ペット薬草療法とは?
人類は長い間、病気の治療に植物や薬草を用いてきました。いわゆる薬草療法というものです。そしてペットの病気に対する治療法として、ペット薬草療法も存在します。
ハーブには健康に対する数え切れないほどのメリットがあります。遠い大昔に人類は、これらの薬草が傷を癒やすのに良いことを発見しました。そして傷だけではなく、一般的な病気にも時として効果的なことを見つけたのです。
実は動物も、自分たちの身体に何か良い影響を起こすため、本能的に植物を利用します。体内の良くない物質を取り除くために犬が草を食べるのは、良い例です。
ペット薬草療法はまだまだ普及していませんが、それでも動物医療の世界で徐々に浸透しつつあります。特に自然食品を食べる動物に対しては、ペット薬草療法を使うケースが少しずつ増えているようです。
動物の専門家も、病気の治療にペット薬草療法を使うことがあります。基本的には簡単な怪我や傷の治療に使われますが、通常の薬の代わりとして、より複雑な病気の治療に用いられることも多くなってきました。
この分野の専門家が、ペット薬草療法のことを「様々な分野に良い影響を与える自然由来の薬」だと定義しているのは、見逃せない事実です。
ペット薬草療法の起源
薬による治療がすぐに受けられる西洋とは違い、東洋の文化では薬草が幅広く用いられてきました。
人類は植物が持つ健康パワーを長年研究してきました。実際、いくつかの西洋の薬の原理は、植物や薬草から取られています。サリチル酸はヤナギの木から、アトロピンとスコポラミンはベラドンナから、シリマリンはマリアアザミからといった具合です。
こうした研究は、「植物は、すべての部分がそれぞれ異なった健康効果を持っている」というもうひとつの重要な事実を明らかにしました。植物の健康パワーは葉っぱや枝のみならず、時として根っこにも含まれているのです。
そのためホメオパシーの薬はよく植物全体を使用します。たとえばアロエの葉から作られるジェルは傷を治すのに使われますし、キャッツクローの根は腫れを治療するのに利用されます。
ただし、ペット薬草療法は比較的新しいタイプの治療法であることに注意してください。動物の体に対して植物が持っている健康効果は、まだまだ人々の間で知られ始めたばかりです。
ペット薬草療法のメリットは?
1.体への影響が少ない
ペット薬草療法は、ペットの身体にあまり化学物質を送り込みません。そのため、毒になり得る物質も少ないんです。また、薬や治療による副作用のリスクも最小限に抑えられるので、副作用を恐れずに済みます。
2.治療の適用方法に様々な選択肢がある
ペット薬草療法では、薬草を様々な方法で与えることができます。エキス、シロップ、おかゆなどが一般的です。専門医はそれぞれの動物の状態や意志に応じて、最適な方法を選択します。ほかには吸引やチンキ剤といった方法があります。
3.柔軟に服用管理ができる
ペット薬草療法は、それぞれの動物の特性に応じて柔軟に服用量を調整できます。治療の進行状況に応じて服用量や服用内容を変えるのも容易です。
また薬草を使うので、より良い効果を得るために混合できるのもメリットです。基本的には薬草を混合しても過剰摂取や中毒を引き起こすことはありません。ただしすべての薬草のペアにこれが当てはまるわけではないので注意が必要です。薬によっては混合によって重大な副作用を引き起こす恐れもあるので、必ず専門医の処方に従いましょう。
4.低コストで利用しやすい
ペット薬草療法はコストがあまりかからないのも特徴。複雑な医療プロセスを経ることなく、すぐに利用できるのもメリットだと言えます。
ただし正しく利用するためには、それぞれの薬草の成分や効果をきちんと知っておくことが大事です。
また、どの植物がどんな状態のときに効果的なのかについて知識を蓄えることも重要になります。事前に乾燥させておいたほうが効果を発揮する薬草もあれば、なるべく新鮮なままのほうが良い薬草もあるのです。
地域によって種類は異なっていても、共通した効能を持っている植物は数多く存在します。治療の選択肢を広げるには、こうした類似性について学ぶことも効果的でしょう。
多くの専門家は、ペット薬草療法の効果を最大限に高めるため、普段からペットに自然食品を与えることを勧めています。つまり、市販の加工フードから手作りフードにシフトするということですね。
通常のタイプの治療法に加えてペット薬草療法を導入することは、動物の心身の健康に良い影響を与えるでしょう。ペット薬草療法を始めたら、きっとすぐにその効果に気付くはずです。
このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。