ブラックドッグスプロジェクト:黒い犬の美しさを伝える
黒玉は、世界中で高値で取引される宝石の一つですが、これはその美しくも堂々とした色、「黒」が理由です。しかし、黒は宝石では美しいとされる一方で、他の種族や生き物では、その様に受け取られない事もあります。例えばこの事は、黒い毛皮を持ったペットにも当てはまるのでしょうか?今日はそのことについて話しましょう。
ブラックドッグスプロジェクト (The Black Dogs Project)は、黒い犬の美しさを写真を通じて伝えるという新たな試みです。バカバカしく聞こえるアイデアかもしれませんが、実は黒い毛皮を持った犬や猫は飼い主を見つけにくいという現実があるのです。
信じるか否か、黒は悪運や不吉の象徴であるという迷信は人間以外にも影響を与えています。黒玉やオニキスという宝石からも分かる通り、自然は繰り返し私たちに、黒は絶対美の象徴であると教えてくれたのにも関わらず、そのような事実が存在するのです。
この迷信の影響で、あまりにも多くの黒い動物が拒絶され、有無を言わさず捨てられた事までありました。その理由はただ、毛皮の色が黒いからだけなのです。
ブラックドッグスの美しさ
黒、黒、そして、黒。フレッド・レヴィ(Fred Levy)氏の写真集は見渡す限りの黒です。この写真集は、黒い犬が一方的に受ける差別的現状から生まれました。
黒い犬は他の犬と比べ、引き取り手を見つけるのにより多くの時間がかかります。これはつまり、彼らはより長く収容所で時間を過ごさねばならないことを意味しています。
黒い犬は引き取り手に恵まれていないと気付いた時、ブラック・ドッグス計画は始動しました。
ー フレッド・レヴィー
ブラックドッグスプロジェクトは黒い毛皮の犬たちと、その毛並みを誇りに思う飼い主達の物語を紡ぎます。
写真は薄暗い背景が用いられ、飼い主の服の色とのコントラストも相まって、美しい黒い犬の目と毛皮が一層際立つようになっています。
黒い猫?黒い犬?
残念ながら、黒というだけで黒い猫や黒い犬を敬遠している人はたくさんいます。このような差別によって引き取られなかった動物の数について公表する保護センターや収容所は多くありません。しかし、そこで黒い犬たちが最も大きな不利を被っている事は間違いありません。
これはとても悲しい事ですが、真実なのです。毛皮の色を理由に、ペットに選ばれるか否かが決まるような事があってはなりません。色素など動物の性格や個性になんら関係ないもので、結局は見た目ではなく内面で判断されるべきなのです。
動物は、太っているから、背が高いから、低いから、もしくはブサイクだからという理由で私たち人間を推し量ったりしません。彼らは私たちの内面を愛してくれています、そしてそれは彼らが私たちに注ぐ目線を見れば一目瞭然です。肌や毛皮の色、もしくは見た目の美しさを気にするのは止めにして、もっと動物の内面を理解する様に心がけませんか?
色と意識
スタンリー・コーレン(Stanley Coren)氏は動物の色が、人間の意識や潜在意識に与える影響について実験を行いました。
彼は、黒い犬に向けられる感情が他の色の犬に向けられる感情と異なることを証明したかったのです。
この研究の為に60人が選ばれ、彼らに異なる種と毛皮の色を持つ犬たちの写真を見せました。結果、ほとんどの場合において黒のレトリバーの写真はゴールデンレトリバーの写真よりも好感度が低いと判明しました。
研究の結果
犬種は同じにも関わらず、人間が向ける感情は色によって違いました。信じられないほど悲しい事ですが、科学的に真実だと証明されました。
このブログを読んでいる皆さんは、動物愛に溢れた人たちだと思います。もしペットを飼う機会があるならば、どうかその動物愛を思い出して下さい。特に、毛皮の色で差別を受けて引き取られない動物達に、その愛を見せて欲しいと思っています。黒い犬たちの前に立ちふさがる壁を壊すのを手伝ってください。あなたが犬に愛されたい様に、あなたも彼らを守ってあげて欲しいのです。