花火を怖がる犬への対処法

夏のイベントや年末などにはあちらこちらで花火大会があります。しかし、花火を怖がる犬ももちろん存在します。
花火を怖がる犬への対処法

最後の更新: 03 8月, 2018

子どもにとっては楽しい花火かもしれませんが、花火が怖い犬にとってはとても辛いイベントなのです。この記事では、花火を怖がる犬への対処法をご紹介していきます。

恐怖の仕組み

花火の音を怖がる犬のための克服法はありますが、克服するには時間を要し、何をすればいいかをしっかりと理解している人が不可欠です。花火で遊ぶ(または、花火大会の)数日前から、花火を乗り切るための一時的な方法を使い始めましょう。その方法はペットの安全性を確保し、花火の影響を最小限にとどめてくれるものでなくてはありません。

動物が恐怖を感じたとき、動物には逃げる、戦う、または降参するという3つの選択肢があります。犬の場合、まずは逃げることが最初の選択肢になります。しかし、他の状況では、たとえ花火が本当の敵でなくても戦おうとすることもあります。花火を怖がるほとんどの犬は、逃げて家に戻ろうとします。

隠れる子犬

家を犬にとっての「安全地帯」にする

犬の近くで花火が行われていると犬はパニックになることがあります。この場合、何よりも先に犬の安全を確保する必要があり、犬にとっては家が安心できる場所なのです。

バルコニーに行けないように通路を塞ぎ、窓を閉めます。花火を怖がる犬の話は毎年聞きますが、ときに犬は恐怖から窓から飛び降りて大けがをしたり、死亡してしまったりすることもあるのです。

庭がある家でしたら、フェンスの状態を調べてください。フェンスの下やフェンスの間に穴がある場合、犬はそこから逃げてしまう可能性があります。低いフェンスの場合なら飛び越えてしまうかもしれません。花火の日は庭に出さないという選択肢もあります。

花火を怖がる犬の場合、食べたりかじったりすると危険な物を近くに置かないようにしましょう。噛むことは犬にとってストレス解消法なんのです。何か噛みたそうにしていたら、毒性のない安全な物を用意してあげましょう。

花火が怖い犬のための「安心ゾーン」

花火が聞こえる間は犬が安心できる場所を家の中に作ることもできます。犬に害が起きないような部屋、または家の中の場所を選んであげましょう。そこを犬が恐怖を感じたら行ける「避難所」にしてあげるのです。そして、その「避難所」は次のことが当てはまる必要があります。

  • 24時間いつでもアクセスができる場所。もしバスタブに隠れるのが好きな犬なら、お風呂場へのドアはいつも開けておく必要があります。そして、その場所で犬が「避難」をしているときは、そこから無理やり連れだすようなことはしてはいけません。
  • 犬が「安心ゾーン」の場所を選んでいないようであれば、飼い主がその場所を選び、そこまで連れて行ってあげます。怖がり屋の犬の多くは既に家にお気に入りの場所を作っていますが、もし家の中をさまよって歩いている様子が見られたら、優しくその場所まで連れて行ってあげてください。
  • 外から遮断されている場所。窓は閉め、可能であればブラインドを下ろし、雨戸があれば閉めておきましょう。また、外からの音が入ってこない静かな場所であることを確認してください。
  • 犬が「避難所」にいるときは、そこから追い出してはいけません。「避難所」に自分から行く様子が見られたら、お水をあげ、(ハーハーと呼吸が荒くなっているのは怖がっている証拠です)優しく声掛けをしてあげましょう。その場所から無理やり追い出すようなことはもちろん、出てきなさいといったことも言ってはいけません。

お散歩コースを変える

犬とのお散歩中には、周りからどんな音が聞こえてくるか確認しましょう。そして、必要であればお散歩コースを変えます。また、お散歩の回数を減らしたり、時間を短くしたりするのもいいでしょう。1日の中で騒音が少ない時間帯を狙い、その時間帯にお散歩に行くようにしましょう。

飼い主の後ろに隠れる犬

たとえ長いお散歩でも、恐怖に怯えストレスフルなお散歩になってしまうのであれば、短くても落ち着いて行けるお散歩を選びましょう。お散歩の時間が短くなってしまったり、1日にお散歩に行く回数が減ってしまっても全く問題はありません。花火を怖がる犬は、お散歩中に出くわしてしまう大きな音を避けられることを喜ぶことでしょう。

ハーネスなどで固定する

怖がりの犬を外に連れて行く場合、動きを制限できる、または固定できるものが重要になってきます。ハーネスは通常の首輪より安全です。また、内側にツメが出ているプロングカラー(トレーニング用の首輪)は恐怖を余計に煽るだけなので使いません。

外で犬が身につける物はしっかりとメンテナンスができていることを確認してください。犬が大きな音を聞いて驚き、リーシュを引っ張ってしまうかもしれないのであれば、リーシュが切れたり、ハーネスのバックルが外れてしまうといったことがあってはいけません。犬は恐怖から走り出し、家に帰れなくなってしまうかもしれません。もし交通量の多い場所に家があるのであれば、犬の命さえ危険にさらしてしまうことになるのです。

ハーネスやリーシュを新しく購入するのに大金は必要でありません。新しいものを購入することで犬が迷子になることを避けられるかもしれないのです。

極端な場合

また、なかには恐怖心が非常に強い犬もいます。恐怖から麻痺を起こしてしまったり、嘔吐や食欲不振に陥ってしまう犬もいます。排泄が 数時間~数日に渡りなくなってしまう犬もいます。

このような極端な場合は獣医に診てもらいましょう。極度な怖がりの犬の場合は、数日間の間だけでも精神安定剤(鎮静剤ではありません)を処方しなくてはいけないこともあります。恐怖心を忘れられるわけではありませんが、花火というイベントは乗り切ることが出来ます。

花火という峠を越えたら、犬の専門家に診てもらい、どのように恐怖に立ち向かえばいいか評価してもらいましょう。これは必ず専門家の指導のもと行いましょう。極度な恐怖心は犬の健康に害を与えるため、次に花火大会がある時までには対処しておくことが重要です。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。