【耳の中の器官が病気になっちゃった?】ウサギの前庭疾患について
0 分
他の動物と同じように、ウサギも特定の病気に悩まされることがあります。今日は、ウサギの前庭疾患と飼い主が気を付けるべきことについてお話しします。
最後の更新: 03 9月, 2020
ふわふわの毛玉のように可愛らしいウサギは、ペットとしての人気がどんどん高まっています。しかし、ウサギもまた生き物であり、ケアが必要な特定の病気にかかってしまうこともあります。その一つが前庭疾患です。
これは非常に複雑な病気で、獣医さんが正しく診断するのが非常に困難な場合もあります。
ウサギの前庭疾患
これはウサギが最もかかりやすく、研究もたくさん行われている神経疾患の一つです。前庭とは耳の中にある器官で、バランスを保つ役割を果たしています。
この病気はイヌやネコなどの他の動物にも起こりえますが、ウサギに発症した場合イヌやネコの場合よりも少し複雑なのです。
ウサギの前庭疾患の症状
すでに触れたように、これはバランス感覚や体勢を司る耳の一部に影響するので、症状もそれに関わるものです。
原因によって、だんだんと症状が進むこともあれば急に進行することもあります。可能性のある原因はいくつもあるので、その症状もそれにより変わります。では、最もよくあるものを見ていきましょう。
- 斜頸:これがおそらく最もよくある症状でしょう。患部によって左右のどちらかに頭を傾けているのがわかります。
- バランス感覚の喪失:立ち上がりにくそうにしていたり、以前よりも転ぶことが増えたりしているのに気づくかもしれません。症状が進んでいる場合、立つことが完全に不可能になります。
- 歩行困難:まっすぐ歩くことができなくなったり、円を描くように歩くことがあります。
- 眼振:これもよくある症状で、無意識に繰り返し目が動いてしまいます。痙攣にちょっと似ていると言えるかもしれません。その結果、多くの場合視力が落ちたり奥行感覚が鈍くなったりします。
病気の原因
すでにお話ししたように、ウサギの前庭疾患には様々な原因と考えられるものが存在します。最もよくあるもの、最も重要なものをいくつか挙げました。
- エンセファリトゾーン・クニクリ:これはウサギによくいる寄生虫で、腎臓、目、神経系に問題を引き起こす恐れがあります。さらに、急性脳炎を引き起こすこともあり、これが前庭疾患の症状につながるのです。治療には抗炎症剤や好気性中薬が使われます。
- パスツレラ・ムルトシダ:これはウサギの循環器系疾患の発達に関わる細菌で、普通は深刻なものではないのですが、ときに耳にも移動して炎症を引き起こし、前庭疾患につながることがあります。治療には、強力な抗生剤が必要ですが、手術が必要な場合もあります。
- 脳の損傷:ウサギはとてもデリケートな動物で、特に怪我に対しては繊細ですので一見取るに足らないと思われた打撲や転倒から、深刻な怪我に苦しむことになるのも珍しくないのです。その怪我の程度や深刻さにもよりますが、脳の損傷の結果前庭疾患の症状がでることもあるのです。
- 腫瘍:異常な組織ができてしまうことも、可能性のある原因の一つです。こういった組織を発見するためには、レントゲン。CTスキャン、MRIなどの画像診断装置を使うことになります。
飼い主は何をすべき?
ご覧の通り、ウサギの前庭疾患にはいくつかの原因があるのですが、しっかりと回復するには早い段階で診断してもらう必要があります。ですので、ウサギの様子にいつもと違うところがあることに気づいたらすぐに、できるだけ早く獣医さんに連れていき検査をしてもらいましょう。
このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。