事故に遭った「ともだち」を助ける犬

犬たちが人間よりも優しく思いやりのある動物になれると証明した悲劇の実話です。
事故に遭った「ともだち」を助ける犬

最後の更新: 29 6月, 2018

「女性が車にはねられたにも関わらず誰も助けには来ず、それどころか倒れたその女性がもう一度車の下敷きになってしまう」という痛ましい事故を映した動画が少し前にインターネット上にアップロードされましたが、動画はすぐに広まり多くの人を憤慨させたのと同時に、人間はどうしてこんな存在になってしまったのか、そして人間のあるべき姿とは何か、考え直す機会を人々に与えることになった、ということがありました。

さて、これは人間の話でしたが、他の動物たちはこうはなりません。考えることをしないから、ではなく、人間よりも圧倒的に思いやりがあるから、です。今回紹介する動画には、車にはねられた自分のともだちを何とか蘇生しようとする、優しさに溢れた1匹の犬が映されています。

他の動物は人間よりも優れている、という主張は少なくありません。そのセオリーの正しさは、この動画も物語っているかと思います。

事故に遭った女性とそれを助けようとしない大勢を映した映像と、事故に遭った犬を必死に助けようとするもう1匹の犬を映した映像、興味深いことに実はこのどちらもが、中国で撮影されたものだったのです。

蘇生を試みた犬

2匹の犬は、 談笑しているように周りから見えてもおかしくないほど とても仲が良さそうに一緒に歩いていました。

食べるものや新鮮な空気を求めて、いつものように歩き回っていた彼らですが、ある道を渡っているときに、それは突然起こりました。その結果不幸なことに、片方の犬が無傷で済んだ一方で、もう片方だけが重傷を負 ってしま う、という事態 が起こったのです。

しかし怪我を負わなかった犬は、道路の真ん中に倒れるもう1匹のともだちを決して見捨てようとはしませんでした。そして、誰も予想だにしなかったことを始めたのです。

同じ運命を辿れるのなら苦しんでも死んでも構わない、と思っているかのように、車の行き交う道路で一切の危険を顧みず、ともだちをどうにかして「起こそう」とし始めたのでした。いつかは「起きて」くれると信じて違わず、自分の頭でその力ない体を突き続けたのです。

命の為の闘い

押して、舐めて、吠えて、嗅いで、また押して… この犬はできる限りの手を尽くしてともだちを助けようとしました。 例え手応えがなくとも絶対に止めようとはしませんでした。しかししばらく経ってもう手遅れだと理解したときには、どうしようもない、遣る瀬のなさそうに泣き始め、お腹にひきつけを起こし始めたのでした。

この悲しい実話が動物たちについて私たち人間に教えてくれること、それはパートナーに対する彼らの留まることのない「忠誠心」と「人間性」なのです。ただここでいう「人間性」は人間に分かりやすく意味を伝えるための表現であり、動物たちのそれは本来「人間性」を凌駕するものです。

この単語は、自らを危険にさらしてでも他者を助けるために、自分の中に発生する様々な感情のことを意味します。まさにこの犬がともだちを助けようと動画の中で行ったことです。

どう感じるかは実際に見てもらえば分かるかと思います。

真の友は愛するために、兄弟は共に苦悩を乗り越えるために存在する。

-聖書の諺-

動物たちの「忠誠心」

私たちの身近にいる動物たちの「忠誠心」にまつわる逸話は今までにもたくさんしてきました。そしてそれらを聞いて気分を悪くするような人はいないでしょう。

食べ物を得られる場所にたどり着くまでずっと互いに寄り添いながら歩いてきた2匹の子犬のお話や、盲目の犬とその子を如何なる危険からも常に守ろうとする犬のお話など聞いて、誰が「犬は家族じゃない」と言えるでしょうか? むしろそれ以上の存在なのですから。

こういった実話が明確にしているのは、「私たちはもっと動物から学ぶべき」ということです。

妬み・怒り・嫌悪など持たず、また助けを必要とする人には手を差し伸べられる、そんな心を持つ必要があるのです。私たちがもっと動物たちみたいだったら、今よりずっと良い世界になる、そう思いませんか?

画像出典元:elpais.com


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