犬のアナフィラキシーにご注意を

その症状は突然現れるため、アナフィラキシー反応が見られた際には、直ちに効果的な対処が出来るようにしておく必要があります。
犬のアナフィラキシーにご注意を

最後の更新: 22 5月, 2018

犬のアナフィラキシーは急性かつ全身性の免疫反応で、それは突然起こります。これは極めて致命的で症状の酷いアレルギー反応のようなものです。基本的には、血中の物質や仲介細胞が放出されている状態と言えるでしょう。

すると、心臓や呼吸器系の機能に影響し、最悪の場合発作に陥る危険性もあります。
アナフィラキシーは突然起こるので、当然効果的に治療する為には素早い対応が必要となります。ということで、この記事では愛犬にアナフィラキシーが発症した際に、どうやって判断するか、またどうしたら良いかを見ていきましょう。

犬に起こるアナフィラキシーの症状

犬のアナフィラキシーは、人間のものとは違うのはもちろん、犬同士でも異なる場合があります。昏睡状態になる犬もいれば、活動過多になったり、イライラしたり、不安になったりする犬もおり、様々な形の行動的変化をもたらします。

しかも、犬のアナフィラキシーは発症したら、早期に対処しないと危険な状態になりやすい傾向にあります。しかし、実際は昏睡状態になってから動物病院に運ばれるケースが多く、これでは治療が難しくなります。最悪の場合、愛犬がそのまま倒れて息を引き取る可能性もあるのです。

飼い主と一緒に寝る犬

なので、以下のような症状が現れたらすぐに動物病院に連れていかなければなりません。

  • 嘔吐や下痢
  • 痒み、もしくは極度の痒みを伴う蕁麻疹
  • 排便、排尿の制御ができていない。我慢ができずに突然排泄したりなど。
  • 主に虫刺されなどによる体液貯留とむくみ
  • 過多の唾液分泌。犬が常によだれを垂らしている。
  • 息切れ
  • 歯茎が青くなり、粘膜を貼る
  • 無関心や無気力。これは脈拍が低くなって起こることがあります。
  • 活動過多。ほとんどの場合頻脈を伴います。
  • 痙攣、こむら返り、四肢が冷たくなっている
  • 意識不明。昏睡状態。

犬がアナフィラキシーを発症させる要因

症状と同じく、アナフィラキシーを引き起こす要因も犬によって様々です。しかし、特によくある原因としては、

アナフィラキシーのリスクとなる要因

アレルギーがあると診断された犬ほど、アナフィラキシーを発症しやすい傾向にあります。特に複数の物にアレルギー反応を起こす犬は要注意です。
しかし、アレルギーと診断されていない犬でも、アレルギー源に接触していれば当然アナフィラキシーを発症させてしまいかねません。
加えて、循環器系の病気や白皮症もアナフィラキシーを引き起こす要因であると専門家は指摘しています。

犬のアナフィラキシーの治療

犬がアナフィラキシーになったら、早期かつ忍耐強い治療が必要となります。この時、静脈注射や抗ヒスタミン剤、炎症を抑えるための抗炎症に聞く薬などを投薬されることが多いですが、しかし、これらの治療の効果は動物が病院に運ばれてきた時の状態に依るところが大きいのです。

診察される犬
ですので、もしペットにアナフィラキシーの症状を確認したら、直ぐに獣医師に連絡をとってください。

犬のアナフィラキシー:防ぐことはできるの?

犬のアナフィラキシーの予防策の一つは、発症要因となる物との接触を避ける、もしくは接触をコントロールすることです。もし家に、たくさんの虫がいるエリアがあるのであれば、犬が耐えられる防虫剤・殺虫剤などを用いて対処した方が良いかもしれません。

色々な商用・自家製の予防薬もあるのにはあるのですが、獣医師に相談せずにそれらを試すのはお勧めできません。

また、もし愛犬がアレルギーテストを受けていないのであれば、そのことも医師に伝えましょう。特に餌が変わって、行動や体に異変が見受けられた際には、これは大切な情報です。

一方、循環器系の問題はほとんどの場合、健康的な生活に改善することで予防できます。つまり、バランスのとれた食事、日々の運動、ワクチン摂取、駆虫、特定の習性を直させる等が有効ということです。

もし愛犬が循環器系の機能障害と診断されたら、長期間、もしかしたら生涯ずっと投薬治療を行うことになるかもしれません。

これに加えて、家の中を整理整頓し、犬にとって有毒に思われるものは手の届かない所に置くようにしておきましょう。これは洗剤や化粧品、薬や劇薬等も含みます。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。