ターメリックは犬の肥満を防いでくれるってホント?
まずはターメリックが防いでくれる問題について話しを進める前に、犬の肥満についてお話しておきます。犬の肥満の原因の中には、人と似たような理由もあることはご存知だと思います。何をどれくらい食べるかが健康や幸福に直接影響を与えます。それは犬においても同じなのです。
あなた自身、あるいはペットの犬のダイエットには何が必要でしょうか?体重を減らすのに必要なのは、カロリーをマイナスにすることです。摂取するのより多くのカロリーを燃やせば、体重は時間とともに自動的に減ります。
しかし、その他にもできることがあります。食べ物の中にはペットの体重に影響し、その結果そのペットの健康全体にも影響するものもあるのです。基本的な栄養に加えて健康に良い影響のある食べ物は、機能性食品と呼ばれています。そしてターメリックもその一つなのです。
ターメリックとは?
ターメリックはウコンの根からとれ、ショウガ科に属します。このスパイスはインドカレーやマスタードにあの明るい黄色を与えます。
クルクミンがターメリックの主な有効成分です。これには強力な抗酸化作用や抗炎症作用があります。主にこの成分のおかげで、ターメリックには健康へ計り知れないメリットがあるのです。
犬の肥満の問題
肥満は犬によくある問題です。なぜかというと、これが犬に影響する多くの慢性病の結果の一つだからです。こういった病気には、心臓病、糖尿病、骨関節炎などがあります。
肥満の場合、深刻な代謝の問題と関わっている肥満細胞が成長しすぎてしまいます。この肥満細胞が体の中にたまることで、マクロファージと呼ばれる免疫細胞が出てきます。これがアディポカインというタンパク質ホルモンを出し、炎症を起こします。
ですので、今日肥満は低強度の慢性的炎症として認識されています。
ターメリックが犬の肥満を防ぐ仕組みとは?
ターメリックはさまざまな方法で肥満を引き起こす脂肪細胞に働きかけます。多くの科学的研究から、ターメリックの有効成分であるクルクミンは脂肪細胞ができるのを防いでくれることがわかっています。それは前脂肪細胞と呼ばれています。
こうやってターメリックは体の中の脂肪細胞の数や脂肪細胞の中の脂肪分を減らしてくれます。また、ターメリックはマクロファージの成長や脂肪細胞の中への侵入を防いでくれるという研究結果も報告されています。
さらに、脂肪細胞の中にある、炎症を引き起こすアディポカインの分泌を抑えるということもわかっています。
また、ターメリックの脂肪細胞における抗酸化作用についても触れておきましょう。クルクミンが体の中の細胞に入ると、細胞間タンパク質を放出するということを発見した研究もあります。
このタンパク質は普通は他のたんぱく質群によって体の中にとどめられています。しかし、放出されると何百という細胞保護遺伝子の成長を助けます。この遺伝子は細胞を有害なものから守ってくれ、抗酸化物質や酵素、その他の炎症を抑えるタンパク質ホルモンも含んでいるのです。
ターメリックを含む食事で犬の肥満予防
市場で売られているドッグフードやおやつの中にターメリックが含まれていることも珍しくありません。ターメリックは健康に素晴らしい効果があるだけでなく、味を良くするための天然の素材としてもとても良いものなのです。どこでも手に入るスパイスなので、ほとんどすべての食べ物に加えることができます。
生物学的利用
ターメリックの様々な健康上のメリットを生かすには、どうしたらいいのでしょう?まず、ターメリックの生物学的利用、あるいはどんな状況で体に最も吸収されるのかについて知っておく必要があります。
ターメリックは、それだけで摂取しても最適な吸収率にはならないということを知っておくことが重要でしょう。ですので、ターメリックの粉をドッグフードに振りかけてもあまり意味がありません。何かオイルベースのものを加えなければならないのです。
ブラックペッパーを加えましょう
ターメリックの入っているレシピにはブラックペッパーも含まれていることが多いのに気づいたことはありませんか?実はこれには納得の理由があるのです。
ブラックペッパーにはファイトケミカル(植物によって作られる化学物質)と呼ばれるものが含まれていまることが研究により明らかになっています。この化学物質はクルクミンの体への吸収率を2000%まで高めてくれるのです!また、ブラックペッパー自体も抗酸化物質や抗菌作用を持っています。
ヘルシーな脂肪分を加えましょう
クルクミンの生物学的利用(体への吸収)を高めるには、ヘルシーな脂肪分も重要です。ココナッツオイルなどのヘルシーな脂肪分を使うと良いでしょう。
犬の肥満予防:ターメリックの使用量は?
ターメリックで副作用があるという犬はほとんどいませんが、用心するに越したことはありません。ご自身の犬にとって正しい分量を必ず与えるようにしましょう。一日の摂取量の目安は、犬の体重1キロあたり30~40ミリグラムです。
また、専門家によるとターメリックはすぐに体の外に出てしまうそうです。それを考慮に入れて、1日に1度与えるよりは食事のたびに少ない量を与えるのがいいでしょう。
ターメリックの副次効果
ターメリックは100%ナチュラルです。そのため、一般的にとても安全な添加物だと考えられています。しかし、知っておくべき副次効果や副作用もあるのです。
まず、抗凝血性(血をさらさらにする)があり、心臓発作などの発作のリスクを減らしてくれる強力なツールになります。しかし、血液をなめらかにするような作用のある薬をすでに飲んでいる場合、これが問題になる恐れもあるのです。
さらに、ターメリックは粘着剤になるので、下痢をしている犬には素晴らしい治療薬になります。しかし、犬が十分な水分を摂っていないとターメリックによって便秘になる可能性もあります。
ターメリックの素晴らしい性質についてご理解いただけたでしょうか?でも、少な過ぎよりは多い方がいいだろうと思うかもしれませんが、過ぎたるは及ばざるがごとしです。
犬の食事の中に何か新しいものを足そうとするときには、必ず獣医さんに相談しましょう。その犬にあった摂取量について、アドバイスがもらえるはずです。
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