  • 口と鼻からの出血
  • 血色の悪い歯茎
  • 色の濃い尿

このような症状が認められたら、すぐに動物病院に行ってください。素早い行動が愛犬の命を救うのです。

フィラリア症の診断方法

フィラリア症はレントゲンなどの簡単な検査で診断可能です。レントゲンでは、犬の心臓の異常を確認することができます。また、遠心分離機を用いて行われる血液検査を行い、ELISA法による血清学的検査を行うこともあります。

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獣医は心臓の電気信号を確かめるため心電図検査を行います。一般に、心電図検査は犬の治療法に大きな影響を与えるため非常に重要な検査とされています。

治療法

治療法は犬によって異なります。犬の全身状態だけでなく、病気の進行度によっても変わってきます。数十年前、ヒ素はフィラリア症の治療に使用される薬の主成分でした。しかし、その副作用は激しいものでした。

医学と技術が進歩した今日、フィラリアの薬も変わりました。それには副作用はほとんど無く、95%で効果が認められています。

治療は寄生虫を駆虫することに焦点が当てられています。 治療期間中、犬は休息することが必要です。体動が少ないと、薬が効果的に寄生虫を殺すことができるからです。しかし、もし犬が活発であると寄生虫は薬の効果が届きにくい体の他の部位に移動してしまうかもしれません。

大切なペットには健康でいて欲しいと思うものです。病気で苦しむ愛犬を見たい飼い主はいません。しかし、フィラリア症といった深刻な病気でも治すことは可能であるため、それほど心配する必要はありません。


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