攻撃的行動は犬のせいではない

犬の行動は思った以上に奥が深いのです。
攻撃的行動は犬のせいではない

最後の更新: 18 5月, 2018

なかには、ペットのことを「言うことを聞かない悪い子」や「危険な子」と言う人もいるでしょう。しかし、犬が“悪い子”になるのは遺伝でも性格ではなく、飼い主による育て方が関係しているのです。この記事では犬の攻撃的行動の原因が犬にはないことを説明していきます。

犬と攻撃的行動

犬が歯をむき出し興奮して吠えているときは攻撃的になっている時です。この行動は犬にとってだけでなく、周囲にいる人にまで影響します。

攻撃的な犬と聞くとある特定の犬種を思う人もいるかもしれませんが、それはあまり正しくありません。ある犬種だからといって攻撃したり噛んだりするわけではありません。犬の攻撃行動は、自分を守る、または攻撃することを目的とし、犬の外に向けられているものなのです。また、犬の攻撃行動は支配的な理由であったり、恐怖を意味することもあります。

なぜ攻撃的になる?

攻撃的な犬

犬の攻撃性はあらゆることが関係しています。犬自身からくるものもありますが、人とのかかわりから生まれることもあります。犬の攻撃性は次のような原因が考えられます。

1.健康状態

痛みを感じていたり健康に問題がある場合、攻撃的になることがあります。また、皮膚のトラブル、骨折、怪我、又は弱っているときはより頻繁に見られるでしょう。犬はこのような不快感が自分の身体から来ているものだと理解ができないため、周囲の人が不快感の原因と考えてしまうのです。このような行動は虐待を受けた野良犬などでよく見られます。

もしワンちゃんが特に目立った理由もなく攻撃的になっていると感じたら、動物病院に連れて行き病気がないか確認してもらいましょう。

2.社会性を持たせない

生後3~12週の子犬は、社会性を身につけるために他の動物と関わりを持つことがとても大切です。これは他のワンちゃんとの関わりだけでなく、家族以外の人との関わりも含みます。

社会性を身につけたワンちゃんは、そうでないワンちゃんよりも健康的で、全体的にバランスが取れています。また、攻撃的な行動も見られません。しかし、もしワンちゃんが公園に行ったこともなく、会うのはいつも同じ人ばかりで他の犬とも関わりがないのであれば、不安とストレスが攻撃的な行動の原因になっているかもしれません。だからこそ、小さい頃から社会性を身につけさせることが重要なのです。

3.しつけが悪い

もし犬のしつけができていなく、何をしても許されているのであれば、近付く人には攻撃的な態度を見せるでしょう。それは飼い主が命令をしている時でも、他の動物と一緒に遊んでいたりする時も見られます。ワンちゃんを犬として接するのではなく、人間のように扱い甘やかしすぎるとしつけができなくなってしまいます。

一方で、大きな声で叱る、叩くといった過度な罰はワンちゃんの攻撃性を悪化させてしまいます。ワンちゃんをつなぎっぱなしにする、ごはんをあげない等、理由が何であれ脅すといったことは動物の性格をゆがめてしまいます。

4.妊娠

メスのワンちゃんは出産時と出産後の数日間、攻撃的になることがあります。不信感を抱かせるような人には子犬を触らせようとも近付かせようともしません。これは本能による行動であり、子犬を守ろうとしているのです。

5.縄張り意識

リーダーシップや縄張りを脅かされると感じると攻撃的になるワンちゃんもいます。自分の空間に誰かが侵入する、ワンちゃんの物を取るといったことに対して、吠えたりうなったりして反応するでしょう。新しいペットや赤ちゃんを迎え入れようとしているのであれば、これは避けたい行動です。

また、なかには特定の物、人や動物に対して独占欲が強いワンちゃんもいます。あるオモチャを取ろうとすると、爪や歯をむき出しにして守ろうとするのです。このようなワンちゃんは、自分の子犬や、自分が「下っ端」と考えている犬に誰かが近付こうとすると同じような行動が見せるでしょう。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。