ピレニアン・マスティフについて
ピレニアン・マスティフは、スペインを起源とする犬種で、かつては狼や熊から牛や羊を守る護羊犬として活躍していました。
一般社団法人ジャパンケネルクラブでは、ピレニアン・マスティフを「この犬種はたいへん訓練しやすいため、今日、農園やその所有者の申し分ない護衛犬として活躍している。」と定義しています。
ピレニアン・マスティフの起源
羊飼いの忠実な友として、また牧場の防衛のために、ピレニアン・マスティフは大活躍しました。
とても大きく、しっかりとした筋肉を持つピレニアン・マスティフは、前述したように害獣から家畜を守るために活躍しましたが、その大きさから飼育に非常にお金がかかるということで、一度はその数が減少しました。
1977年に、ラファエル・マル・アルクード、ダニエル・ロレン・ゲレーロ、ハイム・グラウス・モラレスは、ピレニアン・マスティフの保全を促進するために、スペインでピレニアン・マスティフ・クラブを発足し、スペイン王立犬協会(Royal Canine Society of Spain)と提携しました。
その後、1982年には国際的な統括団体である国際畜犬連盟(FCI)に公認犬種として登録されたことから、スペイン国外でも飼育が行われるようになりました。
現在でも希少犬種であることに変わりはありませんが、ヨーロッパやアメリカのクラブの努力により、保全が行われています。
こちらもご覧ください:世界で最も高価な8つの犬種とは?
特性と特徴
強くて丈夫な体のピレニアン・マスティフは、胸が広くとても筋肉質です。
厚い毛皮は、熊のような強靭な筋肉を隠します。
顔は、垂れた耳が特徴で、牛や羊を保護する他の護羊犬と似た温和な顔つきをしています。
毛皮は白く、不規則な斑点があり、耳には常に斑が見られます。
ブリーダーにとっては、3色であるトライカラーまたはオフホワイトの単色はあまり望ましくないとされています。
ピレニアン・マスティフには「最大のサイズ」はなく、大きければ大きいほど良いとされる傾向があります。
オスの身長は通常は77cm、メスは72cm程度とされますが、これより大きくなることもあり、ブリーダーの多くは81cm以上を好むと言われています。
フレンドリーな護衛犬
長い間、狼や熊などの猛獣から羊などを守ってきたため、相手に攻撃を加える時にはその力を発揮しますが、基本的には優しく、愛情に溢れた忠実な犬です。
しつけや訓練もしやすく、大変知的な犬と言っても過言ではありません。
また子供たちを守り、家族と飼い主に従順で忠実であるピレニアン・マスティフですが、その体から、広い飼育スペースと、多くの運動を必要とします。
運動不足になるとストレスが溜まる可能性もあります。
こちらもご参考に:大型犬を飼うべき5つの理由
ピレニアン・マスティフの世話
非常に大きな犬種であるため、股関節形成異常や関節疾患を発症しやすく、後天的に悪化することもあります。
また、過剰な運動などにより、足腰への負担だけではなく、胃捻転などの病気にかかりやすく、重篤なケースでは命に関わることもあります。
胃捻転や胃の膨張などが起こると、膵臓を圧迫するため、腹部の痛みや炎症が起こっている時には行動に現れることがあるため、飼い主は注意を払う必要があります。
ピレニアン・マスティフの飼育には注意が必要で、定期的な獣医師の検診が特に推奨される犬種です。
このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。