ペットの安楽死について
安楽死は獣医師によって勧められることのある、いわば犬たちを「永遠に」眠らせてあげる行為です。ほとんどの飼い主にとってすれば、もっとも痛ましい瞬間でしょう。また、安楽死に至る主な理由は、加齢などを原因とする重い病気であることが多いです。
感情的クライシス
病気だったり高齢である犬の飼い主は、安楽死させることにとても深い悲しみや罪悪感を覚えることでしょう。
本当に眠らせてあげるべきか? ペットは苦しむか? 「その時」は自分は一緒にいた方が良いのか? 終わった後はペットを引き取れるのか? どうすればペットの死を乗り越えられるか? といった質問がとても多いようです。
重要なポイント
まず覚えておいて欲しいことは、獣医師が安楽死を提案するということはつまり、既にそのペットが苦しんでおり、すぐにでも亡くなってしまう可能性があるからです。
病気や、加齢による運動能力の低下は、ペットのQOLを著しく低下させます。(歩くことができない、体のどこかに酷く強い痛みを抱えている、目が見えない、耳が聞こえない、など)
安楽死の目的は、ペットをこれ以上苦しませないというところにあります。例えそれが難しく、辛い判断だったとしても、罪の意識を抱く必要はありませんよ。
安楽死をさせるときにペットは苦しむか
安楽死とは文字通りの意味であり、これ以上の苦痛を犬たちが味わわなくてもいいようにと存在している手段です。
そのため、安楽死の実行中にペットが苦しむということはありません。普段と同じように眠ったと同時に、刺された痛みさえも感じない注射器を用いて、安楽死用の薬品を注入するのです。
飼い主の同席
飼い主にとってはさぞ辛いでしょうが、最期の最後まで付き添ってあげて、「独り」にさせないことが重要です。苦痛を味わうことはなくても、動物病院という不慣れな場所で、緊張してしまうからです。
ペットを大人しくさせる、安心させることがここでは飼い主の役割となるでしょう。安楽死させられるとは分かっていなくても、もしかしたら傷つけられるのかもしれないと怖がることがあるからです。「独り」にしないためにも、最後まで一緒に居てあげましょう。
そしてペットの死を少しでも楽に乗り越えるために、最後を看取ったときにはしっかり別れを告げて、苦しまずに眠っていったことを見届けましょう。
その後
眠ったペットは引き取って、埋葬などしてちゃんと敬意を払いましょう。これだけでも、ペットロスになる危険性を大きく減らせます。火葬の手配をしてくれる動物病院もいくつかあり、依頼をすれば後に遺灰を飼い主に渡してくれます。大きな市役所・公会堂でも行なえるかもしれません。
ペットの死を乗り越える
ペットを飼い始めたことでその後16年生き延びたというような人たちも存在しています。それだけ、ペットの存在は私たちにとって大きいのです。
悲しみ、鬱状態、食欲の減退などはペットを亡くした人たちにとってはごく一般的な症状であり、大切な存在の死を乗り越えようとしている証拠なのです。
また、「愛する者の死」への感じ方は、人それぞれです。立ち直るために必要になる時間も、人によって変わってくるでしょう。
このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。