犬が目に涙をためるのはなぜ?

犬は人間と共通した生理学的反応を多く持っています。しかし犬がそれらの反応を人間と同じ感情を表現するために行っているのかどうかは、はっきりしていません。
犬が目に涙をためるのはなぜ?

最後の更新: 20 2月, 2019

もし犬を飼うのが初めての場合、愛犬の目に涙がたまっていたら何が起こっているのか、そしてどうすればいいのか分からないですよね。ペットを飼っていると時としてこういうことに遭遇するものですが、何が起きているのかわからなければ、心配してしまうのも無理はありません。この記事では、犬が目に涙をためる理由をご紹介します。

犬は泣いたり涙をためたりするの?

きっと読者のあなたも自分の愛犬も例外ではないことに気づいているはず。すべての犬の目の下には、涙を出していることを示すサインがあります。しかし、犬は本当に泣いているのでしょうか、それとも自然に涙が出ているだけなのでしょうか。

犬などの動物には感情がある」ということが事実だとしても、動物がそれを涙で表現するとは限りません。人間は悲しいときにそれを涙で表現する唯一の生き物だと言われているのです。

「泣く」という言葉が、単に涙を流す行為を指すのだとすれば確かに犬も泣くと言えます。犬は涙を流しますが、そこに感情はありません。つまり一般的な意味で言うなら、犬は泣いているのではなく、単に涙をためているだけなのです。

涙をためる犬

なぜ犬は涙をためるのか

では、犬が涙をためる原因を見ていきましょう。

涙管が閉じている

涙管が閉じた状態で生まれる犬はたくさんいます。涙管が閉じていると、いつも涙をためているように見えるのです。涙をうまく制御することができないので、まぶたにどんどんたまっていき、突然それが溢れ出すというわけです。

これはちょっとした手術で簡単に治せますが、多くの獣医はおすすめしていません。再発してまた涙管が閉じてしまう可能性が高いからです。

犬種

犬種も涙をためるメカニズムに関係しています。涙の状態や量は遺伝的要素によっても決まるからです。大きい目を持つ犬種は、小さい目の犬種よりも多く涙をためる傾向がありますし、また大型犬はよりたくさんの水分を必要とするので、その分涙の量も増えます。顔周りの毛が多い犬種も、毛によって目が刺激されるため、涙の量が多くなる傾向にあるようです。

結膜炎

犬が涙をためるそのほかの理由としては、結膜炎が挙げられます。結膜炎の場合、犬の様子が普通ではなくなるので、気付くのは容易です。犬が通常の生理学的反応として涙をためているときは、その犬は健康でいつもどおりに見えます。ところが結膜炎になっている場合、目が赤くなって閉じられ気味になり、あまり元気がなくなってしまいます

涙がたまっている犬

アレルギー

犬が涙をためるそのほかの原因としては、アレルギーが挙げられるでしょう。食物アレルギーの場合もあれば、そのほかのアレルギーであることもあります。これは体を刺激するものに対する防御システムとして働く身体的反応です

アレルギーの場合、結膜炎と同じように目が赤く腫れますが、それと同時にくしゃみやそのほかの症状が現れます。もしこうした兆候が愛犬に見られたら、獣医さんに行って、何のアレルギーが原因になっているのかを特定してもらいましょう。

愛犬が涙をためていたらどうすればいいのか

最初にすべきなのは、きれいな水で目を掃除することです。それが終わったら、目や目の周りに涙を出させるような刺激物などがないか確認してください。もしあったら、冷たいカモミールティーか食塩液で目の周りを重点的に掃除して、それを取り除いてあげます。

愛犬になにか普段と違ったところがないか、いつもチェックしてあげるようにしましょう。もし異常があれば、なるべく早く獣医さんに相談するなど、迅速に行動することが大切です。愛犬のお世話をして良い生活を送らせてあげるのは、飼い主の重要な責任であることを忘れないでくださいね。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。