青い舌を持つ犬種:シャー・ペイとチャウチャウ
青い舌を持つ犬種の起源については様々な(相反する)理論があります。理論は宗教的な伝説から科学的な仮説まで幅広い範囲に渡って数多くありますが、結局のところ、説明するということはずっと複雑なことですね。
青い舌を持つ犬種:科学的に見る
舌の細かい血管が一重の層を作り出します。多くの動物はピンク色の舌をしています。これは血液が運ぶ酸素が舌全体に行き渡っているからです。青い舌を持つ犬種があることについて、自然の遺伝的変異だと専門家は述べています。遺伝的変異なら、すべての種に起こるわけではないというのも納得できますね。
しかし、これが適応特性であることについてはまだ証明されていません。もしかすると、単に遺伝子系統樹の中の偶然の変異なのかもしれません。
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メラニンに関する理論
初期の理論では、犬や他の動物の中には生成するメラニン値が他よりも高い種類の動物がいるとされていました。メラニンは哺乳類の皮膚や髪、毛の色素をコントロールする物質です。この値が高いと、舌の色が強くなるのです。
ですが、チロシン欠乏であるために青い舌を持つ犬種もあるという理論もあります。チロシン不足であると、メラニンを十分に生成することができず、正しい色にならないのです。
中国神話による説明
中国神話には、チャウチャウの起源について説明された伝説があります。その伝説によると、チャウチャウは昼を愛し、夜を嫌った龍の犬でした。ある夜、夜に飽き飽きしたチャウチャウは、夜空を舌で舐めて昼間に変えることに決めました。
この行為が神をひどく怒らせます。神はチャウチャウの舌が青や黒い色に変わるよう罰を与えました。そうして、チャウチャウは自分の姿を見るたびに自分のしたことを恥ずかしく思うのです。また、自分には見えないかもしれませんが、周りの人からは神に逆らおうとした犬ということがわかってしまいますね。
青い舌を持つ犬種とは?
青い舌を持つ犬種として最も知られているのが、シャー・ペイとチャウチャウです。どちらも優性遺伝子だからです。優性のため、チャウチャウの中には紫や黒みがかった舌を持つものもいます。
青い舌を持つ犬種:チャウチャウ〜古代の神聖な寺院の守り主
実は「チャウチャウ」とは、「ふわふわのライオン犬」という意味です。まるでぬいぐるみのようなふわふわした見た目ですが、実はチャウチャウはチベットオオカミの直接の子孫なのです。オオカミが祖先だと聞いても、ふわふわした毛、大きな頭、そして青い舌というその可愛らしさは否定できませんよね。
歴史的に見ると、チャウチャウは中国で家庭や農地、寺院の番犬として使われていました。狩りに出かける際にも連れて行ったことでしょう。現在はペットしての飼いやすさから世界中で見られる犬種です。
チャウチャウの体は中国の厳しい気候や寒さに耐えられるようになっています。体はコンパクトで力強く、厚い脂肪層が体を覆っています。チャウチャウといえば、特にふさふさした山盛りの赤毛が有名でしょう。
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青い舌を持つ犬種:シャー・ペイ〜体についた脂肪の塊
シャー・ペイとチャウチャウはとても良く似ていますので、近い犬種だと考える人もいます。青い舌が似ているだけでなく、その体つきも似ています(毛の様子は似ていませんが)。また、顔の作りや表現、狩猟犬、番犬としての能力が優れている点もよく似ています。
シャー・ペイは短い毛を持ち、体にはたっぷりの脂肪がついています。子犬の頃はのちに成長するための皮膚が余計についていますので脂肪のかたまりも目立ちやすいでしょう。
シャー・ペイと人間との歴史は紀元前3世紀にまで遡ります。その証拠に、シャー・ペイの祖先を描いた陶器が発見されています。古代の中国文化では極めて重要な存在であったと考えられます。
そんなはるか昔でも、シャー・ペイは番犬、狩猟犬、牧畜犬として飼われていました。中国の民は、彼らの土地を侵略しようとする敵と戦う際、この青い舌をしたシャー・ペイを自分たちの最高の仲間としていたのです。
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