犬を買うことは動物虐待?!里親のすすめ

犬を買うことは動物虐待?!里親のすすめ

最後の更新: 11 7月, 2018

 

一部のブリーダーは(特に東ヨーロッパでは)高い需要に付け込み、劣悪な環境でメス犬に次々と子犬を生ませます。そして、子犬は危険でストレスの多い環境へと輸送させられるのです。

犬を引き取るのではなく買うこと

子どもはペットショップのショーウィンドウに並ぶ子犬を見るのが大好きです。そして大人も愛情にあふれ、愛されたいと訴えるその愛くるしい眼差し魅了されます。しかし、犬を買うべきか引き取るべきかという議論については、あまりにも多くの人が無知なのです。舞台裏で何が起きているかを知らなさすぎるのです。

人間が生き物に対し共感を抱くのは自然なことです。なぜ子犬がショーウィンドウに並んでいるかをきちんと考えたことがなくても、ショーウィンドウの中の子犬が苦しんでいることは心の中でしっかりと理解しているのです。私たちは犬を買って愛情を注ぎたい、ということだけを気にしているのです。

子犬たちはどこから来るの?

私たちは知らず知らずのうちに犬の繁殖という残酷な世界の一部になっています。子犬たちがいったいどこから来ているのかと考えたことはありますか?ヨーロッパでは、多くがスロバキアやハンガリーなど東欧諸国の経験の浅いブリーダーの元に生まれます。このようなブリーディング業界は、ヨーロッパ大陸での子犬の売上で成り立っているため、製品である子犬の繁殖だけを目的に全てを行っています。

並ぶ子犬たち

子犬という製品を創るため、母犬は子犬を生む「機械」と化すのです。 狭い空間に閉じ込められ栄養不良となり、感染や脱水が起こりやすい状況に追いやられます。そして、次々と子犬を生まされ、運動不足からメス犬は子犬を生む「機械」にさせられてしまうのです。体がボロボロになっても、子犬の「生産」を続けることがメス犬たちの役割なのです。

金銭授与だけが目的のブリーダーは、メス犬に肉体的限界を越えても子犬を生ませます。生殖器官がダメージを受けても、途中に死んでしまってもお構いなしなのです。

犬の繁殖専門家によると、再びオス犬と交配させるのはメスの発情サイクルを待つのが良いとされています。しかし、犬の繁殖を規制する法令はほぼ無いに等しいため、繁殖に使われている犬は肉体的にも精神的にも大きなダメージを受けているのが現実なのです。

健康問題、ウイルス、うつ病を患ってしまう子犬は、不当に虐待された結果です。 上記のように繁殖を「生産」とい考える視点では、犬には1つの目的しかなく、その目的が果たせない場合は殺処分されたり、直ちに違う犬と取り換えられたりします。

見上げる子犬

里親として犬を引き取るのでなく消費者として犬を買うことは、知らぬうちに共犯者になっているのと同じなのです。意図せずに「生産」された犬や「生産」させられている犬の権利を侵害しているかもしれないのです。

誕生、輸送、販売

生後5~6週間で子犬は離乳します。そして暗い部屋に連れて行かれ、オシッコやウンチを吸収するための紙が敷き詰められたプラスチック製の箱やケージに入れられます。餌や水のトレイもケージの中にあり、ウイルスや感染が拡大しやすい環境です。そして、犬は72時間以上かかることもある残酷な旅へと出発します。道中、唯一止まる場所は、「流通業者」から子犬を注文したペットショップだけです。約150~200匹の犬がバンの中に山積みにされたケージの中に詰め込まれます。ケージとケージの間に敷かれた吸収紙は、オシッコやウンチが上から下へのケージに垂れ流れないための唯一の物です。

パピーミル

もちろん子犬たちには手足をストレッチするような空間はなく、新鮮な空気を吸うことも太陽を見ることもできません。推奨されている4時間ごとの水分と栄養補給はもちろん行われません。このようなストレスを子犬が耐えるのはあまりにも残酷です。しかし、こんなに小さくても衛生と健康に関する偽りの証明書は持っているのです。

純血種の高い需要がこのような虐待を生んでいます。ブリーダーは(または一部の国ではパピーミル [子犬工場] と呼ばれています)、命より売り上げを気にし、このようなずさんな環境が犬の肉体的及び精神的な健康に悪影響だということを否定しています。

ペットショップ、オンラインストア、そして非合法ビジネスが子犬販売を促進しているのです。 多くの場合、犬は病気になり、販売される前に抗生剤を飲まされています。新しい子犬の飼い主は、犬のパルボウイルスなどと絶えず向き合わなくてはいけないのです。時に子犬は病気に打ち勝つことができず、数日後に死に至ってしまうこともあります。

犬を引き取ることは命を守ること

保健所では野良犬は温かい居場所と愛情を与えられ、健康を気に掛けてもらえます。保健所にいる犬のほとんどは純血種でないため保健所にやってきたのです。しかし、舞台裏で実際に起きている虐待を知らない私たちは、犬を買うことでそれを支援してしまっているのです。

犬を引き取ることは野良犬の命を守るだけでなく、他の犬をパピーミルから守ることにもなります。保健所は犬に命と健康を与えるのです。

保健所から引き取る犬の数が増えれば、徐々にパピーミルの需要は減少してきます。つまり、動物を製品として扱っている人達のビジネスを畳むことに繋がるのです。動物たちが望んでいるのは愛情とケアだけです。そして、それと引き換えに私たちに無条件の愛を与えてくれるのです。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。