ようやく終わりを迎える毛皮産業:毛皮の使用は停止へ

2019年5月6日
毛皮産業においては、これまで膨大な数の動物が生きたまま皮を剥がれる苦しみを味わってきました。デンマークのような先進国においてさえも、年間1700万ものミンク皮が生産されています。

人類の歴史のごく初期から、毛皮は衣服として利用されてきました。時代が経つにつれ、毛皮から利益を得ようという人間の欲望は他に例のないほどの残酷さを発揮して、たくさんの動物の命を奪いました。物欲を満たし、贅沢をしたり利益を得たいという欲望を満たすための行為です。しかし、毛皮の売買を終わらせることはできます。

毛皮産業の影響力

現在、毛皮産業は世界中で重要な収入源とされていますが、中でも飛び抜けた生産量を誇る国があります。ロシアや中国、北欧諸国(スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、デンマーク)がそれに当たります。たとえば中国では、犬、キツネ、ミンク、ラッコなど計7500万頭が毛皮だけのために殺されています。

こういった産業を正当化するために、まず用いられるのが前記の主張です。つまり、「人類の歴史のごく初期から、毛皮は衣服として利用されてきました」ということなのです。ところが、私達の遠い祖先は、毛皮だけを目的に動物を殺すことはしませんでした。今日行われているように、生きたまま皮を剥ぐだけのために狩りをしたわけではないのです。

人類は動物を狩って食料とし、毛皮を衣服に用いてきました。また、獣が自然死するのを待って利用することもありました。ところが現在では、人間の欲望はいまだかつてないほどに膨れ上がってしまっています。

アメリカは中国と同様に、こういった残酷な行為を先頭を切って行っています。年間700万頭の動物が、毛皮好きの人の贅沢な要求を満たすために死に追いやられています。ところが、雑誌「ライカ」の調査によると、この数字は将来的にはゼロにまで下がるというのです。

写真家のジョアン・マッカーサー氏はインタビューで次のように語っています。「たくさんの人が毛皮のコートを着ていますが、それを作るために動物が殺されていることには気が付きません

毛皮の生産 毛皮産業 終わり 動物の命

マッカーサー氏は自身の仕事でこの問題に注目し、ヨーロッパやカナダで少なくとも25の毛皮農場を訪れ、撮影を行ったといいます。「もしあの光景を見たことがあったなら、きっとその服を着る気にはならないだろうに」毛皮製品を身に付けている人を見るたびに、そんな思いが頭を過ります。

毛皮産業の実態

デンマークでは年間1700万以上のミンク製品が生産されています。よく知られているように、ミンクは毛皮の価値が高く、業界ではもっとも重宝されている動物です。毛皮用のミンクは身動きもできないほど小さなケージで育てられます。こうして育てられたミンクが商品となる際にどのような方法で死を迎えるのかについては、お伝えしない方がよいでしょう。

これらのミンクは豊かな水場の近くにある本来の生息地から連れ去られ、乾燥した飼育場に詰め込まれます。ストレスで攻撃的になり、互いに争って共食いをすることもあります。

ミンクの毛皮 毛皮産業 終わり 動物の命

以上は毛皮産業の世界で起こっていることのほんの一例に過ぎず、いまだ歯止めもかかっていません。この貴重な生物の命よりも、そこから生まれる利益の方が重要だとみなされているのです。

飼育場について語るべきことはいくらでもあります。飼育の環境や動物たちの扱われ方、飼育ケージの衛生状態など、問題は山積しています。しかしそれらすべてについて書くには紙幅も足りないため、もう少し希望の持てる話題をお伝えしておきます。毛皮利用の終わりについてです。

ようやく終わりを迎える毛皮産業

現代では、非人道的な産業は誇るべきものでもなければ、容認すべきものでもなくなりました。毛皮産業の廃止を訴える運動が各地で展開され、活動を行ってきました。こうした活動を受けて、企業の中には動物を苦しめないような方法を用いると公言しているものもありますが、それが嘘でしかないことは誰もが知るところです。

動物から毛皮を得る工程とは、どのようなものでしょうか。生きたまま皮を剥ぐにせよ、殺してからにせよ、動物を苦しめずに行うということが果たして可能でしょうか。

ジョルジオ・アルマーニなどに代表される心ある企業は、毛皮の使用を停止することを宣言しています。同社が毛皮製品の生産を止めてからすでに2年が経ちました。また、カルバン・クラインは毛皮の利用は必須ではないとして、20年前にはすでに使用を停止しています。

この悪しき産業に1ドルたりとも寄与しないことを表明している企業やデザイナーは、すでにたいへんな数にのぼっています。多くの国では、動物虐待は法律で禁じられています。この事実に世界の目を向けさせることが毛皮反対運動の目標です。こういった活動によって今後より多くの法律が成立し、世界中の裁判でも、心ある判決が下されるようになるでしょう。

ノルウェー政府は、国内すべての毛皮農場および企業に、閉鎖のための6年間の猶予期間を定めました。この流れはまだまだ続くでしょう。毛皮産業の終わりはそう遠くありません。