あなたは眼振を知っていますか?
ペットたちはジェスチャーを通じて私たちにサインを送ります。そのジェスチャーを理解できなかったり、理解できても対処法が分からなければ、大きな問題に繋がる可能性があります。ですので、愛犬の異変について事前に知っておき、いざという時に迅速に行動できるようにしておくのは大切です。そして今日は、犬の「眼振」についてお話していきたいと思います。
眼振って何?何が原因でなるの?
眼振は無意識的に眼球が動き続けることです。そして動きが速さ自体は問題ではありません。また、両目ともに発生するのが普通ですが、片目だけにも起こり得ます。そして、絶対というわけではありませんが、この動きから視覚がダメージを受ける危険性もあります。
また、胚発育の段階で眼球が奇形になり、それ故に起こる先天性の症状である可能性もあります。であれば、白内障や眼内出血、網膜剥離の原因にもなり得ます。
さらにこれは猫にも起こりうる症状で、特にシャム猫やアルビノは視交叉によって発症のリスクが高い傾向にあります。
眼振の症状
唯一の分かりやすい症状は、無意識的な眼球運動です。その眼球運動は、以下のように異なる形で現れます。
- 横移動
- 縦移動
- 円を描くように移動
上記の動きそれぞれに名前があり、上から「平行眼振」「垂直眼振」「ねじり眼振」と呼ばれています。
テスト
もし愛犬が無意識下で眼球運動を繰り返していれば、獣医師が以下のようなテストを行って、それが「眼振」かどうかを確かめてくれます。
- 細隙灯検査
- 反射神経テスト
- 眼圧測定
- 間接検眼
- 網膜電図法
- 電磁気共鳴画像法(必要であれば)
治療
眼振は何かの病気の予兆でしかないので、それそのものはあなたが治療できる類の病気ではありません。例えば、愛犬が眼振を患って、それが白内障を引き起こしたとしましょう。すると、獣医師が手術をして白内障を治療すると同時に眼振も止まります。
しかし先天的な問題や他の要因によって眼振が引き起こされている場合、治療が不可能なケースもあります。
そこで予防策として、愛犬を鉛や毒性の強い物質から遠ざけておいてください。というのも、こういう物質は眼振を引き起こしたり、もしくは症状を悪化させたりするのです。
私の愛犬が「眼振」していたらどうすれば?
愛犬のそれが眼振であるかどうかを見極めるには、その眼球の動きをよく見てください。時々、眼球運動は気づけないほど微小な事もあるので、よく注意して観察する必要があります。
でも一般的に、「眼振」は簡単に察知できる症状です。見ただけでは大変な問題には感じにくいですが、それでも異常であることには変わりありませんので、早急に動物病院へ連れて行きましょう。
さらに眼振は、バランス感覚が失われたり、取り憑かれたようにぐるぐる同じところを歩き回る、寝れない等といった前庭障害のサインかもしれません。ですので、どんなに小さな異変でも、絶対に獣医師さんに診てもらいましょう。
時に私たちは、小さなジェスチャーを大きな問題として捉えません。異変が無いと見なしてしまうのです。特にインターネット上や友達の意見に納得して、「これぐらい大丈夫だ」と思ってしまったりもします。
しかし今あなたが読んでいる「動物王国」では、いつも「何か動物が普通でないときは、それは何かが異常だからだ」というアドバイスを送っています。こういう時の最適解は、疑いようもなく動物病院に連れて行く、です。もし獣医師さんが診察して、結果何も問題がなかったのなら、それでいいじゃないですか!大切なのは、常に用心深くあることです。覚えておいてください、ペットの一生は私たちによって左右されるのです。私たちは彼らの命を背負っており、そしてちゃんとお世話をすれば、無為に命が失われる事もありません。