チンパンジーのお世話をする犬
今回紹介するお話の主人公は、1歳にして既に生死の境に立った経験のある子犬、プリンセスちゃんです。世界中で動物を救助することを仕事としているジェニーとジミーのデズモンド家に迎えられたプリンセスですが、なんとそこに、保護されたチンパンジーの孤児たちがやってきます。プリンセスは、赤ちゃんチンパンジーに対してどういう反応を示したのでしょうか?
プリンセスとチンパンジー
プリンセスが加わったデズモンド家は、ニューヨーク・ブラッド・センター(NYBC)に見捨てられたチンパンジーを助けるために、アフリカのリベリアまで引っ越します。まずリハビリを受けさせてから、その後群れと合流し一緒に暮らしていけるように自然に帰す予定であると、ジェニーは説明しています。
そのリハビリの過程でプリンセスは、赤ちゃんチンパンジーに彼女の愛情・友情を与え続け、落ち着かせていたのです。まるでチンパンジーたちが本来あるべき環境や仲間のもとに帰るための準備を、手助けしているようでした。もちろん、到底人間にできるようなことではありません。
なぜ孤児になってしまったのか
NYBCがリベリアでの研究に利用していた66匹のチンパンジーを放棄したことが主な原因です。1970年代にNYBCはリベリアの研究所とタッグを組んで生物医学の研究を始め、チンパンジーたちを交配させては、それらの個体を実験に利用していました。
当時は放棄するつもりなどなく、団体はチンパンジーたちを生涯通して面倒を見ようとしていたのですが、アフリカを舞台に起こったエボラパンデミックにによって資金援助が途絶えてしまいます。その結果、まともな食料や水も残っていない状態で、動物たちは見捨てられてしまったのです。そこで、それを助けるべくして、デズモンド氏を含めた保護団体やボランティアたちが駆けつけた、というわけなのです。
チンパンジー保護区
デズモンド氏はリベリアに、チンパンジーのための特別区域を作ろうと考えています。そこには、現地のチンパンジーたちの現状を、知らない人間に知ってもらおうという思い、そして人間とではなく、チンパンジーたちだけで生活を送っていって欲しいという願いが込められています。
これは、リベリアの森林管理団体などの支援が受けられるかによって実現できるかどうかは左右されてしまいますが、ただ一つ確実なのは、プリンセスがいるということです。プリンセスは、愛の大切さと第二の人(犬)生の歩み出し方を知っています。それによってどれだけのチンパンジーたちが救われたでしょうか。
種族を超えた動物たちの関係
誰かを助けを必要としているとき、相手が何で自分が何だろうが、助けるのが当然なのです。世界中には様々な形の、種族を超えた友情が存在しています。
- インドには、捨てられた子犬の面倒を見るアカゲザルがいます。
- 母親を亡くしたハリネズミの赤ちゃんたちにお乳をあげる猫もいるのです。
- 親友を亡くして鬱になりかけた犬に笑顔を取り戻させたのは、なんとアヒルでした。
- 子猫を育てるハスキーもいます。
また、人間の子供が犬や猫に助けられた、守ってもらったなどというニュースは、尽きることがありません。彼らの思いやりの精神は、人間が見習うべきほどに優れているものなのです。
画像出典元: www.ciudadviral.com
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