スパニッシュ・グレイハウンド:歴史ある犬種

スパニッシュ・グレイハウンドはとても古い歴史のある犬です。ウォーレン・ハウンドのように古代エジプト犬の系統を引くと信じられています。
スパニッシュ・グレイハウンド:歴史ある犬種

最後の更新: 09 1月, 2019

スパニッシュ・グレイハウンドはイベリア半島の最も古い犬種のひとつですが、最近までは比較的知られていませんでした。虐待や放置などが原因で、スパニッシュ・グレイハウンドは保護され新たな飼い主の元へと引き取られる率の高い犬種のひとつでもあるのです。

スパニッシュ・グレイハウンドの歴史

スパニッシュ・グレイハウンドはとても古い歴史のある犬です。ウォーレン・ハウンドのように古代エジプト犬の系統を引くと信じられています。また、A.D.2世紀のスペインにすでにグレイハウンドの記録があります。実際、特徴と行動がグレイハウンドを示す狩猟についてのローマ条約があります。

また、グレイハウンドはレコンキスタ時代には野うさぎの狩猟に使われていました。かつて農地として使われていた土地の多くは、グレイハウンドの狩猟地となったのです。スペインの土地にはたくさんの野うさぎが生息していたのです。

顔を撫でられるスパニッシュグレイハウンド

スパニッシュ・グレイハウンドは今日も狩猟犬として使われています。悲しいことに、その多くは狩猟時期が終わると放置されます。保護施設に多い犬種がスパニッシュ・グレイハウンドなのはそのためです。同時に、引き取られることが多いのもこの犬種です。スパニッシュ・グレイハウンドは狩猟するだけの犬ではありません。素晴らしいペットとなるでしょう。

スパニッシュ・グレイハウンドの特徴

元々スパニッシュ・グレイハウンドは短距離用として育てられてきました。体は軽く、パワフルで、ほっそりしていて背が高いのがスパニッシュ・グレイハウンドの特徴です。スパニッシュ・グレイハウンドは体長50〜70cm、体重は15〜18kg程です。この体長の他の犬種なら、体重はスパニッシュ・グレイハウンドの3倍はあるでしょう。

スパニッシュ・グレイハウンドは細く長い脚をしています。胸は広く、お腹やウエストはとてもほっそりしています。先に行くにつれ更に細くなる長い尻尾を持ち、背中はかすかに曲がっています。

頭もまた長細く、小さくて三角形の耳が頭の横または後方についています。顔はとても小さいのですが、生き生きした快活な目を持っています。

スパニッシュ・グレイハウンドの毛は短くて硬いでしょう。色は様々ですが、暗くてまだら模様の場合が多いようです。シナモン色、茶色、黄色、黒、白、こげ茶色などの犬もいます。中には、ひげやふさふさした眉毛をした大きな頭のスパニッシュ・グレイハウンドもいますが、やはり短い毛のものが一般的でしょう。

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スパニッシュ・グレイハウンドの行動

スパニッシュ・グレイハウンドの本来の仕事を考えると想像がつきにくいかもしれませんが、実はスパニッシュ・グレイハウンドはとても穏やかで愛情豊かな犬です。1日3度散歩をすればもう十分でしょう。それほどエネルギーを消費する必要はないからです。スパニッシュ・グレイハウンドの飼い主の多くは、スパニッシュ・グレイハウンドがぐうたら昼寝をすることが多いことに驚くそうです。

何かを追いかけるなどのゲームをすると、スパニッシュ・グレイハウンドの狩猟本能を刺激してしまいます。つまり、ボールや枝を投げるなどは危険です。スパニッシュ・グレイハウンドはとても繊細な犬で、このようなタイプのゲームをすると、すぐにストレスが溜まってしまいます。スパニッシュグレイハウンドの性格を考えると、愛する飼い主の近くで穏やかに静かに過ごすことが良いでしょう。知らない人を信頼することは少ないでしょう。

スパニッシュ・グレイハウンドの多くは保護された犬です。トラウマ的な経験をしてきたのか、本来のシャイな性格のせいなのか、とても怯えていることが多いでしょう。

スパニッシュ・グレイハウンドを飼いたいという人は、ドッグトレイナーの元を訪れ、回復を助けるのも良いでしょう。個々に応じた適切なセラピーがあれば、スパニッシュ・グレイハウンドはひどい経験にも打ち勝つ能力を備えた強い犬なのです。

寝そべるスパニッシュハウンド

スパニッシュ・グレイハウンドと医療ケア

スパニッシュ・グレイハウンドに遺伝的疾患があるかどうかは知られていません。ですが、ワクチン接種はスケジュール通り行い、動物病院での定期検診には忘れずに連れて行きましょう。

グレイハウンドには股関節異形成が見られることはあまりありません。股や尻尾の関節異形成はこの大きさの犬によく見られるものですが、グレイハウンドは体がとてもスリムなので関節異形成にはなりにくいでしょう。ですが、大きい犬が罹ることの多い病気はこれ以外にもあることを忘れてはいけません。

狩猟犬は駆虫、寄生虫治療に関して獣医の指示に従うことが大切です。 ノミやダニには深刻な病気を引き起こす危険があります。石や破片などが挟まっていないか、足や耳も定期的に診察してもらいましょう。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。