犬の感染症:犬ジステンパーについて知りましょう

犬ジステンバーはウイルスに感染した水や食べ物によっても伝染することがあります。つまり、ペットのエサ皿を知らない犬と共有するのはとても危険で避けるべきことなのです。
犬の感染症:犬ジステンパーについて知りましょう

最後の更新: 05 1月, 2019

犬ジステンパーは犬にとって最もよくある健康問題の一つです。人間に移ることはありませんが、犬同士での感染リスクは高く、致死率も高い病気です。

ジステンパー病原体の伝播は、不健康な環境での動物の放棄に関連しています。人口過剰によってさらに子犬達が路上で生まれることとなり、ウイルスに感染するリスクをあげているのです。子犬達は犬ジステンパーに罹りやすく、また伝染させやすいでしょう。

そのため、捨て犬の里親になることに決めたなら、スケジュールに沿ってワクチン接種と駆虫を怠らないことです。愛犬の免疫系を強く保つことが愛犬の体を健康に保つことになるのです。

 

犬ジステンパーって何?

犬ジステンバーは消化器系や呼吸器官に影響を与える、進行の早い命に関わる感染症です。もっとも深刻なケースでは、中央神経系や神経細胞にも影響を与えます。

元気のない犬

犬ジステンバー病はパラミクソウイルス科モルビリウイルス属に属するウイルスによって引き起こされる感染症です。このウイルスは人間の麻疹を引き起こすウイルスにとてもよく似ています。耐久性があり、活動を開始するまで自らをカプセル化することで生存期間を延ばし、厳しい条件下でも生き残るのです。

犬ジステンバーウイルスはその耐久性から世界中に広がっており、世界中の獣医を悩ませています。犬ジステンバーに罹る可能性は犬種、年齢、大きさに関わらずあらゆる犬にありますが、特に子犬が罹ることが多いでしょう。

 

犬ジステンパーの感染

子犬の体は免疫系がまだ完成されていないため、よりウイルスに攻撃されやすいでしょう。子犬の体は外部の世界に存在する数え切れない微生物に対応する準備が整っていません。さらに、成長過程の激しい細胞活動がウイルスの複製を促してしまうのです。

老犬や免疫不全の犬もまた、犬ジステンバーやその他のウイルスに攻撃されやすいでしょう。症状や深刻になりやすく、急激に健康を害するでしょう。

パラミクソウイルスは、野生のイヌ科の動物にも影響を及ぼします。狼、コヨーテ、ジャッカル、キツネ、ディンゴ(”オーストラリアの山犬”)などです。ごく稀にですが、カワウソ、イタチ、アライグマがこのウイルスに侵されることもあります。

こちらもお読みください『老犬によく見られる病気

 

死に至る確率の高い病気、犬ジステンパー

犬ジステンバーはその致死率と進行の速さから、特に注意すべき病気だと考えられています。実際、犬ジステンバーに罹った犬の90%は命を落としています。また、病気に打ち勝った場合でも、その後神経系に深刻な後遺症を残すことが多いようです。

犬ジステンパーの症状

ジステンパーウイルスの潜伏期間は12〜20日間です。通常、犬ジステンバーの最初の症状は目や鼻の周りの分泌物でしょう。

  • 疲れ、無気力、睡眠量が異常に多くなる
  • 食欲減退
  • 下痢、嘔吐
  • 足の肉球が分厚くなる
  • 呼吸がしづらい、息が荒い

上記に引き続き、犬ジステンバーに感染した犬は栄養失調、脱水、拒食症などに苦し出すこととなる場合があります。深刻な段階になると、ジステンパーウイルスが神経系に到達し、痙攣、麻痺、ひきつけを引き起こします。

 

犬ジステンパーの感染経路

犬ジステンバーの伝染は直接的で、 ウイルスは主に空気感染します。言い換えると、呼吸により空気中の病原体を接種するのです。

犬ジステンバーはウイルスに感染した水や食べ物によっても伝染することがあります。つまり、ペットのエサ皿を知らない犬と共有するなどはとても危険で避けるべきことなのです。動物はそれぞれ自分のエサ皿、水皿を持っているべきなのです。

 

犬ジステンパーの治療法はある?

犬の体内からパラミクソウイルスを除去する特定の薬剤はありません。通常、細菌感染や真菌感染よりウイルス感染を治療する方がずっと困難でしょう。

白と黒の犬 犬ジステンバー

Source: Hugo A. Quintero G.

犬ジステンパーの典型的な治療法は、症状を和らげ、二次感染を予防し疫力に影響を及ぼします。

犬ジステンパーに罹ってしまった犬の回復には、早期発見が鍵となります。そのため、愛犬の行動や体に変化が見られたらすぐに獣医に診てもらうことが大切でしょう。

 

犬ジステンパーを予防する方法

飼い主の責任として、犬ジステンパーを予防するのは必須です。愛犬のワクチン接種スケジュールを守り、定期的な駆虫を行うことが犬の健康を守るためには不可欠であり、病気の予防策なのです。また、犬だけでなく全ての動物に言えることですが、バランスの良い食事を取り、十分に体を動かして活動することも大切でしょう。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。