犬の老化を示す5つの兆候

通常、獣医師は犬が7歳になると「高齢」と定義します。犬も高齢になると人間のような変化があるのでしょうか?
犬の老化を示す5つの兆候

最後の更新: 03 12月, 2018

ペットの加齢が進むと、病気を発症するリスクが高まります。そのため、老化の兆候を知ることが、病気の予防や早期発見の基本です。

今回は犬の老化のサインについて詳しくご紹介します。

犬の老化を知る方法

人間の老化に個人差があるように、犬の老化もそれぞれ異なります。

犬のサイズや犬種をはじめとする様々な要因によっても異なりますが、獣医師は一般的におよそ7歳を「高齢」と定義しています。

ただし、これは一般論であり7歳でも元気で若々しい犬も多くいますし、前述したように大型犬と小型犬では違いがあります。

しかし7歳をすぎたら、これまでよりもしっかりと定期検診を受けることをお勧めします。

一般的には、大型犬の方が小型犬よりも早く老化が始まります。

例えばジャーマンシェパードが13歳まで生きると「長生き」と考えられる一方で、13歳のヨークシャテリアは比較的一般的だと言われます。

犬が老化しているかを確かめるためには、犬を観察するのが最善の方法です。犬のことを一番よく知っているのは、その犬と一緒に暮らしている飼い主とその家族です。

1.エネルギーの喪失

最初に飼い主が気づくのが、エネルギーの減少または喪失と言われています。

数年前のように、いつまでも元気に動き回っていたり、エネルギーが満ち溢れて走り回ることが徐々に減ります。

エネルギーが減退した老犬

年齢に関わらず犬は眠ることが好きですが、加齢とともに寝る時間が増えて、穏やかな遊びを好むようになります。

一日中寝るようになる犬もいれば、ボール遊びを喜ばなくなる犬もいます。

また他の犬との追いかけっこが好きだったのに、ドッグパークで追いかけっこに参加しなくなるなど明らかに身体能力が低下してエネルギーが減っているのがわかるでしょう。

飼い主とのリラックスした時間や、短めの散歩を喜ぶようにもなります。

こちらもご参考に:シニア犬の基本的ケア

2.気分が上下することが増える

犬の老化が始まると、気分が上下することが増えますが、これは犬によっても異なります。

以前よりも忍耐強くなり、子供や子犬に寛容になるタイプや、穏やかな性格になるタイプの犬がいます。

その一方で、騒音やストレスを感じるような状況に耐えられなかったり、痛みを感じることで、怒りっぽくなる犬もいます。

痛みを感じていたり、音などに敏感になっている場合は、獣医師の診察を受ける必要があります。

3.他の犬の行動

犬の加齢が始まると、その老犬だけでなく、周りの犬の態度も変わります。

犬同士は、私たち人間がわからない方法でお互いを理解するため、周りの犬は年老いていく犬が必要なことを理解し、それを態度で表します。

周りの犬の態度

例えば、ドッグパークでいつも一緒に遊ぶ犬の態度が変わり、老犬に対して激しい遊びを求めてこなくなったり、追いかけっこをしなくなり、ただ「心のこもった話し合い」のようにお互いを認識しあう場合も、老化の兆候かもしれません。

ただし子犬は例外です。子犬は老犬が大好きなので一生懸命遊び相手になってもらおうと、老犬の注意を引くでしょう。

4.白髪など毛皮の変化

犬の老化の兆候の一つに身体の変化があり、その最も顕著なものが毛皮の色です。

毛が乾燥し、白髪になり、光沢がなくなり、通常の色よりも淡い色になる傾向があります。

中には、毛皮の成長が遅くなったり、抜け毛を発症する犬もいます。

若い犬でも、背中や口の周りの毛が白い犬種がいますが、年齢とともに目や耳の周りも白くなり、最終的に全体的に白くなったり色が淡くなります。

5.病気や病気の兆候が現れ始める

人間の老化と同様に、犬の年齢が上がると、多くの病気を発症する可能性が高くなります。

よくあるのが、目、関節、骨、そして代謝に関する疾患です。

また犬の体重が変わるのも老化の兆候の一つです。

老犬の身体的変化 犬の老化

飼い主がいくら食事に気をつけていても、体重が減る犬もいれば、太ってしまう犬もいます。

老犬が発症する病気は数多くありますが、そのすべてが人間の目に見えるものではありません。

例えば、何かに対して狼狽することが多くなったり、耳が遠くなったり聞こえなくなったり、白内障を発症してほとんど視力がなくなる犬もいます。

また皮膚の病気、アレルギー、そして消化器系の病気を発症する犬もいます。

獣医師の診察を受ける機会と飲むべき処方薬が増えてきたら、間違いなく老化の兆候です。

医療の重要性

老化が始まった犬や、7歳以上の犬にとって、定期検診は欠かせません。

そして熟練した獣医師こそが、犬の病気や老化を早期発見し、正しい治療を指導してくれます。


引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。


  • Beato Mallofret, M. (1999). Incontinencia urinaria: 6 casos clínicos. Clínica veterinaria de pequeños animales, 19(3), 0171-180.
  • Bayón Del Río, A., Palao Jiménez, C., Micó Valls, C., & Vecino Cordero, E. (2010). Oftalmología veterinaria: de la catarata al OCT. Archivos de la Sociedad Española de Oftalmología, 85(12), 387-389.
  • López, X. R., & Melián, C. (2004). Enfermedades metabólicas y hormonales en perros geriatrícos. Argos: Informativo Veterinario, (60), 32-35.

このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。