カメとリクガメの鼻炎とその治療法:知っておきたいこと

2019年10月30日
上気道の炎症である鼻炎は、カメにとっては伝染する病気です。そのため、複数のカメを同じテラリウムに飼っている場合は注意が必要です。

カメとリクガメ(記事の脚注を参照)の気道はとても繊細なため、特に水生種は鼻炎によくかかります。本記事ではカメとリクガメの鼻炎について、そしてその治療法をご紹介します。

カメとリクガメの鼻炎:知っておきたいこと

鼻炎とは上気道の炎症を指します。ペットのカメが鼻炎になると、鼻の穴に多くの分泌物が見えるはずです。また、大きな呼吸音や食欲不振にも気が付くかもしれません。さらに、鼻に鼻ちょうちんのような泡、衰弱、お口の天井(硬口蓋)にある白い斑点なども現れることがあります。

ウミガメが鼻炎になった場合では、まるでバランスを失ったかのように横向きに浮くという症状が見られることがあります。これは、2つの肺のうち、1つに十分な酸素が行き届いていないため、しっかりと広がっていないことから起きます。

一般的に、鼻炎になりやすいのはチチュウカイリクガメ属のギリシャリクガメ、ヘルマンリクガメ、イカタ、ヒョウモンガメ、フチゾリリクガメ、チチュウカイイシガメ、チリシスリクガメ、ヨツユビリクガメ、ヨーロッパヌマガメです。

残念なことに、カメとリクガメにとって鼻炎とは伝染性です。そのため、1つのテラリウムに複数のカメを飼っている場合は注意が必要です。体内に入ったウイルスや細菌と闘うため、カメの免疫系は優れた状態でなければいけません。

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カメが鼻炎になる理由とは?

カメやリクガメが鼻炎になる理由には食事、環境、バクテリア、低下した免疫力、ウイルスなどさまざまなものが挙げられます。また、カメにとっては珍しくない病気であるヘルペスウイルスが引き金になっているカメも多くいます。また、肺炎、口内炎、そして敗血症から鼻炎になる場合もあります。

過剰な分泌液が認められる場合、鼻や口に草やその他のものが入った、あるいは水中に存在する微生物によって引き起こされる感染が原因の可能性があります。この他にも、鼻炎を引き起こす原因には次のようなものがあります。

  • 温度の変化(抵抗力を下げるため)
  • 過密飼育(1つの水槽内にカメを飼い過ぎている)
  • ストレス(水槽の変化、引っ越し、他の動物の存在、過密飼育)
  • 湿度(リクガメの場合は湿度の高い場所やその近くにいる)
  • 環境汚染(清潔でないテラリウムは多くの真菌や細菌にとって絶好の場所)
  • 1箇所に異なる種を飼っている(ある種には無害な細菌でも、他の種には致命的な場合も)

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カメの鼻炎の治療法

まずは動物病院に連れて行き、定期健診を行い病気の可能性を排除することが重要です。状況が悪化し慢性化してしまう可能性があるため、異変に気が付いた場合は直ぐに獣医に診てもらいましょう。

カメは、鼻炎になっても初期症状が現れないことがあることを覚えておきましょう。しかし、初期症状はなくても他のカメに細菌が感染することがあります。適切な治療を行わない場合、急性または慢性の肺炎を引き起こす可能性もあります。

治療法

鼻炎にはあらゆる治療法があります。獣医は分泌物を採取し検査を行うことで、どの細菌またはウイルスが鼻炎の原因になっているかを突き止めることができます。この結果に基づいて、粘液溶解剤または流動化剤を経口あるいは注射のいずれかで与えます。また、抗生物質、鼻洗浄液、口の消毒剤などを処方することもあります。

カメのテラリウム カメ リクガメ 鼻炎 

症状が酷い、あるいは1つのテラリウムで何匹ものカメを飼っているのであれば、小さな部屋に隔離することをおすすめします。室温は25~32度に保ち、強い照明を用意しましょう。

いずれにしても、カメが空腹でなくてもしっかりと水分と食べものを与えるように努力する必要があります。ペットのカメが好きな物を選び、それを口元に置いてあげましょう。

最後に、中には吸入薬の使用を勧める獣医もいます。これはテラリウムの空気ポンプ、カメが吸い込むのに必要な液体の入った容器、そして排出管で作られます。カメは通常小さな空間に飼育されているため、薬の入った容器はしばしばテラリウムの底に使われる格子の下に配置されます。

注:本記事では、鼻炎は両方の種に起こるため、カメとリクガメという用語を交互に使用しています。しっかりと2種を区別するためには次の記事をご覧ください。

https://www.britannica.com/story/whats-the-difference-between-a-turtle-and-a-tortoise

Glazebrook, J. S., Campbell, R. S. F., & Thomas, A. T. (1993). Studies on an ulcerative stomatitis-obstructive rhinitis-pneumonia disease complex in hatchling and juvenile sea turtles Chelonia mydas and Caretta caretta. Diseases of Aquatic Organisms. https://doi.org/10.3354/dao016133