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飛ばない鳥:キーウィについて

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数千年もの間、この土地には地上性の哺乳類がおらず、空には捕食者がいました。そのため、この種は地上のみで生活するように進化を遂げました。
飛ばない鳥:キーウィについて
最後の更新: 24 3月, 2019

オセアニアの特異な動物についてはこれまで多くの人が述べてきました。その特殊な動物のひとつがキーウィで、この飛ばない鳥の羽毛はまるで毛皮のようになっています。さらにこの生物にはひげがあり、尾がなく細長いくちばしの先端には鼻の穴が付いています。

ニュージーランドの国鳥

キウイと聞くとフルーツの方を思い浮かべるかもしれませんが、この飛ばない鳥はニュージーランドの国鳥に指定されています。

キーウィはこの国の固有種で、数千年にわたって生き延びてきました。意外なことに、いくつかの研究結果では、この小さな鳥は絶滅したマダガスカルの巨鳥、エピオルニスに近い種であるという結果が出ています。

島に人類が到達するまではコウモリを除いた哺乳類が存在しなかったこと、また他の地域から孤立した地理的条件によって、キーウィのこのような変わった特質が育まれたのかもしれません。数千年の長きに渡って、キーウィは捕食者のいない地上での生活に適応してきました。

ニュージーランドの国鳥とされている、飛ばない鳥、キーウィに会おう

哺乳類ではないけれど

キーウィ科の学名はApterygidaeといい、ラテン語で「翼のない」という意味です。キーウィは古顎類と呼ばれるグループに分類され、このグループにはそれぞれ大きさも羽根の色も異なる5種類の鳥が含まれます。これらの種では体高は25~45センチ、体重1.3~3.3キロくらいまでの幅があります。また、メスの方がオスより大きいのも特徴です。

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さらに、飛ばない鳥である平胸類に分類されるすべての種と同じく、キーウィの胸骨は平たくなっています。そのため、彼らは飛行を可能にするだけの筋肉組織が発達していません。よくキーウィには翼がないと思われていますが、翼はあります。ただしとても小さく、大きさは3センチほどで体からあまり離れておらず目立たないため、ひと目で気付くのは難しいでしょう。

その一方で、キーウィの脚は非常に強く筋肉質で、全体重の3分の1を占めます。空を飛ぶ鳥のように骨を軽くする必要がなく、キーウィの骨には骨髄があります。さらに4本の鉤爪があり、たいへん速く走ることができます。

他にもこの脚は戦いや身を守る際に強力な武器となります。キウイは臆病で弱い鳥だと勘違いされることもありますが、実際は縄張り意識が強く攻撃的です。

飛ばない鳥、キーウィのさらに詳しい生態

もうひとつの変わった性質はその体温です。キーウィの体温はほとんどの鳥類よりは低く、むしろ哺乳類に近くおよそ37度から8度までの間で変動します。

夜行性であるためか、キーウィの感覚はほぼ嗅覚と猫のような敏感なひげに依存しています。このひげはくちばしの根元周囲から生えています。ほとんどの鳥類では視覚が優位ですが、奇妙なことに、キーウィの場合はこのひげによって暗闇の中でも活動が可能なようです。

その他にも、この鳥は非常に発達した聴覚をもち、耳の穴が見えやすくなっています。キーウィのふさふさした外見は、羽根の繊維が少ないためです。

また、羽毛にあるさまざまな模様は周囲の環境に溶け込んで身を隠すのに役立ち、空から来る捕食者に見つかりにくくなっています。

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大きな卵を産む、一夫一妻の鳥

この鳥は出産と子育てに関しても、変わった習性をもっています。ほとんどの鳥類で卵巣はひとつですが、キーウィにはふたつあります。キーウィのメスは通常巨大なをひとつ、最大でふたつ産みます。これらの卵は親鳥の体の実に20%もの大きさがあります。

羽根の生えたヒナが孵化するまでの間、オスは普通10週間ほど卵を温めます。卵から孵ったヒナはすでに一羽で生きていくすべを知っています。生後一週間のうちには巣を離れ、親鳥はヒナにときおりエサを与えるのみです。これは卵の中にヒナにとって必要な栄養がすでに含まれていたためです。

キーウィは単婚、つまり夫婦が一生添い遂げます。強力なツメで穴を掘り、そこに巣を作ります。

住処と食性

キーウィの生息地にはいくつかのタイプがあります。雪を被った山、海岸の砂丘、苔に覆われた森、草原といったさまざまな環境で生活することができます。これらのどれを訪れても、夜になればキウイの歌を聞くことができるでしょう。

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キーウィは普通、日中には見つかりません。それは彼らが空にいる捕食者から隠れるからではなく、夜になればエサとなる地中の無脊椎動物が、より地表に近いところまで出てくるためです。

キーウィは雑食性で幼虫、ベリー類、植物の種、葉っぱ、昆虫などを何でも食べます。

絶滅の危機にあるキーウィ

キーウィの寿命はおよそ10年から15年です。現在彼らは絶滅の危機に瀕していますが、幸いなことに、保護区の指定が急速に進んでいます。

人間が島に住み着いて外来の哺乳類を導入したために、キーウィの捕食者が増えてしまいました。今ではタカやワシのほかにもネコやフェレット、イヌなどがいます。生息地における環境破壊もキーウィの生存を脅かしています。

外来の捕食者が取り除かれている地区では、生まれたヒナの半数が生き延びます。一方でこの地区の外では95%の個体が繁殖年齢に達する前に死亡してしまいます。

このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。