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こんなところにもヒゲ!?猫の足にヒゲがある理由

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猫の前脚にはヒゲが生えていることをご存じですか?「手根触手」という名のこのヒゲは、猫の第6感のような働きをしているのです。
こんなところにもヒゲ!?猫の足にヒゲがある理由
最後の更新: 11 2月, 2020

猫の前脚にもヒゲが生えていることを今まで知らなかった人は多いと思います。この機会にぜひ確かめてみてください。眉毛やあごに生えているようなヒゲがちゃんと前脚にも生えていることに気が付くと思います。足のヒゲは、手根球(少し離れた5番目の肉球)の近くに生えています。

 

ヒゲの解剖学

ヒゲは正式には「感覚毛」という名前で、前脚に生えているヒゲは「手根触手」と呼ばれます。

まず、最初に知っておきたいことは、ヒゲは単なる毛(被毛)ではないということです。ヒゲは、皮膚の中の毛包の構造と機能がどちらも被毛のそれとは異なります。

ヒゲの毛包は通常の毛包よりはるかに硬くより深いところに位置し、非常に敏感であることが特徴に挙げられます。多くの神経が集中していて大量の血液も供給されているため、ほんの少しでもヒゲに何かが接触すると脳に信号が送られます。

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なぜ猫の足にもヒゲが?

まずはヒゲとは何か、そして何のためにあるかを確認しましょう。ヒゲは感覚細胞内で成長する太い毛であり、その主な機能は動きを検出することです。

顔のヒゲは非常に敏感で、わずかな気流でも検出できるため猫のレーダーのような役割を持っています。顔のヒゲがあることで猫は獲物を捕まえ、獲物との距離を理解し、獲物の動きの予測が可能になるのです。

猫の前脚に生えているヒゲは、顔のヒゲのように場所の特定をするためにあるのではありません。そして、前脚のヒゲは獲物との距離感を掴むためにあり、獲物を捕獲するのに非常に大切なものなのです。

手根触手に関しての研究では、手根触手には脚の硬さを調整するような働きもあり、地形に応じて足取りを変えることができると示唆されています。興味深いこのアイディアは、現在実験によって確認をとっているところです。

また、前脚のヒゲは野生のハンターであった証でもあります。現在の飼い猫は食べるために獲物を捕まえる必要はありませんが、本能からそうしている猫がいるのも事実です。

手根触手は猫の第6感のような存在

意外かもしれませんが、猫の視力はあまり良くありません。つまり、獲物が近くにいても、獲物の微妙な動きが見えないということです。しかし、自然界で生き残るためには微妙な動きを察知する必要があります。そこで役に立つのが手根触手です。

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猫のヒゲは必要であるから生えています。絶対に切ってはいけません。猫のヒゲはトリミングするべきと勘違いする人も多いですが、それは間違いです。猫の中にはコーニッシュレックスのようなカールしたヒゲが生えている猫もいます。そして、他の部分の毛(被毛)のようにトリミングするべきだと思い込んでいる人もいますが、そうではありません。

 猫のヒゲは絶対に切ってはいけません。触毛がない猫は方向が分からなくなり、怯えてしまう可能性もあります。

最後に、猫のヒゲは周囲の物との距離などを測る役割を持っているため、ヒゲがなくなると怪我をしてしまうこともあります。人間が暗闇の中を手探りで進むときのように、猫もヒゲを頼りにしているのです。


引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。


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このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。