古代文明における犬の役割とは?

犬は18,000年以上も前から人間の生活に深く関わっていると専門家は見解しています。古代文明の中で犬がどのような役割を果たしていたのかを見ていきましょう。
古代文明における犬の役割とは?

最後の更新: 31 3月, 2019

犬は人間のペットとして昔から飼われている、ということは皆さんご存知だと思います。ですが、驚くべきことに、古代文明においても犬は人間の側で重要な役割を果たしていたのです。犬は、18,000年以上も前から人間の生活に深く関わっていると専門家は見解しています。

 

古代文明における犬の役割とは

最初、人間は家を守る番犬として犬を使いました。のちに、犬は狩猟に使われたり、兵犬として戦争に連れて行かれるようになりました。防御、または攻撃目的で使われたのです。時にはメッセンジャーとして働くこともありました。

残念ながら、古代、犬がメッセンジャーとして使われていた時、犬は殺されるのが普通でした。メッセンジャーとしての任務は、メッセージが入った銅製の筒を飲み込んで運ぶことだったのです。そのメッセージを読むには、犬を殺してお腹から取り出すしかなかったのです。

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大昔から人間の側には常に犬がいたーどうしてそんなことがわかるのでしょうか?それを証明する遺跡や資料を幾つか挙げましょう。

  • ギョベクリ・テペ:トルコにあるこの遺跡からは12,000年以上前に遡る遺物が発見されています。人間に飼いならされている犬がすでに存在していることが発見されています。
  • ナトゥーフの墓:これもまた、時代は12,000年前に遡る、イスラエルで発見されたお墓です。内部には子犬と一緒に埋められた年老いた男性の遺骨が考古学者によって発見されています。
  • ギルガメッシュの叙事詩:紀元前2000〜2500年前に作られたくさび形文字の平板で、女神イナンナが所有する7匹の狩猟犬について述べられています。
  • イナンナの降下:とても有名な文章で、夫ドゥムジに会うために地獄に下りる女神のはっきりとした現れています。ドゥムジは妻が来るのをペットの犬と一緒に待っています。
  • マハーバーラタ:犬と共に旅に出たユディシュティラ王の話を伝える神話的文章です。王は犬が大好きだったため、天国への入り口で犬が天国に入るのを拒否された時、王自身も愛犬と共に地上に留まることに決めたとされています。

エジプト文明に見る犬の役割

古代エジプトでは、犬は神アヌビスに関係していました。この神は冥土の神で死者の魂に最終的な評価をもたらすとされていました。アヌビスの寺院ではこれらの犬の埋葬がきちんと準備して行われました。このセレモニーは、死後の世界に犬がより行きやすくするために行われていました。また、犬に対しての愛の現れでもあったのです。

古代文明において、犬は大変重要な役割を果たしていた、ということは考古学者によって発見されています。例えば、エジプトでは犬が死ぬと、まるで家族の一員かのようにミイラ化されました。

ラムセス2世のお墓には、王と彼の狩猟犬が共にいる様子を描いた壁画が残されています。また、主人が亡くなると犬たちもたくさん一緒に埋められていたという証拠もあります。死後の世界も主人と共にいられるようにするためです。

古代エジプトでは、犬に与えらえた名前は愛情や能力を表すものでした。犬が人間にとってどれほど重要であったかがよくわかりますね。犬につける名前の中には、勇気、信頼、良き羊飼い、といった意味のものもあったということです。

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エジプトで犬は重要な役割を果たしていましたが、ギリシャやローマでもまた重要な存在でした。古代ギリシャや古代ローマにおける犬とは、宗教と神話のシンボルだったのです。実際、ギリシャ神話では、頭が3つある犬が地獄の門を守っているとされています。

犬は人間の親友とも言える存在です。この言葉は聞いたことがある人もいるでしょう。古代文明の中での犬の役割を考えると、まさにそうと言えるかもしれませんね。


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