実際にあった盲導犬と盲犬の話

実際にあった盲導犬と盲犬の話

最後の更新: 05 6月, 2018

より良い生活を送ってもらうために、その生涯を賭して 飼い主の 手助けを行なう補助犬たちはとても素晴らしい存在ですよね。ソーシャルメディアが普及した昨今ではその「英雄的」行為が注目されて補助犬自身が有名になる、ということは多いです。しかし一方で、称賛に値するほどの行ないをしながらもまだ世間に知られていない犬たちというのも、またたくさんいるのです。今回はその中から、ある盲犬と盲導犬のお話をご紹介しましょう。

助けられた盲犬

生まれつき目が見えず、また癲癇も持っていたゴールデンレトリーバーのタナーはオクラホマのウッドランド・ウェスト動物病院に入れられましたが、明るい未来を送れる希望はほとんど持たれていませんでした。

2才の時点で既に2つの家族からその飼育を諦められ、視覚のハンディキャップも背負いながら発作に毎夜襲われるタナーを見て医師は、これ以上彼を苦しませたくない、安楽死させてあげよう、と考えていたのです。

そんな時病院に、ブレアという名前のラブラドールレトリーバーが運ばれてきました。銃弾による大怪我を負った状態で、道端で生活していたところを保護されたのでした。小刻みに震える体が、彼女が感じていた恐怖を物語っていました。

病院で出会っただけのこの2匹が後にまさか親しくなるなどとは誰も予想していませんでしたが、治療中も共に時間を過ごし2匹はますます仲良くなり、するとタナーの容態はどんどん良くなっていったのでした。

偶然生まれた盲導犬

誰も訓練はしていません。ただある時を境に、ブレアがまるで当然のように、タナーのリードを引っ張って誘導し始めたのでした。また過度に臆病であったブレアは、タナーが相手であれば不安を感じることはほとんどなくなっていました。

それからというもの、タナーは発作を起こさなくなり、ブレアは人間を怖がりにくくなっていったと、病院の関係者は言います。そして、この美しい友情劇を聞いて駆けつけたメディアによって報道されたことによって、里親になりたいという人たちが名乗りを上げ始めたのです。

病院側は、タナーとブレアは必ず同じ場所で飼われなければならないという条件を付けて里親を選び、その結果数か月後、2匹はオクラホマ州タルサ郡の小さな町ジェンクスにいる家族のもとで飼われることになりました。そこで彼らは、新しい飼い主と新しいお友だちルーイと共に、幸せに生活しているそうです。

その他にも、補助犬が人の命を救った感動の実話は数多くあります。2001年、コロンビア出身のエンジニア、オマル・エデュアルド・リヴェラさんはツインタワーの71階で働いていました。そしてあの事件が起こった時、彼の盲導犬ソルティーが、階段を下りるなどビルから出るための手助けをし、リヴェラさんたちの命を救ったのです。

ポート・オーソリティテクノロジー関係の仕事をしていた彼は、その日の重要なミーティングに必要な資料を準備するために、ソルティーを連れて早めに会社に着いていました。

すると、「なんでこんなところで飛行機が飛んでるんだ?」と誰かが叫ぶ声がし、直後凄まじい衝撃と轟音が響いたと言います。ビルは揺れ、皆がパニックに陥った時、ソルティーが立ち上がりました。

混乱の最中で

煙とガソリンのにおいが充満し、人々が混乱・パニックしているときに、リヴェラさんは助けを求めて祈っていたそうです。

そんな飼い主やその周りの人たちを、ソルティーは見事道路まで導くことができました。途中彼の上司、ダンナ・エンライトさんが少しでも速く動けるようにとリードを外してあげようとしましたが、落ち着けと言わんばかりに、ソルティーはそれを拒んだのでした。

画像出典元: www.abc.es


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