早食いする愛犬はどうやってコントロールしたらいい?
犬を飼っていらっしゃる方なら、愛犬がご飯をガツガツ早食いする姿を少なからず目にしてきたと思います。そうです、エサ皿が床に置かれるやいなや、これが最後の晩餐だとでも言わんばかりに、貪り尽くすあの行動です。もしかしたら中には、なぜ愛犬がこのような行動に及ぶのか理解に苦しむ人もいるかもしれません。この行動をコントロールするにはどうすれば良いのでしょうか?この記事で、ちょっとしたアドバイスをご提供いたします。
どうして犬はご飯を貪るの?
動物王国でも何度か述べてまいりましたが、犬はオオカミの子孫に当たります。オオカミのDNAは犬の深くに刻まれており、取り除くのは容易ではありません。そして食べ物への執着もそのDNAの一つです。ご存知の通りオオカミは野生動物ですので、「弱肉強食」の厳しい世界において食べ物への執着は生存本能なのです。
オオカミは獲物を狩ると、他の動物に食べ物を奪われないようにすぐにそれを食します。野生ですから、食べ物を取っておいても奪われるリスクが増えるだけですよね。これが執着心となり、残念ながら今日の犬にも受け継がれているのです。
確かにあなたは毎日同じ時間にエサを与えているでしょうから、家で飼われているワンちゃんがこのような行動を取る意味はありません。でも、おそらく理性でコントロールできないほど、深くDNAに刻み込まれている本能なのでしょう。
考えられる他の理由
もし、今まで食べ物への執着心が少なかった愛犬が突然取り憑かれたように執着しだしたのなら、もしかしたら別の理由が潜んでいるかもしれません。例えば、
- ストレス。ストレスは過食に繋がります。過去のトラウマや事故、引っ越し、新しいペットが家に来たなどが原因で、愛犬が大きなストレスを抱えている可能性もあります。
- 薬。コルチロイド系の薬の中には、緊張感を高める副作用が含まれているものもあります。この緊張感が食事に現れている可能性も考えられます。
- 病気。糖尿病などの病気によって、過食気味になる可能性があります。
愛犬がご飯を貪っている時の対処法
さて、これでご飯に執着しているのは自分の愛犬に限らず、犬全体にとって自然なことだという事がお分かり頂けたかと思います。しかし早食いは、肥満や下痢、胃の肥大化などの恐ろしい病気の引き金になりかねない行動です。従って、次はどうやってこれに対処していくかを考えてみましょう。
比較的簡単な対処法としては、以下のような方法があげられます。
- 運動。健康的な体作りは、食べ物への執着も減らします。つまり運動して、健康な心と体を作れば、食べ方も少しは落ち着いてくる、という寸法です。
- 食事を分ける。例えば食事が1日1回とかだったら「次の日は食事が無くなるかも」と心配になるかもしれません。これを解決する方法は、1回の食事を何回分かに分けて与えるというやり方です。かといって最終的な量を増やしてはダメですよ?同じ量を分けてあげるだけです。
- お皿を変える。もしご飯用のお皿が大きかったら、構造的に一口でペロリと食べてしまえます。お店に行くと、そういった食べ方ができないようなお皿がたくさんありますので、是非一度考えてみてください。
- 手でエサをあげる。上にあげた方法を試してみても変化が無いようなら、手で直接ご飯をあげるようにしてはどうでしょうか。エサを2、3切れ掴んでゆっくり手を差し出す…これを繰り返していると、数週間でゆっくり食べるということを学習するはずです。
「行動を変える」というのは、たくさんの辛抱と努力が必要な大作業になります。それなりの時間と労力は必要ですが、愛犬への愛情・思いやりの気持ちがあれば、絶対に解決の糸口は見つかるでしょう。