犬や猫のための避妊薬についてのすべて!

まず、犬や猫に避妊薬を使用する大きな利点は野良犬や野良猫の過剰な数をコントロールできるということです。
犬や猫のための避妊薬についてのすべて!

最後の更新: 16 1月, 2019

犬や猫のための避妊薬の使用は現代獣医学では頻繁に議題に上ります。現在、ピルや注射などがその方法としてありますがその効果は飼い主や獣医の間で物議を醸しています。

今回はそんな避妊薬の使用や使用する時の注意などをご紹介します。

犬や猫のための避妊薬の仕組み

雌犬や雌猫に使われる避妊薬の効果は人間の女性用避妊薬の効果とほぼ同じです。けれど、避妊薬は100%効果的ではないので一時的な避妊方法として見られています。

避妊薬には高い濃度のプロゲステロンが成分として入っており、プロゲステロンが雌のエストロゲンの分泌を抑えることによって、性交の際に起こる排卵と受精を防ぎます。

また、避妊薬はピルや注射という形で入手できます。

避妊薬の注意点

適切な投与量を雌が受けることが保証されるので、大抵注射方法の方がおすすめされています。そして、動物が口から出したり吐いてしまう可能性があるので、ピルはあまり信頼性がありません。

犬や猫に避妊薬を与える時に注意したいこと

犬や猫にピルや注射を与える前に、まず避妊薬のメリットやデメリットを知っておかなければなりません。ここからは、避妊薬使用のメリット・デメリットについて詳しくご紹介します。

まず、犬や猫に避妊薬を使用する大きな利点は野良犬や野良猫の過剰な数をコントロールできるということです。それと同時に、無責任な飼い主や望まれていないブリーディングによって起こる動物放棄も減らせます。さらに、避妊薬は手術を受けられない雌にすすめられている、非侵襲的な避妊方法です。

避妊薬のデメリットとしては、長い期間の使用は犬や猫の健康にとって危険だというのがあります。避妊薬を長い間使う事によって、以下のような副作用が出てくるかもしれません。

避妊薬の副作用

いくつかの研究では、2年以上避妊薬を使用した雌はこのような疾患にかかる可能性が高くなることがわかっています。

  • 乳腺腫瘍
  • 子宮がん
  • 子宮の病気(特に子宮内膜症や子宮蓄膿症)
  • 尿路感染症
  • 生殖器の萎縮
  • 骨髄細胞の低生産
  • 避妊薬の乱用によって持続性の出血や、出血多量を起こしてしまう雌もいます。
  • もう一つのデメリットは、避妊薬は100%効果的ではないということです。ですから、妊娠を予防できるという保証がないままペットの命を危険にさらしてしまうというリスクが伴います。

責任を持ったブリーディングと不妊手術のメリット

去勢手術または不妊手術は全身麻酔を使って、生殖器を切除して取り除く手術です。雌は、卵巣と子宮が切除され、雄は睾丸が切除されるので、絶対に妊娠を防ぐ唯一の方法がこの去勢手術なのです。

雌の去勢手術をすることは次のようなメリットがあります。

  • 腫瘍や形成不全症、てんかん、血友病、性病などの病気の防いだり、リスクを減らします。
  • 行動障害、特にペットが防御的な攻撃行動をしたり、暑い場所からすぐ出ていこうとする場合、そういった行動を改善させたり防いだりします。
  • 動物放棄や、過剰に野良犬や野良猫の数が増えるのを防ぎます。
  • 暑い環境の中で起こる雌のホルモンの異常な変化が止まります。
  • 去勢された雄や雌はもっと優しくなったり社交的になるので、一緒に住んでいる人や動物にとってもっと快適に暮らしやすくなります。
  • 去勢された動物はもっと従順で不安になりにくいので、しつけやすくなったり、社会化を受け入れやすくなります。
妊娠している猫 避妊薬

妊娠を防ぐ方法

多くの飼い主たちは、雌のペットが妊娠するのを防ぎたい反面、すぐに去勢手術を受けさせられなかったり、避妊薬を使いたがらなかったりします。そういった場合、どうすればペットの妊娠を防げるのでしょうか?

こういった場合、雌を繁殖力のある雄と一緒に住ませたり接触させてはいけません。もっと家の中にいさせたり、リードなしで散歩するのはやめたり、暑い中散歩に連れて行く時間を減らしましょう。

また、雄犬が近くにいる時には雌が逃げないようにしたり、リードをちゃんと使うことも大切です。もし同じ屋根の下で雄を飼っている場合、雌犬が暖かい環境にいる時は絶対に二匹を離しておかなければなりません。

けれどこれらの予防方法はあくまでも対策であり、100%効果的という事ではありません。ただ、雄に接触させないことによって雌が性交することを防ごうという考えなのです。

さらに忘れてはいけないのが、専門家に相談せずにこれらの薬を使ってはいけないということです。犬や猫に避妊薬を使う場合は、信頼する獣医に必ず相談しましょう。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。