動物のヘアーカラーリング:流行に潜む危険性とは?

カラーリング剤は人間のために作られており、動物には有毒な成分を含んでいるため、死に至ることもあります。また、アレルギー、不快感、行動の変化、他の犬との関わり方にも問題が出てきます。
動物のヘアーカラーリング:流行に潜む危険性とは?

最後の更新: 26 4月, 2019

公園や店舗で奇抜な毛の色をしたウサギやインコが売られているのを目にしたことがあるかもしれません。あるいは、カラフルな毛染めをされた犬や猫の動画や写真を見たことがあるかもしれません。それは面白いように感じるかもしれませんが、動物のヘアーカラーリングは深刻な健康上のリスクをもたらすのです。本記事ではその理由をご説明致します。

 

毛染めという流行

動物のヘアーカラーリングは東京で始まり、後に北京へと広がった流行でした。パリ、ロンドン、ニューヨークなど世界の他の地域に広がるのは時間の問題でした。毛染めをされた犬を散歩に連れ出し、注目されることを飼い主は楽しむのです。ペットの毛を染めた理由やヘアーカラーリングされた犬を飼おうと思った動機は重要ではありません。それよりも、考えるべきはヘアーカラーリングが動物にもたらす悪影響のことなのです。

1.動物には有毒

毛染めに使われる成分が人間には適切であっても、動物には使用してはいけません。非可逆的な健康問題を引き起こす可能性のある成分が含まれているからです。

たとえば、カラーリング剤が犬の皮膚に触れると真皮に吸収され、体内に毒素が回ってしまいます。また、カラーリング剤は毛穴を詰まらせ、毒素を毛穴の中に閉じ込めてしまいます。そして、追い打ちをかけるように、その毒素は炎症、かゆみ、痛み、湿疹などの皮膚トラブルを引き起こします。

犬の毛染め 動物   ヘアーカラーリング  危険性

同様に、考えなくてはいけないもう一つの要因があります。犬や猫に関しては、ヘアーカラーリングによってかゆみを感じるため、動物は自分の体を舐めてしまいます。そして、その毒素は消化器系の機能不全を引き起こすこともあります。これは嘔吐、下痢、そして死さえももたらします。

2.アレルギー反応を起こす

最近ではペット用に特別に開発されたカラーリング剤もあります。しかし、それでも安全は保障されていません。多くの動物はカラーリング剤に含まれている成分にアレルギーがあります。実際、そのアレルギー反応は人間用のカラーリング剤を使用した場合と同じと考えていいでしょう。

犬や猫の皮膚は敏感であることを常に覚えていてください。そのため、犬や猫をお風呂に入れる際は、あなたの使っているシャンプーを使うことさえしてはいけないのです。

3.毛染めはストレスフル

もしペットのヘアーカラーリングを考えているのであれば、知っておかなくてはいけないことが他にもあります。動物にとってヘアーカラーリングをされることはお風呂に入れられるよりもストレスで、気の滅入ることなのです。

毛を濡らし、カラーリング剤をつけて少し時間を置き、すすいで乾かすには1時間ほどかかります。この間、愛犬はずっと恐怖を感じているのです。もしかしたら噛みつくこともあるかもしれません。

4.行動に変化が出る

動物のヘアーカラーリングは非常に不自然なことです。もともとの被毛の色を変える必要はありません。色を変えることで行動に変化が生まれることもあります。ヘアーカラーリングされた多くの犬は散歩に行くことやベッドから起きることを拒みます。夏にトリミングを行っても似たようなことが起きることがあります。

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犬の毛染め2 動物   ヘアーカラーリング  危険性

犬は、他の犬とのふれあいが無いとストレスを感じたり不安になったりすることがあります。また、問題行動が見られるようになることもあります。社会化は子犬のころから行うことが大切なことを決して忘れないようにしてください。

5.ヘアーカラーリングは動物の自然なにおいを変えてしまう

カラーリング剤に有毒物質が含まれていなかったとしても、カラーリング剤の独特な香りは愛犬の自然なにおいをカモフラージュしてしまいます。これは、犬にとってコミュニケーションができないことを意味するのです。

つまり、あなたの愛犬を見た他の人は微笑むかもしれませんが、他の犬はあなたの愛犬を拒否し近寄らないのです。何の罪もない犬がこんなことを耐え忍ばなくてはいけないのは、どうなのでしょうか。飼い主が気まぐれで行ったことの代償をペットが払う必要はないはずです。

6.ヘアーカラーリングはペットの擬人化

残念なことに、これもあなたのペットに大きな害を与えてしまう流行りです。どんなにペットを大切に思っていても、ペットは人ではありません。ましてや、あなたの赤ちゃんでもありません。 犬や猫の擬人化はペットにとって良くないことです。ルールを守らなくなる、他の動物とのコミュニケーションがとれなくなるといったことは、擬人化による害のほんの一部にすぎません。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。