犬とテレビの関係性
テレビ周りで時間を過ごすことが多い犬たちの場合、いつの間にかテレビを見ることが習慣になってしまっている、ということはよくあります。もし他の犬が画面に映っていたりすれば、何時間も見続けることだってあるのです。
ただの偶然というわけではなく、実際に犬たちは、テレビの中であっても他の犬を認識できるという調査結果もあります。彼らの最も発達した器官である嗅覚を使わなくても、画面から聞こえる遊ぶ音、吠える音、呼吸の音などだけで判断ができるようなのです。
また、テレビに興味を示すかどうかの性格にも左右されるため、全ての犬がそうというわけではないですが、犬だけでなく、他の種の動物さえも認識できてしまうこともあるようです。
犬用チャンネル
最近になって、DOGTVと呼ばれるなんと「犬用チャンネル」が現れました。犬たちがサーフィンをしたり、楽しそうに山の中を走り回るような映像が流されるのです。
「犬用チャンネル」と銘打つだけあって、犬たちの目により魅力的に映るように、映像の色彩調節が行なわれています。犬の色覚は黄色と青の2つだけだからです。また、犬たちは人間よりも映像や画像を素早く読み取ることができるため、人間が見るテレビよりも速く動くようにされています。
DOGTVは家でのひとりの時間が多い犬たちのために開発されました。飼い主が居なくてもひとりであることをあまり感じなくて済みますし、何より楽しめるのです。
速い映像
われわれが普段見ている動画や映像は、連続した静止画を高速で流すことでまるで動いているように見せているだけなのです。しかし犬たちにとって、この方法は何の意味も持ちません。
犬や猫は人間に比べてはるかに鋭い感覚をもっており、われわれでは気付けない速度の動きでさえ捉えることができます。
故に、犬たちに画像ではなく映像として認識してもらうためには、より速いスピードである必要があるのです。ペットたちの脳は少なくとも75Hz以上のフリークエンシでないと、ただの連続した画像であると認識してしまうため、人間が普段見る50Hzの映像を見せても、すぐに退屈してしまうでしょう。そこでDOGTVは、犬が最も興味を示す120Hzから240Hzの間の周波数で映像を作っているのです。
また、テレビがある場所も重要です。あまりに高い位置に置かれて、興味は示しても画面がよく見えなかったり、不快な体勢をとらなければ見えないようであれば、すぐに見るのを止めてしまいます。犬の高さ、もしくは犬がソファや椅子に座って丁度良い角度に来られる位置に置いてあげましょう。
ただ周波数が気に入っただけで、音や内容はどうでも良かったりするかもしれません。少なくとも、自然や他の犬を映した映像が「人気番組」だということは分かっています。
色覚
犬たちは色覚を持たず白黒でしかものを見られない…というのは全くもって事実ではありません。人間が赤・青・黄の3色をベースにしてものを見るのに対して犬たちは青・黄の2色だけをベースにしており、単純に「見え方」が違うだけなのです。
アメリカのサンディエゴから発足したDOGTVは、その後アメリカ中やヨーロッパにまで進出した、人間のパートナーである犬をターゲットに、色々なことに興味を持たせたり癒すことを目的とした、「犬用チャンネル」なのです。
DOGTVは家にひとりでいる時間の長い犬たちのことを想って作られているため、広告なしで、24時間常に放送されているのです。
このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。