犬の斜視ってどんな症状なの?原因と治療法について
人間と同じように、犬の斜視も目が同時に同じ方向を向かないという眼疾患です。場合によっては、特定の犬種や人の文化においてさえも、斜視は欠陥ではなく望まれる特徴だということもあります。
欠陥といっても、だからといって犬を醜くするものだということではありません。そうではなく、これは目の位置を決めている筋肉に何かしらの問題があるということです。遺伝性のものもあれば、腫瘍や感染症など身体的な原因からくるものもあります。
目を動かす筋肉
哺乳類の目にはそれぞれの目を支える6つの筋肉があります。これらの筋肉が、目を異なる方向に向かせているのです。そして以下のグループに分類されます:
- 直筋:上、下、内、外の4つがあります。これらの筋肉は腱によって強膜(白目)にくっついています。上直筋と下直筋は目を上下に動かし、内直筋と外直筋は左右に動かします。
- 斜筋:上斜筋と下斜筋の2つがあります。これらの動きの組み合わせで、目を時計回りや反時計回りに旋回させることができます。
- 後引筋:目を動かす6つの筋肉にはカウントされませんが、まぶたの動きを司ります。
これらの筋肉が正常に動いている場合、目が同時に同じ方向に動きます。斜視はこれらの筋肉の内一つ以上が適切に動かないと起こります。
斜視には目や両目の向いている方向(ずれ)によって様々なタイプがあります:
- 内斜視:目が顔の端の方を向く
- 外斜視:目が鼻の方を向く
- 上斜視:目が上方向を向く
- 下斜視:目が下方向を向く
犬の斜視の原因
斜視の原因はさまざまです。残念ながら、犬の斜視のすべてに治療法があるわけではありません。犬の場合はほとんどが欠陥とされますが、特定の犬種と関係のある遺伝性のものもあります。
斜視が起こりやすい犬種とはどんな犬種なのでしょうか?最も起こりやすいのはシャー・ペイ、アイリッシュ・ウルフハウンド、秋田犬、パグなどです。斜視は、成長の過程で内直筋が繊維質の組織に変わってしまうことで起こることが多く、それが正常な目の動きを阻んでしまうのです。
遺伝的問題や筋肉の異常な成長に加えて、斜視を引き起こす可能性のある免疫系関連の病気もあります。
例えば、免疫介在性筋炎(筋肉の炎症)などがそうです。これが目の筋肉に起こると、斜視になったり眼球の突出などが起こることもあります。甲状腺に関する問題が斜視を引き起こすこともあります。
また、腫瘍も犬の斜視の原因となる可能性があります。眼球の近くや目の中に腫瘍が発生すると、さまざまな外部の目の筋肉に圧力がかかります。そうすると筋肉が本来動くべきように動かず、目の動きが正常でなくなるのです。
場合によっては、斜視が外傷から起こることもあります。頬骨(頭蓋と顎の骨が交わる、目のすぐ下の骨)に骨折があった場合に、深刻な斜視が起こることがあるのです。
最後に、神経系に関係する病気や機能不全もまた犬の斜視の原因になりえます。例えば、神経統合の不全や脳の中に水がたまるなどの大きな問題も関わることがあります。
犬の斜視の治療
治療に関しては、何がこの問題を引き起こしているのかによります。先天性の障害や遺伝が原因の場合、小規模な手術か目の周りの筋肉を強化するための簡単なセラピーで済むかもしれません。
一方で、問題の原因がなんらかの病気の場合、病気を治療すればおそらく斜視も治っていくでしょう。そうならない場合には、筋肉に損傷があるかもしれないので、手術やセラピーが必要になる可能性もあります。
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